「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(256)」 江戸街道プロジェクト(関東広域)
2026年5月3日(日) 配信

3月下旬、東京ミッドタウン八重洲1階ガレリアで「江戸街道(Edo Shogun Roads)」の海外向けプロモーションのキックオフセレモニーが開催され参加した。国土交通省関東運輸局が2022(令和4)年度からスタートした「江戸街道プロジェクト」の次の展開に向けた活動の一環である。
江戸街道プロジェクトとは、日本橋を起点とする「五街道」(東海道・日光街道・奥州街道・中山道・甲州街道)と、その枝道である「脇往還」(日光御成道・成田街道・水戸街道・三国街道・北国街道など)を生かして、1都10県にまたがる広域関東エリアの地域活性化を狙った活動である。かつての宿場町などを核とした地域の歴史、文化、食や温泉など、街道沿いの地域資源を編集し、これら地域の魅力発信力とブランド力を高めることを目的としている。
五街道の整備は、徳川家康が関東入府とともに手掛けた、近世初のビックプロジェクトである。玉川上水や神田上水など水のインフラ整備や、利根川・荒川などの河川付替えと周囲の海の舟運整備を通じて一大流通網を整備し、世界に類をみない100万人都市・江戸を誕生させた。
こうした経済の隆盛が江戸に多様な文化を生み、今日でもその遺伝子が各地に色濃く残されている。本プロジェクトはその遺伝子の発掘と「江戸らしさ」の再発見・再評価のための試みでもある。
当日は、Edo Shogun Roadsのプロモーション動画の公開、街道ごとの酒蔵・温泉・食などのテーマごとの情報発信、モデルコースや観光コンテンツ記事・動画などを掲載するポータルサイト、街道ごとの四季のルートの計17のモデルコースの紹介とともに、今回応募した「江戸文化体験型コンテンツ」の中から選定された15選の発表などを行った。
式典には、最優秀賞に輝いた日光馬事センターの「侍文化体験」、5つの優秀賞のひとつ「徳川綱吉公縁の禅寺滞在と舟運体験」の代表者からもお話をいただいた。

広域関東には、このような江戸由来のコンテンツが豊富にある。今後は、これらをどう伝え、生かすかが大きな課題である。
個々のコンテンツは魅力的でも、それだけで誘因力につながらない。これらを生かして地域をブランド化するには、背景にある地域の「物語」編集が何より重要である。来訪者を魅了する「物語」の編集と発信こそが、旅の大きな動機となる。
同時に、地域をどうしたいのかというビジョンの共有と中長期の戦略、これらを持続的に運営する組織体制の整備や担う人材の育成などが何より重要となる。
江戸街道沿いに点在する、かつての宿場町の「点」を街道という「線」でつなぎ、広域関東の「面」に拡大することが、本事業の大きな目標となる。これら受入環境の整備が、海外の方々を魅了する地域プランドに発展することを願っている。
(観光未来プランナー 丁野 朗)


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