観光庁「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」 公募5月15日まで

2026年4月20日(月) 配信 

観光庁(写真はイメージ)

 観光庁は、高齢者や障害者などが安心して旅行ができる環境を整備するため、バリアフリー化に必要な施設改修や備品導入を支援する「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」の公募申請を受け付けている。受付期間は5月15日(金)午後5時まで。

 同事業は、宿泊施設や観光施設におけるユニバーサルデザイン化の経費(施設・客室改修、備品購入)の一部を補助するもの。ユニバーサルデザインの導入を促進し、高齢者や障害者、妊婦・乳幼児連れ旅行者、訪日外国人旅行者などの安心・安全の確保と、観光地・観光産業の収益性向上をはかる。バリアフリー改修に関わらず、多様な利用者を受け入れるための取り組みを幅広く補助するとした。

 補助対象は宿泊事業者と観光事業者。ホテルや旅館、ゲストハウス、民宿などの宿泊施設のほか、文化施設や歴史施設、娯楽施設、食事買物施設、温泉施設など、主に観光客利用を目的とする施設が対象となる。観光庁で2025年度にもユニバーサルツーリズム促進事業を実施し、全国114件の施設が改修・整備された。

 補助率は2分の1。補助上限は1500万円で、自治体と防災協定を締結する宿泊事業者に限り5000万円。

 なお、同事業の特設サイトでは、ユニバーサルツーリズムに取り組む意義やメリット、改修事例を取りまとめた優良事例集のほか、3月に行った説明会のアーカイブ動画を公開するなど、事業者の申請をサポートしている。

タクシー業の廃業が急増 25年度倒産・廃業が過去最多の100件超(帝国データバンク調べ)

2026年4月20日(月) 配信

 帝国データバンクはこのほど、2025年度「タクシー業」の倒産・休廃業解散動向をまとめた。これによると、25年度に発生したタクシー業の休廃業・解散(以下「廃業」)は66件と、前年度の40件から1・6倍に急増し、過去最多を大幅に更新した。

 倒産件数は36件判明し、倒産・廃業あわせて102件のタクシー事業者が市場から退出したことになる。帝国データバンクによると、「タクシー事業者の市場退出が100件を超えるのは、集計可能な2000年度以降で初めて」という。

 24年度の利益が判明したタクシー事業者の損益動向をみると、前年度から「増益」(純損益ベース)となった企業は33・4%で、23年度の41・5%から大幅に低下した。

 一方、「減益」は25・1%と、5年ぶりに2割を超えた。「赤字」は40・1%と4割に達した。減益・赤字を合わせた「業績悪化」の割合は6割を超える水準となり、 「25年度も業績悪化の割合は高水準で推移するとみられる」(帝国データバンク)と分析する。

 タクシー業界は多くの地域で運賃改定が実施されたほか、配車アプリによる利用客の流入増、訪日客の増加で配車需要が急激に増加している。とくに観光地では、割増料金の設定や、定額・貸切プランの導入、空港・駅からの定額送迎といったメニューで客単価が上昇しやすい環境にあった。

 他方、多くの事業者では、高齢化によるドライバーの退職が多く発生する一方で、新たなドライバーの採用が難しい事態に直面している。この結果、「タクシー台数はあっても稼働できず、増加する深夜客や観光客の中長距離需要を取りこぼし、売上が伸び悩む事業者が多くみられた」(同)。

 こうしたなか、ガソリンやLPガスなどの燃料費に加え、普及が進むキャッシュレス支払いで発生する手数料、賃上げによる人件費の上昇幅が大きく、増収であってもコスト増分を吸収できずに減益や赤字となるケースが多発している。

 帝国データバンクは「足元では、ドライバーのなり手不足から小規模の事業者ほど採用の目途が立っておらず、収益改善に不可欠な稼働率の向上が容易に進まない現状もある」と指摘。「体力のある大手業者が給与や待遇面でドライバーの採用を進め、稼働率と客単価アップで売上を伸ばすなか、効率的な稼働が可能な大手と中小の格差が拡大するかたちで、中小零細のタクシー業において廃業が増加する可能性がある」としている。

