サービス連合、賃金改善額1万6351円、改善率5.32%と過去最高に(25年春闘)
2025年7月25日(金) 配信
サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合、櫻田あすか会長)が6月19日(木)までに集計した2025年春闘のまとめによると、34組合の賃金改善額は平均1万6351円、改善率は定期昇給を併せて5.32%とそれぞれ過去最高となった。
7月24日(木)に開いた会見で櫻田会長は「加盟組合が他産業との賃金格差を是正しなければ、人手不足が解消しないとの危機感を持って交渉した結果」と説明した。
業種別の改善額は、ホテル・レジャー業が1万3964円(改善率5.34%)。ツーリズムが1万7614円(同5.45%)となった。
24年春闘で大幅な初任給の賃上げによる賃金改善が行われたなか、今年は多くの加盟組合で一律定額の賃金引き上げで合意した。
夏季一時金の平均支給カ月数については、前年同期比0.02カ月増の1.59カ月。このうち、ホテル・レジャー業は同0.06カ月増の1.42カ月。ツーリズム業は同0.16カ月減の1.74カ月。円安で海外旅行の伸び悩みや、コロナ禍で拡大したBPO事業の縮小などが影響した。
また、8組合が年間総実労働時間1800時間の実現に向けて、年次有給休暇の取得促進や時間単位年休の制度拡充などを引き出した。カスタマーハラスメントへの対応について、4組合が合意した。このうち、一部組合が方針の明示や研修を実施することを確認している。
同日に発表した25年秋闘と26年春闘方針では、安定的に人材を確保し、持続的な産業の発展につなげていくために、人のへの投資を最重要としたうえで、中期的な目標「35歳550万円」の達成に向けて取り組んでいく。さらに、「年間総実労働時間1800時間」の実現も目指す。
櫻田会長は「訪日客が増加傾向にあり、人手不足の解消は道半ば。誰もが働きたいと思える産業となるため、労働条件の向上へ取り組んでいく」と語った。働く環境の改善に向けて「より多くの働く人の声を集めていく必要がある。組織拡大をさらに強化して、労働運動を進めていきたい」と方針を述べた。






