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【特集 No.681】日台観光交流 拡大と深化へ 東京と台北の旅行業が友好協定結ぶ

2026年7月1日
編集部:増田 剛

2026年7月1日(水) 配信

 東京都旅行業協会(小松信行会長)と台湾・台北市旅行商業同業公会(陳怡璇理事長)は5月20日、台北市内で友好協力協定を締結した。日本と台湾の観光交流拡大を目的に、首都の旅行業協会が力強く手を結んだ。2025年の訪日台湾人は約673万人に対し、訪台日本人は約148万人と大きな格差が生じている。締結式では27年に再び「訪台日本人200万人達成」を目標に掲げた。東旅協の訪台団14人は、台北市で大規模な商談会や交流会に参加。新竹市、桃園市、新北市なども訪れ、交流は本格化している。

【本紙取材班=増田 剛、木下 裕斗】

協定締結への経緯

 2019年7月29日、中華民国ホテル旅館・旅行業国際推進協会の徐銀樹理事長(当時)ら旅館・ホテルの代表者12人は、旅行新聞新社の石井貞德社長の仲介で東京都旅行業協会を訪問し、日台の観光交流推進へ意見交換を行った。

 その後、同年12月18―21日にかけて、中華民国観光産業国際行銷協会の徐銀樹理事長(当時)が東旅協の村山吉三郎会長(当時)ら9人を台湾に招待し、商談会と交流会を開催。そこで「2022年までに訪台日本人旅行者250万人突破」を目標に掲げ、共に努力することを宣言した。訪台した東旅協一行は、台北市や新北市、桃園市、新竹県市を視察し各地で交流を深めた。

 小松信行会長もその一員として参加。また、自由民主党衆議院議員の武井俊輔議員(のちに外務副大臣)や、旅行新聞新社の石井社長も同行し、本紙20年1月21日の1面特集記事として、視察成果を報道した。

 しかし、その後、世界的な新型コロナの拡大により、日台間における観光産業全体の交流と発展が停滞したが、双方から交流再開を求める声が大きくなっていた。

 今年1月28日、中華民国観光産業国際行銷協会の徐榮譽理事長は東京・新宿の京王プラザホテルで開かれた東旅協の新春賀詞交歓会に出席。旅行新聞新社の石井社長を通じて、台北市旅行商業同業公会の陳怡璇理事長が東旅協との友好交流を希望している旨を伝えた。

 これを受けて東旅協は「2026台北国際観光博覧会(TTE)」に合わせて訪台交流を行う意向を伝え、東京都と台北市の旅行業協会が台北市で友好協定を締結する方向へと進んだ。

締結式

 5月20日には台北市内の天成飯店で、東京都旅行業協会と台北市旅行商業同業公会の友好協定締結式が行われた。

 主催者としてあいさつに立った中華民国観光産業国際行銷協会の徐榮譽理事長は「台北市旅行商業同業公会の陳理事長は、昨年9月に理事長に就任して間もなく、東京都旅行業協会との交流を希望された。首都・台北市の旅行業界をさらに国際化しようと積極的に取り組まれるその姿勢に、心より敬服している」と紹介。続けて、「小松会長が率いる東京都旅行業協会は、旅行業界のみならず、東京都の経済に大きな貢献をされている。その尽力にも深く敬意を表したい」と述べた。

 今回の友好協定締結によって、両協会の会員企業が互いに発展し合い、日台双方において、より活発な業務交流と新たなビジネス機会が生まれる環境が整った。

 今後さらなる経済効果と、日台観光収支のバランス改善にも寄与することに期待を寄せ、徐榮譽理事長は「皆様の協力のもと、来年2027年には訪台日本人旅行者数を再び『200万人達成』という大きな目標の実現を願っている」と力強く語った。  
 これを受けて、台北市旅行商業同業公会の陳理事長は「ここ数年、世界の観光産業はさまざまな困難に直面し、国際協力の大切さを実感している。日本は台湾にとって最も重要な観光パートナー。今回は台湾と日本の観光産業がより深い関係を築くための重要な通過点」との認識を示した。

 そのうえで「観光客は訪れる場所だけでなく、体験内容に重きを置いている。今後は双方が連携して、より多様で魅力的、かつ深みのある旅行商品や交流プログラムを造成していきたい。こうした交流を通じて、デジタル化や国際化への問題解決にもつながることを期待している」と述べた。