【日本秘湯を守る会】事務局長に関豊氏 日本温泉協会専務理事と兼任

2026年4月20日(月) 配信

 日本秘湯を守る会(星雅彦代表理事会長、佐藤好億名誉会長、東京都中央区)は4月1日付で、本部事務局の事務局長に関豊(せき・ゆたか)氏が就任した。

 関氏は日本温泉協会の専務理事で、日本秘湯を守る会の事務局長を兼任する。

 日本秘湯を守る会の主な役員は次の各氏。

【理事 名誉会長】佐藤好億

【代表理事 会長】星雅彦

【理事 常務副会長】遠藤哲也

【理事 副会長】髙山弘武▽武石真澄

屋形船晴海屋、隅田川花火大会を特等席で 水上観覧プランの予約開始

2026年4月20日(月) 配信 

水上の特等席から眺める隅田川花火大会(イメージ)

 屋形船晴海屋(東京都江東区)は4月19日(日)、7月25日(土)開催予定の隅田川花火大会にあわせ、屋形船による花火観覧プランの予約受付を始めた。混雑を避けながらゆったりと花火を楽しめる“水上の特等席”として、限られた船のみが入れる特別観覧エリアを利用した「特別会場プラン」と、屋形船ならではの臨場感を体感できる「第2会場プラン」の2種類を用意した。

 特別会場プランは、当日運航する多くの屋形船の中でも、限られた船のみが入れる特別観覧エリアから、第一会場・第二会場の両方を一望できる最上級プラン。日本最大級の屋形船「白鷺号」に乗船し、通常8人掛けの席を最大4人で利用でき、ゆとりある空間を実現した。屋上デッキにはベンチ席を用意し、開放的な空間の中でゆったりと花火を楽しめる。

 さらに、シャンパンを含むプレミアムドリンクの飲み放題や、旬の食材を使用した花火会席、職人が船内で握る江戸前握り寿司、おつまみオードブルなど、特別な一夜にふさわしい食事を提供する。

 第2会場プランは、毎年多くのお客に好評な人気プラン。屋上デッキに上がれば、夜空を見上げるような開放的な空間の中、水上ならではの距離感で花火を体感できる。プレミアムドリンクの飲み放題や、旬を味わう花火会席に加え、彩り豊かなおつまみオードブルを用意。屋形船ならではの落ち着いた空間で、花火とともにゆったりとした時間を過ごすことができる。

 料金は、特別会場プランの2人枠が30万8000円、4人枠が61万6000円で、第2会場プランの2人枠が19万8000円、4人枠が39万6000円。

 詳細や予約は、屋形船晴海屋Webサイトの特設ページ(https://reservation.harumiya.co.jp/news/hanabi?lng=ja-JP)から。

NAA、スタッフ100人のアート作品展示 多様な業種間の連帯感醸成はかる

2026年4月20日(月) 配信 

作品のイメージ

 成田国際空港(NAA、藤井直樹社長)はこのほど、成田空港第1ターミナル南ウイング 4階出発ロビーエリアで、同空港を支える多種多様な空港スタッフ100人の想いや個性をカタチにしたアート作品「空のれん/SORA-NOREN」を展示した。航空会社やグランドハンドリング、保安検査、清掃など多様な業種のスタッフが空港内で働くなか、連帯感を醸成するのが目的。

 同作品は、アートを活用した「成田ならでは」の記憶に残る旅客体験づくり目指し、制作された。日本の伝統的なのれんをモチーフに、出発と到着の境界にある空港の特性を表現している。色彩は空港で生まれたさまざまな記憶や想いを映し、空港における人の温もりを感じられるよう、仕上げた。

