日本ホテル協会が「2026年度税制改正要望」決定 人材投資促進税制の復活など
2025年7月31日(木) 配信

日本ホテル協会(蔭山秀一会長)は7月22日に開いた理事会で、「観光立国を支える基盤インフラとしてのホテル業を強くする税制が必要」との観点から、人手不足対策や設備投資など、2026年度税制改正要望を決定した。
大都市部はインバウンド需要が好転しているものの、「会員ホテルのコロナ禍中の損失は、42年分の利益に相当する」と説明。「財務の毀損は深刻で、現在もごく一部しか取り戻せていない。とくに地方のホテルの経営は非常に厳しい」現状を訴えている。
このうえで、人手不足対策では、「人材投資促進税制」(教育訓練費の増加率に応じ、税額控除を認める制度)の復活や、「賃上げ促進税制の要件緩和」、物価上昇を考慮した「食事支給の非課税限度額の引き上げ」――などを求める。
設備投資では、老朽設備の更新に加え、バリアフリー対策や環境対策など常に施設設備の更新が必要である実態を踏まえ、ホテルの建物における「固定資産税の最終残価率到達年(現状45年)の短縮」を要望。さらにDX化が遅れている宿泊業に限定した「DX投資促進税制」の復活や、欠損金の繰越控除の拡充も求めている。
このほかにも、「パンデミックや大災害、国際紛争などの危機への備えとして、危機対応準備金の積立額の損金算入を認めてほしい」や、国税に関するデジタル化など、多岐にわたって要望している。






