2025年7月14日(月) 配信
(左から)協同組合NICE新潟の小柳蔵人理事長、中原八一市長、ギフティ森悟朗常務 (会見前の表敬訪問のようす)
新潟県新潟市(中原八一市長)はこのほど、ギフティ(太田睦・鈴木達哉社長、東京都品川区)が提供するデジタルプラットフォーム「e街プラットフォーム®」を採用。ふるさと納税の一種である「旅先納税®」を新潟県内で初めて導入し、返礼品として、市内の宿泊施設や飲食施設で利用できる地域電子商品券「にいがたe旅ギフト」の発行を開始した。同日に開いた会見で、同市の財務企画課・金井勤課長補佐は「観光振興を促進するのが狙い。旅先納税により、観光誘客や市内周遊のきっかけになれば」と期待した。
説明会のようす
ギフティの森悟朗常務は、ふるさと納税の現況なども紹介。国の発表によると、2023年のふるさと納税全体の寄附額は1兆1000億円を超えているが、「そのうち800億円がクール便の配送料という。それに対し、旅先納税は配送料がなく、すべてが地域に落ちる」とメリットを強調。「旅先納税は“共感納税”だと思っている。訪れているまち、いいまちを応援しようというもの」とし、「地域と来訪者のコミュニケーションは将来、地域の財産になり、経済効果も最大化できる」と自信を見せた。
また、同社の旅先納税の成長率としては前年比で208%となり、大きく拡大している。一方、ふるさと納税対象者のうち、実際にふるさと納税をしている割合は約15%と全体ではまだ伸びしろがある状況だ。「スマートフォンを使ったサービスなので、若者などまだふるさと納税をしていない層が、旅先のその場で利用することも考えられる」と語った。
新潟市の旅先納税採用については、「新潟市は空港も港も新幹線の駅もある、理想的な地で、食など魅力も豊富。同市がコロナ前以上に観光客数を伸ばすための1つの機能として、ファン獲得、関係人口づくりに寄与していきたい」と意気込んだ。
加盟店管理業務やプロモーションを担う、協同組合NICE新潟の高橋佳樹事務局長 は、「宿泊団体や飲食団体をまわり、まず知ってもらうことから始めた。現在の加盟店舗は57軒。売上に貢献するということが分かれば、加盟店が増える好循環が生まれるのではないか」とし、今後も順次加盟店を増やしていきたい考え。
加盟店については、宿泊施設と飲食店に絞っている。新潟市の金井氏は「モノは通常のふるさと納税の返礼品で用意している。旅先納税では直接訪れて、食などを楽しんでほしい」と述べた。
寄附額の種類は5000円~30万円までを設定し、寄付額に応じて1500円~9万円までの全7券種の「にいがたe旅ギフト」が返礼品として贈られる。アプリなどは必要なく、加盟店の支払いに1円単位で利用できる。なお、新潟市は同日現在で旅先納税の導入自治体としては104自治体目となる。