 さらに陳理事長は「観光産業が次の時代に進むには、国際協力とリソースの共有が不可欠。東京都旅行業協会との締結を大変嬉しく思う。より多くの日本人に台湾に訪れていただき、台湾各地の文化・魅力を深く感じてもらえることを願っている。今回の締結は、将来へ長く続く協力関係の一歩になる。互いに協力し、台日の観光交流を発展させたい」と意気込んだ。

 続いて、東京都旅行業協会の小松会長は「近年、観光産業は人と人、文化と文化を結びつける大切な役割を担っている。日本と台湾は長年、深い友情と信頼関係を築いてきた。今回の友好協定締結は両地域の観光旅行業にとって、新たな発展の一歩となると確信している。今後は観光情報の共有や旅行商品の開発、人材交流などの分野で関係を深め、互いの会員にとって大きな成果につなげていきたい」と意欲を見せた。

 また、「観光交流の活性化は経済効果だけでなく、人々の相互理解を深め、未来に向けた友好関係をさらに強固にする。こうした取り組みが次世代に引き継がれ、より豊かな交流に発展していくことを願っている」と語った。

 小松会長は25年の訪日台湾人は約673万人に対し、訪台日本人は約148万人である現状について、「今後の交流拡大に対する大きな『伸び代』と感じており、協定を契機に交流を発展させたい。今回は東旅協から14人の会員が参加しており、日台観光交流への高い期待と熱意をもって台湾を訪れている」と力を込めた。

 加えて「この締結式を取材するため、旅行新聞新社から石井貞德社長をはじめ、3人が出席している。今回の協定が業界から大きな注目と期待を集めていることを大変嬉しく思う。協定が日台双方の観光産業のさらなる繁栄につながることを祈念している」と述べた。

 協定事項では、①両者が協力体制を構築したうえで、双方の会員企業に関わる観光と旅行産業の発展と友好関係を深めるために協力する②情報交換の実施③交流と協力体制の強化に向けて相互訪問の積極的な推進――の3項目を合意した。

交流会&商談会

 締結式のあと、多数の来賓が出席して交流会が開かれた。中華民国観光産業国際行銷協会の秦文沂理事長は歓迎のあいさつで、「東京都旅行業協会、旅行新聞新社の皆様が台湾へ視察・交流団を組織し、来訪いただき、台日観光交流の推進に尽力いただいていることに、心より感謝申し上げたい。台日双方の観光交流はさらに発展していくものと確信している」と強調した。

 同協会は、台湾政府の観光政策に協力し、台湾の魅力や素晴らしさを海外へ広く発信・PRしている。「当協会の徐榮譽理事長は日本との深い“縁”と良好な関係を築いており、その縁を通じて日本の旅行業界の皆様を招待することができた。台湾についてより深く理解していただき、さらに最新の台湾観光情報に触れる機会となれば幸い」と語った。

 中華民国外交部アジア太平洋司の張淑玲総領事、日本台湾交流協会台北事務所の川合現副代表、平澤友紀主任、台北市観光伝播局の沈永華主任秘書、台北市旅行商業同業公会の翁炳贊監事会招集人、中華民国留日四国華僑総会の上島彩会長ら多数の来賓を代表して、台湾観光庁東京事務所の前所長で中華民国交通部観光署旅宿組の鄭憶萍副組長が登壇し、「台湾にとって日本は一番大切なマーケット。東京都旅行業協会の皆様の力を借りて、訪台日本人旅行者増大へ送客をお願いしたい」と、今回の協定締結による成果に期待を寄せた。

 当日、締結式に先立って、東旅協の会員会社と台湾のホテルや旅行会社、免税店など約70社が参加した商談会も開かれ、熱心な情報交換によって会場は熱気を帯びた。

 訪台した東旅協一行は4日間の日程で、2026台北国際観光博覧会(TTE)への参加や、台北市をはじめ、新竹市、桃園市、新北市などを訪れ、視察と各市での交流会に出席した。

「TTE2026」に参加 現地メディアの取材も

 5月22―25日に、台北市内で「2026台北国際観光博覧会(TTE)が開催された。東京都旅行業協会の訪台団一行は、TTEの開幕式に参加した。各ブースでの商談や、小松会長が現地メディアの取材を受けるなど注目度の高さを示した。台湾観光庁の陳玉秀長官もランチョンミーティングに出席し、情報や意見交換を行った。

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