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「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(181) 利用者はどんなイメージを私たちに持っている? イメージは重要な財産

2026年2月23日(月) 配信

西川丈次のもてなし上手

 利用者がタクシー乗務員に対して抱いているイメージの一つに、「地域の美味しい店をよく知っている」というものがあります。毎日、同じエリアを走り続けているのがタクシー乗務員です。住宅街の奥や細い路地、商店街の裏通りまで把握している存在は、地域の中でも決して多くありません。そのために利用者は「タクシー乗務員は、良い店を知っているはずだ」と思っているのです。

 一般的な会社員であれば、昼食は事務所近くの限られたエリアで取ることがほとんどですが、タクシー乗務員は違います。昼時になっても事務所に戻らず、営業の合間に食事を取る生活が日常です。待たされず、価格も手ごろで、しかも美味しい。そうした条件を満たす店を日々の中で自然と見つけているのです。

 このイメージは、長い歳月の中で定着してきました。その象徴とも言えるのが、テレビ番組「タクシー運転手さん 一番うまい店に連れてって!」ではないしょうか。人気店でありながら、この時間帯なら比較的空いている、そんな店側の事情もタクシー乗務員なら日々の営業の中で観ているのです。視聴者はそこにプロの目線を感じているのです。

 ところが、現場の乗務員の声に耳を傾けると、実情は必ずしもそのイメージ通りではありません。「昔は色々な店に行ったが、今は余裕がない」「最近は道中のコンビニで弁当やおにぎりを買って済ませることが多い」といった声も少なくありません。自宅から弁当を持参する乗務員も増えています。

 つまり、利用者が抱くイメージと、実際の行動との間にはギャップが生まれています。しかし私は、ここにこそ大きな可能性が眠っていると考えています。重要なのは「本当にどれだけ店を知っているか」ではなく、「利用者がそう思っている」というのが事実であり、イメージは非常に重要な財産でもあります。これがブランド力でもあります。

 私たちの地域や企業に、利用者がどのようなイメージを持っているのか? サービス業である私たちには、「人」に対するイメージが大きな要素となります。ほんの些細な一言の声掛けが「なんて親切なところだ」というイメージを創り出すのです。

 目の前のお客様に対して業務上に必要なこと以外で、どのような会話をしていますか?これを現場に任せていてはいけません。慣れていない新しいスタッフであっても勇気を出して声掛けをするためには「このような方には、こうした言葉を掛けましょう」という会話集を用意して、声を出しての読み合わせが非常に有効的です。やってみて身に着けることで利用者に良いイメージを持ってもらえるようにしましょう。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

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