test

【トリプラ 高橋和久CEOに聞く】宿選びはAI検索時代に 直販拡大はAI引用がカギ

2026年6月2日
編集部:長谷川 貴人

2026年6月2日(火)配信

トリプラCEOの高橋和久(たかはし・かずひさ)氏

 宿泊施設向けITソリューションを展開するtripla(トリプラ、高橋和久CEO、鳥生格CPO)は、自社予約比率向上と会員獲得を支援する予約システム「tripla Book(トリプラブック)」や、AIチャットボット「tripla Bot(トリプラボット)」など、直販予約の拡大に必要な機能を一気通貫で提供している。AIが急速に発展し、社会での普及が進むなか、本紙は宿泊業に特化したITソリューションに精通する高橋CEOに話を聞いた。

 ――宿泊施設のAI活用に向けて、トリプラでの取り組みをお聞かせください。

 トリプラでは、宿泊施設の公式サイト上でお客様の質問を受け、AIが内容を判断して回答する「トリプラボット」を提供してきました。昨今は生成AIやエージェンティックAI(自律型AI)の進化により、これらを活用したさらなるAI活用に向けて取り組んでいるところです。

 具体的には旅館やホテルを探すとき、グーグルなどの検索エンジンやOTA(オンライン旅行会社)を利用し、予約するのがこれまでのパターンでした。それが少しずつ「AI検索」へ移行してきているからです。

 AI検索といっても、ChatGPT(チャットGPT)やGemini(ジェミニ)などの生成AIからの検索や、グーグルのAIモードや検索結果のトップに表示されるAI概要欄などがあります。宿選びにAIが活用されているのが、直近の宿泊業界で起きているトレンドではないかと思います。

 実際にサイト分析を行うと、グーグルのAI検索から宿泊施設の公式サイトにアクセスしている数が一番多く、その次に生成AIの検索結果が多かったです。このような現状のなか、いかにAI検索でトリプラを利用する宿泊施設の公式サイトが上がり、直販予約の向上につなげていけるか対策に取り組んでいます。

 例えばChatGPTで宿泊施設を検索した場合、内部ではAI対策を講じている一部のOTAの宿情報を優先的に見つけるような構造になっています。それと同じように、公式サイトの宿情報を見つけやすくする仕組みづくりを行っていきます。

 ――AIに見つけやすくするとはどういうことを行っていくのですか。

 SEO(検索エンジン最適化)対策と同様に、AIに見つけてもらいやすくするAEO(AI検索最適化)対策が必要になります。要は引用されやすくするために、各AI検索と連携させることが重要となるわけです。

 ただし、既にAI検索と連携できている海外の競合他社がありまして、宿泊予約には現段階ではつながっていないと聞いており、宿泊の予約が何故入らないのか、その競合他社と研究を進めています。

 ――AI検索が宿泊予約につながっていない要因とは。

 理由は、部屋の雰囲気を感じることや価格の比較が難しいことなどが考えられますが、AIと決済の連携も大きな要因と推察されます。宿泊料金は基本的にダイナミックプライシング(価格変動制)のため、生成AIが正確な宿泊料金を出力することが難しく、生成AIの画面上で決済を完結することが困難です。

 このため、AI検索から離脱してしまい、公式の直販サイトやOTAを検索し、予約しているのが現状です。これでは直販サイトへの動線が弱いため、まずは生成AI検索で直販サイトのリンク引用が、今年のゴールと考えています。

 ――ゴール到達に向けて取り組むことは。

 宿泊施設の公式サイトの強みは、女将さんのブログも含む宿独自の情報や写真が豊富に掲載されたリッチコンテンツであることです。トリプラではその強みをAI検索に引用してもらえるような仕組みを提供するため、取り組んでいきます。

 一方、宿泊施設側は新しいコンテンツや旬の情報を発信し続けることが重要です。例えば外部の投稿プラットフォーム「note」で発信していても、トリプラが投稿者は宿のオーナーとAI側に認識させます。その結果、AIが認識したnoteを通じて、直販サイトへの動線となるわけです。

 また、トリプラボットも革新し、自然な会話形式で回答する「ChatGPT+AIトリプラボット」の本格展開を目指します。よりお客様と一対一のコミュニケーションを取りやすくなるようなチャットボットに改良していきます。

 そのほかにも、OTAの価格を解析し、直販サイトが最安値となる価格設定(プライシング)を提案しています。こちらにもAIを活用し、宿泊施設から競争力のある価格を出していくことができると考えています。

 ――他にAIを活用した直販の増加につながる取り組みはありますか。

 Web広告の運用を代行するサービス「tripla Boost(トリプラブースト)」では、宿泊施設に代わって公式サイト売上の最大化をはかっています。最近は、SNSに出稿する広告動画の作成にAIを活用するサービスも始められないか検討しています。
 それ以外に、宿泊施設に特化したCRM・マーケティングオートメーションサービス「tripla Connect(トリプラコネクト)」を提供しています。お客様をセグメント(区分)化し、マーケティングのやり方を変えていくサービスです。

 セグメント化することで、宿泊プランの案内や特別クーポンなど、セグメント別でメールマガジンやLINEなどから送付できます。これを活用していただくことで、さらにお客様のリピート化や潜在客の掘り起こしができるようになります。

 セグメントもAI活用を目指します。どういうセグメントが一番効果的なのか、AIが分析する仕組みに向けて現在構築を行っています。

 直近では、鉄道系チェーンホテルに、トリプラコネクトの進化版を導入いただきました。

 例えばどのレストランでご飯を食べたか、結婚式に過去利用したかといったPMS(ホテル管理システム)内の顧客データも全部取り込んでいます。さらにセグメントを細分化できるので、よりデータの幅が広がった状態でトリプラコネクトを使い、リピート客の掘り起こしも行えます。自社の宿泊リピート率が上がることにつなげられ、相対的にOTA比率が下がっていくと思われます。

 ――最後に、トリプラが宿泊業に向けて発信したいことは。

 当社としては、宿泊施設がAIを含めた業務の効率化もですが、公式サイトの直販予約を向上させることが宿のブランド力を上げることにつながっていくと思うので、寄与できるようなサービスを今後も提供していきたいです。

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。