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「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(183) 自慢の料理だけでは、お客様の感動を創造できない 「満足」こそが本来の仕事

2026年4月19日(日) 配信

西川丈次のもてなし上手

 「おススメのレストランを教えてください」「おススメのメニューは何ですか?」と利用者から問われることも多いのではないでしょうか。そのときに思い付くお店や料理をただ紹介するだけではいけません。

 まだ娘たちが小学生だったころのことです。旅館に3泊する予定で旅行に出掛けました。レンタカーを借りて1泊ずつ県内を移動する旅でした。仕事が忙しくて留守にしがちだったために、1年に2、3度は家族旅行をしようと考えていました。子供たちに楽しい思い出をと願ってのことです。

 ところが、問題が3泊目に起こりました。「えっ、またぁ」と、食事を前に娘たちが不満の声を上げたのです。旅行の楽しみの一つは食事です。テーブルには美味しそうな料理がたくさん並んでいました。

 おもてなしを仕事とされている方々には、もうその理由がお分かりいただけたことだと思います。目の前の懐石料理には、小学生の子供たちにはほとんど好きなものが無かったのです。とくに夕食のリクエストをしなかった私のミスです。しかし、娘たちの不満の理由はそれだけではなかったのです。

 お昼にも食べた料理や食材が重なっていたのです。

 どの旅館も自慢の地元食材を使用して一生懸命に作ってくださった料理であることは間違いありません。しかし旅が同じ県内であったために食材や料理が重なってしまったのです。これは仕方のないことなのでしょうか?

 九州にある旅館は以下のような対応をされていました。九州は1泊ではなく、数泊で旅をされる地域です。そこでご予約をいただいた団体客の旅行会社に、予約時に何泊目になるのかを確認されていました。後泊であることが分かると、添乗員に前泊の夕食後の時間に連絡をされて、どのような食材がどのように調理されていたかを聞かれていたのです。

 準備をしていた食材が重なった場合には調理方法を変えるなどの工夫をされていたのです。もちろんお客様の食事に対する評価は高い旅館となりました。

 本来であれば、旅行を企画する旅行会社が参加者の方々により夕食を楽しんでもらうために気配りをすべきことなのです。どんなに豪華な食事をご用意しても、重なってしまってはお客様方にとっては残念な食事になってしまうものです。そんな「おもてなし」対応こそが利用者の満足度を高めることにつながるのです。

 シェフにとっても面倒なことかもしれません。しかし、用意した自慢の料理をお出しすることが仕事ではなく、その夕食にご満足いただくことこそが本来の仕事です。お客様に寄り添うとは、そういう行動を言うのです。 

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

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