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「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(97)良いお客様になることからはじめましょう 「感じる力の差」

2019年2月4日(月) 配信 

ホテルのバックヤードに(画像はイメージ)

大好きなホテルのバックヤードを見る機会があり、案内時にホテルスタッフだけが利用する地下通路を歩きました。通路の壁に1つのコーナーがあり、スタッフがそこで立ち止まり、目を輝かせると聞きました。

 そこには、お客様からのお礼状がたくさん張り出されていたのです。なかには、私からのメッセージもありました。「西川さんのメッセージはみんな楽しみにしています」。実は泊まるたびに、お礼のメッセージを部屋に残していたのです。

 きっかけは、部屋に置かれたメモ用紙でした。一般的な部屋のメモ用紙ではなく、1枚1枚が独立して専用の箱に入れられていました。少し厚いはがきサイズで、原稿用紙のような升目になっています。手にしたとき、その日は特別にうれしい接客を受けたので、早速メッセージを部屋に残しておくことにしたのです。

 働く人たちの小さな励みになるのであればと思い書き続けてきました。次に宿泊したとき、メッセージに対して支配人からのメッセージが部屋に置いてありました。それから宿泊のたび、支配人と交換日記のようなやり取りが続いています。

 今では、ほかのホテルに宿泊したときもメッセージを残すようにしています。この用紙がお礼を書き残す行動のきっかけになったのです。恐らく、普通のメモ用紙だったらそういう気持ちにはなれなかったと思います。

 ふつう顔晴っているスタッフにお礼を言いたくても、その場だけで終わりがちです。礼状を後日送ることもできますが、礼状を書く習慣のない人には、敷居が高いかもしれません。小さなお礼の言葉を書き残せるような仕掛けが、スタッフのやりがいになるなら、すぐに実践すべきです。もちろん、書いてもらって励みとするだけではなく、この支配人のように、メッセージへのお礼もちゃんとすることがお客様との絆を強く結ぶことにつながるのです。

 また、私たちはサービスを提供する側の人間かもしれません。しかし、消費者としてサービスを受ける側になったときに何ができるでしょうか。悪いところばかりに目を向けるのではなく、良い行動を発見できる意識を持ちましょう。その行動こそが、お客様をお迎えし、感動してもらうための新しいおもてなし行動に気付かせてくれるのです。

 おもてなし力を高めるには、良いサービスを体験することです。ただ、良いサービスを受けていても、それを良いサービスと感じ取れる人とそうではない人がいます。これは感じる力の差です。感じる力は良い行動に意識を向ける日ごろからの努力で養われるものなのです。毎日1つの良いサービスの発見からはじめましょう。

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

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