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AIで変わる旅や地域観光の可能性探る ブッキング創業30周年でサミット開く

2026年9月16日
編集部:飯塚 小牧

2026年9月16日(水) 配信

ローラ・ホールズワース氏

 ブッキング・ドットコムは9月15日(水)、東京都内で「Booking.com Innovation Summit Japan 2026」を開いた。創業30周年の節目を迎えるにあたり、旅行の未来や日本の観光の未来を共創する場として、AIがもたらす旅の変化や地域観光の発展などを各分野の専門家が登壇し、議論した。

 冒頭、アジア太平洋地域担当マネージング・ディレクターのローラ・ホールズワース氏は、同社がこのほどアジア太平洋(APAC)10市場の旅行者を対象に行った調査の結果として、98%の人が旅を前向きな体験として捉えており、「旅は精神面のウェルビーイングにつながっている」と紹介した。

マティアス・シュミット氏

 宿泊事業担当シニア・バイス・プレジデントのマティアス・シュミット氏は「人は旅をしたい、経験をしたいと考えている。今も昔も旅行に関する質問は変わらないが、30年前と違うのは情報をどこから取るか。予約は従来の旅行会社からOTAへ、またAIへと変化しようとしている」と述べ、AIにより旅がどう変化するかの考察へつないだ。

比屋根一雄氏

 AIと旅の関係性を語るセッションで、三菱総合研究所研究理事AI技術顧問の比屋根一雄氏は「AIの発展で、旅は入口から変化している。予約から決済までワンストップで行える」とし、20兆円の大きな市場をさまざまな事業者が競い合っている状況だとした。自身がAIとともに旅行した経験も交え、「とくに旅ナカが変わる。AIと何度も対話を繰り返して旅程を変更するが、今後差別化で重要なのは旅ナカの充実だ」と述べた。

 AIがツールからインフラへと成長するなかで、「AIから見えない観光地は旅行者からも見えなくなる」と訴え、常に情報発信していくことの重要性を説いた。一方で発信するうえで、「魅力の中心にあるのはデジタルではなく、おもてなしやコンテンツ力。地域の魅力や価値を言語化していくことが大切だ」と述べた。

セッション「地域経済の成長―AIのもたらす次なる地域観光とは」のようす

 別セッションの「地域経済の成長―AIのもたらす次なる地域観光とは」で登壇した地域観光プロデューサーの福田直子氏も「地域に魅力が“ある”だけでは旅にならない」とし、物語の整理をしてストーリー化したものを商品化し、それをAIで「見える化」することで旅行者に届くことを強調した。

 現場の声として、旅館経営者である南禅寺八千代代表の中西敏之氏(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部特別顧問)は近年のAIの発展により、いつでも誰とでもコミュニケーションが取れるようになり、「興味を持ってもらえることが増えた」とした。事前にニーズを吸い上げられることで「もう一泊したい」という希望も増え、「16室の小さな旅館である我われにとって、未来を感じる。新たなイノベーションに乗っていると実感する」と語った。

 このほかのセッションでは決済やセキュリティーの新技術の面から旅行の未来や地域の可能性を探った。

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