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原油価格高騰で宿泊業コスト増や取消も 村田観光庁長官「影響を注視していく」

2026年4月17日
編集部:長谷川 貴人

2026年4月17日(金)配信

観光庁の村田茂樹長官は4月15日に会見を開いた

 観光庁の村田茂樹長官は4月15日(水)に開いた定例会見で、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰についての問いに、宿泊業界団体などと行った意見交換の内容を報告した。コストの増加、欧州や中東方面から一部で宿泊キャンセルが発生している一方、業界全体としては「燃料調達の支障や経営危機の頻発などの顕著な傾向は、現時点では確認されていないと聞いている」との認識を示した。

 ただ、中東情勢の見通しが立たないなかで、宿泊業界は先行きを不安視しているのも現状だ。中東情勢に対する影響への取り組みとして、政府が関係閣僚会議やタスクフォースを設置していると紹介。宿泊業を含む中小企業に対して、日本政策金融公庫などがセーフティネット貸付の要件緩和といった支援策が講じられていると説明した。観光庁は引き続き、「宿泊業などの影響を注視していく」考えを述べた。

 また、航空会社が燃油サーチャージの値上げを検討している報道について、村田長官は「現時点で訪日需要にどの程度の影響が生じてくるかを見通すのは困難」と言及。観光庁として、航空運賃など外部環境の変化が起こり得ることを前提としつつ、多くの国や地域への戦略的な訪日プロモーションのほか、魅力発信や訪日機運の醸成が重要との方向性を示した。

新たな推進基本計画、3月27日に閣議決定

 3月27日(金)に「第5次観光立国推進基本計画」が閣議決定された。同計画の特徴として、観光が地域経済や日本経済の発展をリードする「戦略産業」と明記。人数だけを追い求める数値目標ではなく、訪日客によるリピーター数や地方部における延べ宿泊数・消費額の拡大など、内容や質を重視している点を挙げた。

 さらに、地方誘客などのオーバーツーリズム対策を強化することを初めて位置づけたほか、日本人の国内・海外旅行の促進に関する記載を充実。そして、従来の「住んでよし」「訪れてよし」の観光庁の方向性に加え、「働いてよし」の観光産業の実現に向けた目標施策を盛り込んだ。

 2030年訪日客6000万人、消費額15兆円などの目標達成に向けて、村田長官は「政府一丸、官民一体で、さまざまな取り組みを力強く進めていきたい」と強調した。

訪日客の消費額動向、1~3月期過去最高

 インバウンド消費動向調査の速報値によると、2026年1~3月期の訪日外国人旅行消費額は前年同期比2.5%増の2兆3378億円で、第1四半期として過去最高と報告した。村田長官は増加要因として、欧米や欧州をはじめとする訪日客数の増加や、平均泊数の増加による影響が大きいと説明した。

 中国が訪日客数の減少に伴い、消費額も同50.4%減となったものの、さまざまな国や地域からの訪日客が増加し、国籍・地域別全体としては増加。インバウンド全体の傾向として、好調な状況が続いていると受け止めを述べた。

 なお、今回の調査結果は3月単月での推計データではないため、中東情勢の悪化を受けての評価には注意が必要と指摘。観光庁として、インバウンドの動向は引き続き状況を注視しながら、今後もさまざまな国や地域からの訪日の促進に取り組みたい考えを示した。

日米観光交流促進CP、ビデオメッセージ公開

 観光庁が4月から実施する、日米間の双方向で観光交流の拡大に取り組む「日米観光交流促進キャンペーン2026」についても触れた。日米両国で連携して具体的に取り組むにあたり、村田長官と米国のウィリアム・キミット商務省国際貿易担当次官が出演する、共同制作されたビデオメッセージを披露。今後、観光庁Webサイトやユーチューブで公開する。

 村田長官は引き続き、「日米の官民で相互交流の機運を盛り上げるとともに、特別な旅行商品の造成や日本の魅力発信イベントなどに取り組んでいく」と話した。

 4月22日(水)には「マーケティング戦略本部」を開催すると発表した。「第5次観光立国推進基本計画」を踏まえ、観光の持続的な発展・消費額拡大・地方誘客促進の実現に向けて、訪日マーケティング戦略について関係者で検討を行い、インバウンド市場の多様化の流れをさらに後押しする。

 このほか、モバイルバッテリーの航空機内での取り扱いについて、4月14日(火)の金子恭之国土交通大臣の記者会見を受け、村田長官も発信した。

 航空機内でのモバイルバッテリーは、これまで国際基準などに基づき、①預入手荷物に入れない②ワット時定格量は160Whまで③ショートしないよう個々に保護④収納棚に収納しない――の4点が定められていた。最近のモバイルバッテリーからの発火事案などを踏まえ、このほど国際基準が改訂。日本でも新しく、機内持込みはモバイルバッテリー2個まで、機内で充電しない、機内で使用しないという3点の追加を、4月24日(金)から国内線と日本発着の航空便に求めるとした。

 観光庁は、旅行業協会や日本政府観光局(JNTO)などを通じて、国内外の旅行者に対しても周知などの対応をはかっており、航空機を利用する旅行者に理解と協力を呼び掛けた。

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