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《訪日客3906万人、過去最多》中国鈍化、欧米豪は力強く 出国税を「旅客税」に(村田観光庁長官)

2025年12月18日
編集部:長谷川 貴人

2025年12月18日(木)配信

観光庁の村田茂樹長官は12月17日に会見を開いた

 観光庁の村田茂樹長官は12月17日(水)に開いた定例会見で、訪日外国人旅行者数が1~11月までの累計で3906万5600人と、2024年累計を既に上回り、歴年として過去最多が確定したと報告した。一方、日本への渡航自粛を呼び掛けられた中国からの訪日客の伸び率が鈍化した。中国の影響について、村田長官は「引き続き状況を注視していくことに尽きる」ととどめたうえで、欧米豪や中東諸国の訪日需要が力強く、インバウンド市場の多様化を期待した。

 11月の訪日外国人旅行者数は前年同月比10.4%増の351万8000人となり、同月として過去最高を記録。地域別では、インバウンド全体の約8割を占めるアジア諸国が同約6%増、欧米豪や中東諸国が同約27%増と伸び、インバウンド全体で好調だったと説明した。

 受け止めを問われた村田長官は「欧米豪や中東諸国からのインバウンドが、とくに力強い成長軌道が続いている」と答えた。1~11月までの訪日客数累計が過去最高となった要因の一つでもあると話し、インバウンド市場の多様化が押し上げ要因と分析した。観光庁は引き続き、戦略的な訪日プロモーションや地方誘客を積極的に進めていき、世界の多くの国や地域からの訪日促進に取り組む方針を示した。

 中国については、11月の訪日客数が同3%増の56万2600人と伸びているが、先月10月の伸び率が同22.8%増など、25年はこれまで単月で2ケタ増を維持しており、大きな鈍化とみられる。

 今後の訪日プロモーションについて、中国は現地の状況などを勘案しつつ、必要な取り組みは進めていきたい考えを示したうえで、「中国以外の国からも日本に訪れてもらうことで、全体としての成長を目指していきたい」と語った。

IR整備の追加選定、27年に申請受け付け

 統合型リゾート(IR)の整備地域の追加選定に向けて、申請期間を27年5月6日~11月5日に定める方針を明らかにした。

 IR整備に関しては、新たな区域整備計画の申請を受け付けるため、申請期間を定める政令の改正案について、同日から1カ月間の意見公募手続(パブリックコメント)を実施すると発表した。区域整備計画では最大3カ所まで認定でき、現在は大阪・夢洲地区の計画のみ認定されている。

 観光庁はこれまで、自治体の検討状況を把握するため、定期的な調査やヒアリングを実施し、区域整備計画の申請の意向や準備状況を確認してきた。その結果、一部の自治体から区域整備計画の申請意向や検討時期が示されたことを踏まえ、公平性や申請準備を考慮したうえで、今回の申請期間が妥当であると判断したと説明した。

 IR整備の推進について、村田長官は「滞在型観光の促進に資することから、観光立国の実現に向けた重要な施策である」と強調した。

温泉文化を文化遺産へ、地方誘客や保全継承に

 このほか、11月28日(金)に「温泉文化」がユネスコ無形文化遺産への提案候補に選定されたことを聞かれ、村田長官は「観光庁としても大変喜ばしく思う」と述べた。

 そのうえで、選定を契機に温泉文化の認知度の向上や、温泉を目的としたインバウンドの増加や地方誘客のほか、温泉文化の価値が再認識され、担い手の確保や、保全・継承の取り組みが進むことも期待したいと話した。

 観光庁としては、温泉の観光活用を支援するとともに、観光事業者への支援や海外への情報発信を行い、「温泉文化の国際的な認知度向上に向けて取り組んでいきたい」と力を込めた。

 また、会見では国際観光旅客税の報道上の略称についても触れた。村田長官は「出国税」という略称が、海外渡航のために出国する日本人のみに課税されると誤解を招きやすい認識を示した。

 日本に入国後に出国する外国人も含め、出入国する国際観光旅客全体が対象であり、税収の約4分の3は外国人出国者から徴収していると説明。国際観光旅客を報道する際、略称を「旅客税」という表現を用いるよう報道関係者に配慮を求めた。

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