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九州ふっこう応援割、便乗値上げに「趣旨を逸脱」と警告(木村観光庁長官)

2026年9月17日(木) 配信 

観光庁の木村典央長官は9月16日に会見を開いた

 観光庁の木村典央長官は9月16日(水)に開いた定例会見で、令和8年熊本地震や豪雨災害による観光客の影響のほか、10月から開始する観光需要喚起策「九州ふっこう応援割」を説明した。応援割に合わせて宿泊料金を引き上げる“便乗値上げ”について、木村長官は「事業趣旨を逸脱する行為」と強調し、厳正な対処を求める方針を示した。

 熊本地震や豪雨災害による観光客の影響について、観光庁が国内の主要旅行会社などに行った聞き取りを報告した。熊本県では発災直後の旅行予約キャンセル数が昨年の5倍以上になるなど、九州各県で昨年同時期を上回るキャンセルが発生し、全体では前年の2倍を超えるキャンセルが発災直後に発生していると確認した。

 他方、8月に豪雨被害にあった千葉県や北陸地方への旅行予約については、発災日から翌日に一時的なキャンセルが生じたものの、現時点で大きな影響は生じていないとする旅行会社が多かったという。また、各地で豪雨災害が頻発しているため、国内旅行の動向を引き続き注視するとした。

 インバウンドに関しては、日本政府観光局(JNTO)を通じて、重点市場の旅行会社への聞き取りを報告した。熊本県を含むツアー行程の調整が一部の国・地域で見られたものの、全体としてはSNS上や現地メディアでの報道も発災直後と比べると落ち着いていると説明。豪雨災害の影響も、訪日旅行に関連して大きく話題となっている市場は見られず、日本全体のインバウンドへの影響も現時点では限定的との認識を示した。

九州ふっこう応援割、便乗値上げ対処厳正に

 熊本地震を受けて、九州各県の観光需要の早期回復と喚起を目的に、10月1日宿泊分から「九州ふっこう応援割」が始まる。九州で1泊以上の旅行・宿泊商品を対象に最大50%、熊本県・鹿児島県は最大60%の割引価格で販売する。予約開始日や割引対象期間などは、各県それぞれが地域の状況を踏まえて決める。

 木村長官は、応援割が九州各県の観光復興を着実に進展するものと期待感を示した一方、応援割に合わせて宿泊料金の上昇を懸念する問いに回答した。人件費上昇などによる宿泊料金の引き上げと判別は難しいとしたうえで、「九州ふっこう応援割による需要増を見込み、割引分をあらかじめ上乗せするなどの行為は“便乗値上げ”ではないかと考える。事業趣旨を逸脱する行為であり、認められるものではない」との認識を示した。

 観光庁は実施主体である各県に対し、旅行業者や宿泊事業者などに応援割の実施に合わせて不当な価格設定が行われないように周知を要請。合理的な範囲を上回る高額な価格設定が明らかな場合は、国への報告や補助対象事業者の登録抹消などの措置を含めて厳正な対処を求めている。加えて業界団体を通じて、便乗値上げを行わないよう強く求めていると述べた。

 応援割は9月15日(火)に一部オンライン予約サイトが先行して熊本、長崎県の宿泊予約を始め、開始直後に完売した。今後はこのほかの予約サイトや宿泊施設の直販、旅行業者などを通じて、各県それぞれが地域の状況を踏まえた販売を順次開設される。観光庁は今回の事業効果を検証したうえで、九州の旅行需要の復興状況などを踏まえて必要な支援の検討を行っていきたい考えを示した。

和倉温泉宿の半分再開、能登入込客数は6割

 震災から2年半余りが経過した能登半島の観光復興について問われ、甚大な被害が発生した和倉温泉では、これまで約半分の宿泊施設が営業を再開するなど復旧が進んでいると答えた。能登半島地域の観光入込客数も回復に向かっている一方、震災前の2023年と比べて6割程度に留めている現状も報告した。

 観光庁は、能登半島地域の復興に向けて「能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業」の2次公募を開始。木村長官は「令和6年能登半島地震の発災直後にも、大規模な需要喚起策として北陸応援割を実施したが、地元の意見も聞きながら改めて旅行需要喚起策を行うことも検討していきたい」と話した。

 このほか、「ツーリズムEXPOジャパン2026」の開催が9月24日(木)~27日(日)までの4日間、東京都で2年ぶりに開催される。木村長官は「多くの人に最新の旅の魅力に触れてもらうことで、一層の旅行振興につながる機会になることを期待している」と語った。

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