「基本計画施策に注力」 木村長官、就任後初の会見(観光庁)
2026年8月21日(金) 配信

観光庁の木村典央長官は8月19日(水)、就任後初の定例会見に臨んだ。木村長官は、前任の村田茂樹長官のもとで進めてきた施策を引き継ぎ、「観光を我が国の戦略産業としてさらに発展させる」と表明した。国際観光旅客税の財源を最大限に活用し、第5次観光立国推進基本計画に基づき「2030年の訪日外国人旅行者数6000万人、消費額15兆円の目標達成に向け、基本計画で掲げている3本柱に基づく施策を着実に推進していくことに注力したい」と強調した。
木村長官は村田前長官のもとで、25年7月から観光庁次長を務めた1年間を振り返った。第5次観光立国推進基本計画の閣議決定や国際観光旅客税の引き上げ、訪日外国人旅行者数の4000万人突破、民泊の管理適正化に向けた運営方針など、今後の観光政策を進めるうえで重要な取り組みを推進したと説明した。
引き続き、観光を取り巻く環境や諸課題を踏まえながら、地方誘客の一層の促進、とくに交通ネットワークの機能強化を関係部局と連携して取り組む考えを示した。地方誘客には、観光コンテンツの開発や情報発信とあわせて「観光の足」の確保が重要と指摘。自身が国土交通省でバスやタクシー政策、地域交通のリ・デザイン事業などに携わった経験から、交通結節点から観光地や地域内周遊の移動手段として、バスやタクシーにも一翼を担う存在として大きな期待を寄せた。
また、混雑やマナー違反、民泊の適切な運営確保などへの対応、多様な国・地域からの誘客促進に向けた戦略的な訪日プロモーションのほか、観光コンテンツの造成、消費単価向上、国内交流・アウトバウンド拡大、DX化や省力投資の促進など、観光産業の生産性向上に向けた施策を講じる方針を示した。
宿泊産業に関しては、収益性と人手不足を喫緊の課題として挙げ、従業員の給与水準や待遇を向上させるため、収益性を高めて原資を確保することが重要との考えを示した。宿泊業界と連携のもと、外国人を含む人材の採用活動、省力化に資する設備投資、地域内利用の設備導入、DXを活用した課題解決モデルの構築などの支援を進める。宿泊産業の収益性向上を通じて、従業員の待遇向上や人材確保、観光産業の高度化を目指す。
このほか、昨年7月に設置して1年が経過した「参事官(旅行振興)」について聞かれ、旅行業関係者に国内旅行とアウトバウンドの施策をしっかりと進めていく前向きな姿勢を示せたとの認識を示した。今後も旅行振興に向けた取り組みを加速させるため、「旅行業関係者の取り組みが大変重要。関係者と密接に連携して施策を進めていきたい」と考えを述べ、協力を呼び掛けた。
□熊本地震の風評指摘、正確な発信呼び掛け
7月28日に発生した令和8年熊本地震の影響について、関係者や旅行業者への聞き取りを報告した。被害のない地域を含め、宿泊施設や観光施設でキャンセルが多数発生していると確認。とくに熊本県では、他県に比べて風評などによる多数のキャンセルが発生していると説明した。
観光庁では、九州各県の宿泊施設や観光施設に関する運営・営業状況などについて、観光庁Webサイトを通じた情報発信を行っている。日本政府観光局(JNTO)からもインバウンド向けに発信し、正確な情報の発信と周知を呼び掛けた。







