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「地方部には限りない可能性がある」 24年は地方中心の訪日誘客に注力(髙橋観光庁長官)

2023年12月21日(木) 配信 

髙橋一郎長官

 観光庁の髙橋一郎長官は12月20日(水)の会見で、2023年を通して「水際対策の緩和や全国旅行支援など、新型コロナ禍の復活から持続可能な観光の実現に向けて、大きな歩みを進めた1年だった」と振り返った。24年の抱負として、「日本の地方部は限りない可能性を持っている。全国津々浦々、あまねく観光客を迎えていくにあたり、地方を中心としたインバウンド誘客を戦略的に行っていく」と意気込みを述べた。

 3大都市圏の外国人のべ宿泊者数は、2023年5月に19年水準を超え、9月は回復率132・9%となった。

 髙橋長官は、「観光立国の復活に向けた取り組みを、観光関係者の皆様と全力で進めて行った結果、国内外の観光需要が確実に回復してきている」との受け止めを示した。

 一方で、地方部では90・7%の回復率に留まっており、「宿泊先の地域によって、観光需要の回復は偏在傾向にある。インバウンドの地方誘客を力強く推進していく」と力を込めた。

 訪日外国人旅行消費額は、23年1~9月累計で3兆6000億円となった。観光庁は、「この勢いが維持できれば、政府目標である年5兆円も期待できる」としている。また、国内旅行消費額においても、1~9月累計で16兆1591億円となり、政府目標の年20兆円達成を視野に入れている。

 回復が遅れている海外旅行については、「双方向交流が国際間交流の本質。引き続きアウトバウンド回復に向けて取り組みを進めていく」とした。

 24年は、業界の構造的な課題である収益性・生産性の低さがコロナ禍で顕在化したことを受け、観光産業を「稼げる産業」「持続可能な産業」に変革し、日本の基幹産業へ育てていく方針を示した。

 また、人材不足については、「待遇面や働き方を含め、観光業が魅力ある産業として、持続可能なカタチで発展する基幹産業になることが貴重な人材を確保していくことにつながる」として、取り組みを進めていく。

 観光需要増に伴って、政府は10月末、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」を策定した。

 北海道・ニセコエリアではオーバーツーリズムが例年冬季に発生している。これに伴い、北海道運輸局は、シャトルバスや周遊バスの運行、他地域からタクシー車両と人員を派遣するなどの取り組みを行っている。オーバーツーリズム抑制のため、観光客、地域住民、従業員が円滑に移動できる交通手段の確保を行う。

コンプライアンス問題 業界の信頼回復求める

 23年11月、大手旅行会社5社による談合疑いで、公正取引委員会による立ち入り検査が行われた。度重なる不正事案発生について、観光庁は11月16日(木)、日本旅行業協会に(JATA)対し、再度の全会員の受託業務の総点検と、コンプライアンス向上に向けた検討を指示した。

 髙橋長官は、「業界の自助努力だけでは限界があると判断し、外部有識者を踏まえた委員会の設置を指示した。外部の専門的な知見に基づき、原因究明を徹底的に行って、再発防止策の策定・実行を踏まえ、クリーンな業界に生まれ変わってもらいたい」と話した。

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