【古窯グループ】入社式後、2週間の新入社員研修「ウェルカムキャンプ」に参加 生成AI活用した自己分析プログラムも導入

2026年4月20日(月) 配信

16人の新入社員は2週間の研修「ウェルカムキャンプ」に参加

 山形県内に6つの宿泊施設やプリン専門店などを展開する「古窯グループ」(佐藤太一社長、山形県上山市)は4月1日(水)、日本の宿古窯で入社式を開いた。16人の新入社員は入社後2週間にわたり、おもてなしやビジネススキルを学ぶ新入社員研修「ウェルカムキャンプ」に参加した。

 今年度は従来の接客技能・地域理解研修に加え、最新の生成AI「Gemini」を活用した自己分析プログラムを新たに導入。伝統を守りながら、テクノロジーを使いこなす「自立型の人材」を目指す。

4月1日に行われた入社式

 入社式で佐藤太一社長は、緊張した面持ちの新入社員に向けて、「最初からプロである必要はない。大切なのは、目の前の仕事やお客様から逃げず、まっすぐに向き合い続けること」と話し、「その誠実な積み重ねこそが、プロとしての揺るぎない自信につながる」と激励した。

 また、同社の理念である「感動職人」として、「お客様の人生の感動に触れる仕事の醍醐味」について語った。

着物の着付けも学ぶ

 新入社員研修「ウェルカムキャンプ」では、①古窯流おもてなし心得講座②お客様へ伝える、地域の魅力発掘ツアー③着物の着付け講座④宿泊研修(日本の宿古窯・あつみ温泉萬国屋での実体験)⑤グループ施設見学(多角化事業の理解)⑥安全管理・衛生講習・役員講話)――などに加え、新たにAIを活用した自己理解・キャリア共創ワークも取り入れた。

 新入社員は研修終了後、県内のグループ施設に着任していく。

クラブツーリズム、第15回鉄旅オブザイヤーで「グランプリ」と「国土交通省 鉄道局長賞」をダブル受賞

2026年4月20日(月) 配信 

デュアル・モード・ビークル(DMV)の走行イメージ

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都江東区)は、「第15回鉄旅オブザイヤー」の旅行会社部門で、世界初のデュアル・モード・ビークル(DMV)乗車体験をメインとした四国ローカル線周遊ツアーが「グランプリ」を受賞した。また、4つのローカル線と日本酒めぐりを組み合わせた東北ツアーが「国土交通省 鉄道局長賞」を受賞し、ダブル受賞を果たした。

 グランプリの商品名は、「道路と路線をそのまま走れる『世界初の営業運転DMV』にも乗車! 瀬戸内海・太平洋・四万十川の絶景 ⑦つのローカル列車で四国ぐるり一周 3日間」。ローカル線の潜在的な魅力を多くの人に伝えたい想いから企画された、四国の個性豊かな鉄道路線を巡るツアーとなっている。

 同ツアーの最大の魅力は、世界初の営業運行となるDMVへの乗車体験。DMVは、マイクロバスをベースに改造された革新的な乗り物で、道路ではバス、線路では列車として走行する。2021年から営業用として国内外で初めて、徳島県・海陽町と高知県・東洋町を結ぶ阿佐海岸鉄道で運行開始。過疎地域や災害時の代替交通手段としても期待されている。

 DMV以外にも、四国各地の魅力的な列車に乗車する。別名四国三郎と呼ばれる吉野川沿いを走るJR徳島線、その激流によって造られた大歩危渓谷の絶景を望むJR土讃線、昨今話題のフォトスポットとして知られる下灘駅など、風光明媚な車窓風景を楽しめる。さらに、運行本数に限りがあるJR四国の「ホビートレイン」や、太平洋沿岸を走行する土佐くろしお鉄道のオープンデッキ列車「やたろう号」など、各路線の個性を存分に体験できる行程となっている。

