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中国の団体旅行解禁 単月の訪日客数、年内にもコロナ前へ回復見通し(髙橋観光庁長官)

2023年8月22日
編集部:馬場遥

2023年8月22日(火) 配信 

観光庁の髙橋一郎長官は8月21日(月)、会見を開いた

 観光庁の髙橋一郎長官は8月21日(月)に開いた会見で、中国から日本への団体旅行が8月10日(木)に解禁された件について「10月の国慶節の時期には、中国からの団体旅行の送客が本格化すると想定している」と話した。これにより、年内にも単月の訪日外国人旅行者数がコロナ前である19年の水準に戻ることも視野に入れて、受入環境整備の充実に努めるとともに、旅行消費額5兆円の早期達成を目指す考えだ。

 日本政府観光局(JNTO)によると、2023年7月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比1505・1%増の232万600人。7月の訪日外客数は、コロナ禍以降初めて200万人を超えた前月から、約12%増と大幅に伸長した。中国を除くと、19年同月比103・4%増とコロナ拡大前の実績を上回っている。

 1~7月の累計訪日外客数は、19年同期比33・6%減の1303万3000人だった。

 観光庁は、新たな観光立国推進基本計画において、25年までに訪日外国人旅行者数の19年水準超え・訪日外国人旅行消費額5兆円の早期達成を目指す。

 一方で、急速な観光需要の回復に伴い、オーバーツーリズムや人手不足への懸念が高まっている。

 

オーバーツーリズム対策 地域と連携し実証実験へ

 一部の観光地では、混雑やマナー違反などによる地域住民の生活への影響や、旅行者の満足度低下などといった課題がある。

 京都府京都市では、マナー啓発に高札型のデジタルサイネージや、路上において観光バスの滞留を防ぐ看板を設置する取り組みなどが、観光庁の支援のもと、実施する予定だ。

 北海道・ニセコエリアでは、北海道運輸局が自治体・DMO・関係事業者と連携し、市街地とスキー場を結ぶシャトルバスを運行して、スキー客向けの交通手段の確保や渋滞の減少をはかる実証実験を行うなど、地域と連携した取り組みを積極的に進めている。

 髙橋長官は、「それぞれの地域の実状に応じて、旅行需要の平準化をはかり、観光客の過度な集中を回避するとともに、地域住民の生活への影響を最小限に抑える取り組みが大事」とし、「混雑やマナー違反への対策を進めつつ、地域の自然文化などの保全や地域産業の発展と観光振興を両立させる持続可能な観光地域づくりを進める」考えを示した。

 

需要回復に伴い人手不足 国内・外国人両面で確保へ

 内外の観光需要の急速な回復に伴い、人手不足が顕著となっている。観光庁は、「宿泊施設によっては、稼働率を落とさざるを得ない状況も生じてきていると把握している」と認識を示した。

 「需要回復に着実に対応するために、まずは足元の人手不足の解消が重要。宿泊業における就職説明会の開催や、広報など採用活動の支援を行っていく。また、宿泊施設の効率的な運営のための施設改修や、デジタル化に対する支援などを通じて、観光産業の生産性と収益性の向上をはかる」考え。

 このほか、賃金水準の引き上げなどにより従業員の待遇向上や、ひいては人材確保のための環境改善が進むものと期待を寄せている。

 宿泊分野における特定技能外国人材は、23年5月時点で265人に留まっている。昨今の観光需要の急速な回復に伴い、観光庁は今後、特定技能外国人材のより積極的な活用が必要だとして、観光庁では、業界団体と協力し、特定技能試験の実施国において、日本の宿泊業の魅力を発信するジョブフェアの開催や、PR活動を一層強化していく。このほか、特定技能試験の実施回数の増加と、試験合格者と宿泊事業者とのマッチングイベントも増やしていく。短・中長期の対策を総動員して人手不足の解消に取り組む方針だ。

 

24年度概算要求 観光需要を地方へ

 観光庁は、24年度概算要求において、23年3月に閣議決定された新たな観光立国推進基本計画に記載された各施策の具体化について、検討を進めている。

 外国人のべ宿泊者数はほぼコロナ前水準まで回復しつつあるが、観光需要の回復状況は、宿泊先地域によって偏在傾向がみられる。

 髙橋長官は、「3大都市圏のみで全体の7割を超えている状況。地方全国あまねく観光の効果を地域の人々に届けなくてはならない。そのためには、訪日外客の地域集中や長期滞在の一層の促進をはかり、地域の魅力の情報発信と取り組みが重要だ」と話した。

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「中国の団体旅行解禁 単月の訪日客数、年内にもコロナ前へ回復見通し(髙橋観光庁長官)」への1件のフィードバック

  1. 観光人材が不足しているのは宿泊分野だけではありません。
    観光バス事業者、観光施設等でも慢性的な人手不足です。

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