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「津田令子のにっぽん風土記(117)」金目鯛の煮付けといえば、おか田~ 静岡県・南伊豆編 ~

2025年11月6日(木) 配信

肉厚な金目鯛の煮つけ
伊豆の味おか田 2代目店主 岡田 正司さん

 美しい海と山、温暖な気候に恵まれた静岡県・南伊豆湊に、40年前の1985年に創業した郷土割烹「伊豆の味おか田」。お父様の時代から金目鯛や伊勢エビなど新鮮で味の良い魚料理を出す店として地元の方はもとより多くの観光客を受け入れてきた。とりわけ金目鯛の煮付けといえば、伊豆の味おか田といわれるほどの人気を誇る。2代目店主の岡田正司さんに人気の秘訣を伺った。

 コロナ禍には、「実際にお店に来られない方々に、店自慢の金目鯛の煮付けを食卓で食べていただけないものか」との思いから、「金目鯛の煮付けセットお取り寄せ便」の販売を開始した。今も好評だという。口コミなどが評判を呼び、売上も好調でリピーターが多いのも特徴だ。

 以前、主婦の友社発行の女性誌「ゆうゆう」の特集「私の好きなお取り寄せグルメ」で紹介させていただいた。取り寄せ便に同封されている美味しい食べ方のメモを見ながら、その通りに温めるだけでおか田の味が再現される、実にありがたい一品だ。2㌢もある肉厚の身を一気にほぐし口に入れるやいなや、南伊豆で食べたときの感動が甦る。身の柔らかさも、しっかりしみ込んだ煮汁も超一流。「僕ね、皆さんが美味しい、また来ますねって言ってくれるだけで満足なんですよ」と岡田さんは話す。

 南伊豆町は、伊豆半島の最南端に位置している。はるか大昔に海底火山の噴火によって陸地ができた。そして隆起してできた島が長い年月をかけて移動し、本州にぶつかり伊豆半島となったと記されている。「ここへ来たら、独特の地形と地質が作り出すエリアならではの魅力を満喫して、プラス僕の店の味を知ってほしいですね」。

 岡田さんは、店から車で5分ほどの場所にある「日本の渚百選」に選定されている弓ヶ浜にもぜひ立ち寄ってほしいと言う。「1㌔に及ぶ美しい海岸線が続く南伊豆きっての景勝地です。晩秋から冬にかけては浜も少し静かになるので、歩いた帰りにでもウチに寄ってもらえたらうれしいな」と語る岡田さんの笑顔が印象に残る。 

 来春には菜の花と、早咲きのみなみの桜(河津桜)の開花に合わせて、2月上旬から3月にかけて、青野川沿いの川岸には約4・2㌔にわたって桜並木が続く。約800本もの桜が濃いピンクの花を咲かせるのだ。足元には菜の花が黄色い絨毯のように咲き誇り、春らしいカラフルで華やかな光景になる。ぜひこれらの風景に出会いに行ってみては。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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