4つのローカル線と日本酒めぐりを組み合わせた東北ツアーイメージ

 一方、国土交通省 鉄道局長賞の商品名は、「飯坂電車・山形鉄道・由利高原鉄道・秋田内陸縦貫鉄道 4つのローカル列車を貸切運行! 列車内では沿線にちなんだ地酒をお楽しみ!! 『東北ローカル列車めぐり』と『東北地酒めぐり』のマリアージュ」。冬季の東北への送客を通じて地域活性化に貢献したい想いから生まれた、「日本酒」酒蔵めぐりとローカル列車を組み合わせたツアーだ。

 同ツアーでは、飯坂電車、山形鉄道、由利高原鉄道、秋田内陸縦貫鉄道の4つのローカル列車を贅沢に貸切運行し、それぞれの沿線にちなんだ特別な仕掛けを用意する。飯坂電車では、沿線の金水晶酒蔵のスタッフが乗車し、車内で日本酒を詳しく説明。山形鉄道では、沿線の寿司屋が提供する新鮮な寿司と地元酒蔵の日本酒とのマリアージュを楽しめる。由利高原鉄道では、沿線酒蔵の日本酒を提供し、下車後には酒蔵見学や日本酒にちなんだスイーツを堪能。秋田内陸縦貫鉄道では、終着駅角館の酒屋店主による日本酒レクチャーを車内で実施する。

 移動は主にバスを利用するが、日本酒めぐりツアーならではの配慮として、トイレ付きバスを使用し、お客の不安を払拭。往路は新潟空港を利用するため、バス車内に新潟の地酒を用意し、日本酒に精通したバスガイドが同乗するなど、移動時間も楽しめる工夫を凝らした。また、宿泊施設での食事にもこだわり、1泊目は「〆の肉そば」を用意。2泊目はホテル内の日本酒ソムリエが監修したメニューと日本酒のマリアージュを楽しめる内容とした。

別府湾望む「1000万ドルの夜景」を 別府ロープウェイ、2026年度の夜間営業を発表 

2026年4月20日(月) 配信

別府湾方面展望所から見た別府の夜景

 別府ロープウェイはこのほど、夏休みや連休を中心に休日期間の夜間営業を実施すると発表した。2026年度は5月2日(土)から開始する。

 同ロープウェイは阿蘇くじゅう国立公園・鶴見岳(標高1375メートル)の山上まで約10分で到着する九州最大級のロープウェイで、山上からは、別府市内や四国・中国地方、由布岳などが一望できる。

 夜間は星空を眺めながらの散策もでき、「ぜひこの機会に別府湾を望む美しい『1000万ドルの夜景』をお楽しみください」とアピールしている。

 実施日は5~10月の指定日で、最終は10月11日(日)。午後5:30以降30分間隔で運行しており、最終便の発車時刻は上り午後8時、下りが同8:30分。運賃は往復でシニア(70歳以上)が1700円、大人1800円、4歳以上小学生以下の子供900円。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(183) 自慢の料理だけでは、お客様の感動を創造できない 「満足」こそが本来の仕事

2026年4月19日(日) 配信

西川丈次のもてなし上手

 「おススメのレストランを教えてください」「おススメのメニューは何ですか?」と利用者から問われることも多いのではないでしょうか。そのときに思い付くお店や料理をただ紹介するだけではいけません。

 まだ娘たちが小学生だったころのことです。旅館に3泊する予定で旅行に出掛けました。レンタカーを借りて1泊ずつ県内を移動する旅でした。仕事が忙しくて留守にしがちだったために、1年に2、3度は家族旅行をしようと考えていました。子供たちに楽しい思い出をと願ってのことです。

 ところが、問題が3泊目に起こりました。「えっ、またぁ」と、食事を前に娘たちが不満の声を上げたのです。旅行の楽しみの一つは食事です。テーブルには美味しそうな料理がたくさん並んでいました。

 おもてなしを仕事とされている方々には、もうその理由がお分かりいただけたことだと思います。目の前の懐石料理には、小学生の子供たちにはほとんど好きなものが無かったのです。とくに夕食のリクエストをしなかった私のミスです。しかし、娘たちの不満の理由はそれだけではなかったのです。

 お昼にも食べた料理や食材が重なっていたのです。

 どの旅館も自慢の地元食材を使用して一生懸命に作ってくださった料理であることは間違いありません。しかし旅が同じ県内であったために食材や料理が重なってしまったのです。これは仕方のないことなのでしょうか?

