3委員会の取り組みに注力 海外旅行の復活に向け粘り強く OTOAが26年度総会
2026年6月4日(木) 配信

日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA、大畑貴彦会長、107会員)は6月3日(水)、東京都内で2026年度通常総会を開いた。今年度は昨年度から活動を再開した「安全対策」「調査・研究」「インバウンド」の3委員会の取り組みに引き続き注力していく。
大畑会長は海外旅行を取り巻く環境について、パスポートの発行手数料が7月から大幅に下がる一方、不安定な世界情勢や長引く円安、燃油サーチャージの高騰など複合的な要因が「復調に待ったをかけている」と述べた。「海外旅行の推進はバランスの取れた国際交流に不可欠であり、インバウンドの増加にも資するもの」とし、一例として、若者の海外旅行体験のきっかけとして海外教育旅行への支援なども有効だと訴えた。
このなかで、OTOAの存在意義は「安心・安全の旅」と「良質なサービスの提供」と言及。「いつの時代でも変わらない普遍的価値観だ。ツアーオペレーターの立場で海外旅行の復活に寄与する。日本旅行業協会(JATA)はじめ業界団体とともに粘り強く政府に提言していく」と意気込んだ。
来賓として出席した観光庁の根来恭子参事官は1月に事業者間の適切な取り引きの徹底をはかるため「下請法」が「取適法」に改正されたことを受け、「事業所管の省庁にも監督権限が与えられた。観光庁は公正取引委員会と連携しながら、旅行業界における適切な価格転嫁や経営負担減、財政基盤の強化に取り組んでいく」と語った。
OTOAの今年度事業は安全対策として、都市別安全情報、更新調査を再開する。昨年度、観光庁からJATAに移管されたツアーセーフティーネット内の「都市別安全情報」にOTOAサイトのリンクを設定するカタチで、再びOTOAが情報を提供することになった。都市別安全情報は約200都市掲載されているが、今年度は日本人旅行者が多数訪れる都市を中心に調査する。
調査・研究事業は事業者間取引適正化に向けた取り組みを継続する。2022~25年の4年間は「事業者間取引の実情に関するアンケートを毎年実施しており、昨年の回答率は過去最高の70.1%となり、75社が回答した。結果はJATAへ要望書として報告し、取り引きの適正化をはかっており、年々改善がみられるという。今年度もアンケートを実施して旅行会社との取引状況を確認し、改善がはかられていない事案はJATAや該当旅行会社に改善を求めていく。大畑会長は「積み重ねと継続が重要。声を出し続けることで結果が出てきている」と評価した。
このほか、研究・研修委員会で議論を進めているAIについては、各社の業務支援につながるシステム開発の可能性や、実務に直結したAI活用セミナーなどを検討する。情報発信の面でもAIを活用し、公式YouTubeチャンネルなど各種SNSでの発信を強化し、OTOAの認知度向上、会員増加を狙う。
インバウンド事業については、旅行サービス手配業の登録業者に対して「OTOAインバウンド保険」の案内を行い、賛助会員の拡大につなげたい考え。訪日旅行者誘致に取り組む地方自治体や観光局、ホテル、土産物店など関連事業者との接点も模索していく。