 九州にある旅館は以下のような対応をされていました。九州は1泊ではなく、数泊で旅をされる地域です。そこでご予約をいただいた団体客の旅行会社に、予約時に何泊目になるのかを確認されていました。後泊であることが分かると、添乗員に前泊の夕食後の時間に連絡をされて、どのような食材がどのように調理されていたかを聞かれていたのです。

 準備をしていた食材が重なった場合には調理方法を変えるなどの工夫をされていたのです。もちろんお客様の食事に対する評価は高い旅館となりました。

 本来であれば、旅行を企画する旅行会社が参加者の方々により夕食を楽しんでもらうために気配りをすべきことなのです。どんなに豪華な食事をご用意しても、重なってしまってはお客様方にとっては残念な食事になってしまうものです。そんな「おもてなし」対応こそが利用者の満足度を高めることにつながるのです。

 シェフにとっても面倒なことかもしれません。しかし、用意した自慢の料理をお出しすることが仕事ではなく、その夕食にご満足いただくことこそが本来の仕事です。お客様に寄り添うとは、そういう行動を言うのです。 

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

津田令子の「味のある街」「いなりずし」――和菓子 みゆき(東京都豊島区)

2026年4月18日(土) 配信

和菓子 みゆきの「いなりずし」110円▽東京都豊島区長崎4-27-13▽☎03(3955)0762。

 「砂糖と醤油で煮るんです。そのままだと濃くなってしまうので、お水を足してちょこちょこ塩梅を見ながら20数年毎日継ぎ足し、継ぎ足しして煮汁を作っています」と二代目店主はおっしゃる。今日も、お店が開くのを待って、名物のいなりずしを求めるお客で行列ができている。

 創業は1959(昭和34)年。今年で66周年の老舗の「和菓子 みゆき」は、西武池袋線の東長崎駅北口からわずか3分というアクセスの良さも手伝って、連日売り切れ続出の老舗の和菓子屋だ。駅からちょっと歩いた細い道沿いにその店はある。

 隣は一杯飲み屋さん的な店構えだ。筋向いには、お寿司屋さんが店を構えている。街灯には「長崎十字会商店街」と書かれている。

 いなりずしは、愛知県豊川市の豊川稲荷門前町を発祥地とする説が有力で江戸時代末期には、江戸や名古屋など複数地域で自然に成立した庶民の食べ物の代表格だ。甘辛く煮た油揚げに酢飯を詰めた日本の寿司の一種で江戸では都市化が進み、屋台や棒手振りによる軽食の需要が高まった時期に手軽で腹持ちの良い食べ物として受け入れられたと記されている。

 この店のそれは、とにかく大きい。そして安い。色艶もサイコーだ。見ているだけで食欲がそそられる。肝心の味はといえば油揚げにしっかり味が沁みこみ、それがご飯によく馴染んでいる。

 神田志乃多寿司や六本木おつな寿司のそれもよいのだが、知っている限りでは都内一、いや日本一と言っても過言ではあるまい。

 「みゆき」のおいなりさんの柔らかさと甘辛さ加減はピカいちだ。御赤飯にぎりの握り加減も素晴らしく塩加減も絶妙だ。すべて「ちょうどよい」のだ。これを一個ずつ買って、こしあんの方の桜餅も包んでもらって近所の公園で、お花見がてらいただいている。

 「わぁ、なんて美味しいのだろう。至福の刻だ。そうだ。いなりずし食べたらコンコン通りを歩いてトキワ荘マンガミュージアムにでも寄ってみようっと」。風に花びらが舞っていた。

(トラベルキャスター)