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来島海峡遊覧船や造船所見学、海事都市・今治の強み観光に(しまなみ)

2026年1月30日(金) 配信

造船中の大型船が手の届きそうな距離で見られる遊覧船

 しまなみ海道で遊覧船運航をはじめ、多彩な事業を展開する愛媛県今治市のしまなみ(村上秀人社長)が、海事都市・今治ならではの強みを生かした観光コンテンツづくりで存在感を高めている。

 日本三大急潮流の一つ、来島海峡で運航する「しまなみ来島海峡遊覧船」は、同社の看板商品の1つで、来島海峡の渦潮と瀬戸内の多島美、そして造船所群を間近で体感できるクルーズだ。海事都市・今治の魅力を分かりやすく伝え、自然景観と海事産業を同時に体感できる観光商品として高い評価を受けている。

 来島海峡のなかで潮流が速い中水道や西水道の渦潮スポットを通過。とくに中水道は条件が整えば最大10・3ノット(時速19・1キロ)、落差2メートルにも達する迫力の渦潮が見られる。最大の特徴は今治の造船業の原点ともいえる造船業発祥地「波止浜(はしはま)湾」を運航ルートに組み込んでいる点だ。湾内には大小のクレーンが立ち並び、建造中の巨大船舶が手に届くかのような距離感で迫ってくる。この規模の造船現場を、海上から、しかも遊覧船で間近に体感できる例は、日本全国を見渡してもほかに類を見ない。今治の造船業が持つ圧倒的なスケール感と臨場感を、五感で感じられる希少な体験だ。遊覧船は所要約50分間が基本だが、オプションで遊覧ルートの途中にある「小島」「馬島」の上陸コースを設定する。

 さらに、タイミングが合えば、新造船が轟音とともに滑り出し、水しぶきを上げながら海へと送り出される「進水式」を海上から見学することも可能。海事都市・今治を象徴する光景を間近で体感できるのも、来島海峡遊覧船ならではの魅力だ。

 遊覧船の前後には、同社が運営する「道の駅よしうみいきいき館」での海鮮七輪バーベキューがおすすめ。館内には魚市場のように充実した新鮮な魚介類が生け簀で泳ぎ、食材を選んでから屋外の特設バーベキュー場で味わうスタイルは、海を望む絶景と相まって観光客の満足度を高めている。

 また、来島海峡大橋の主塔頂上(高さ約184メートル)に登る「来島海峡大橋搭頂体験ツアー」や、各島でのミカンやイチゴ狩りといった体験型メニューなど、しまなみ海道ならではの体験をワンストップで手配できる点も同社の強みだ。

 こうした観光の枠組みに、新たなコンテンツとして加えようとしているのが、今治市が日本最大の海事都市であるという特性だ。日本と海外を結ぶ物流の99%以上を海運が担うなか、今治市には海運、造船、船用工業など500社以上の海事関連企業・機関が集積する。とりわけ日本と外国との間で荷物を運ぶ「外航海運」においては、国内の外航船3977隻のうち約35%にあたる1385隻(2024年度実績)を、いわゆる「今治オーナー」と呼ばれる船主が保有。北欧、香港、ギリシャと並ぶ世界4大オーナーとして、「IMABARI」の名は世界に知られている。造船業においても、建造量国内首位、世界4位を誇る今治造船をはじめ14の造船所が集積し、市内に本社や拠点を置く造船グループ全体で、日本で建造される船舶の3分の1以上を手がける。

 この今治独自の「海事産業文化」を新たな観光資源として再定義しようと、同社は観光コンテンツとしての価値創造に取り組んでおり、今年2月からツアー商品の販売を始める予定だ。観光庁の令和7年度「地域観光魅力向上事業」に採択されたプロジェクトで、今治明徳短期大学や今治の造船会社数社、今治市海事都市推進課などと連携した産官学協働体制のもと、塩作りや村上海賊に始まる歴史から、現代の造船・海運・船用工業へと続くストーリーを体系的に学べる観光コンテンツを造成する。

 造船会社の工場見学の一例では、造船行程を映像で学ぶ「座学」(約15分)、操業中の工場内見学(約60分)、質疑応答で約90分の行程。平らな鋼板を滑らかな曲面外板に形成する特殊加工「撓(ぎょう)鉄」が見られるケースもある。ほかに、海の安全を守る海上交通機関や海事関連行政機関、船舶会社との組み合わせたプランを予定している。教育旅行を主なターゲットとし、コースや内容はオーダーメイドで対応する。教育旅行を主軸にしながら一般旅行客の参加も可能だ。

 将来的には、舶用工業や海事教育分野との連携を広げ、「しまなみ海道観光×海事産業」というミクスチャー型コンテンツを増やしていく構想だ。観光の力で海事産業の魅力を可視化し、地域への誇りを醸成するとともに、次世代の担い手育成や関係人口の創出、持続可能な地域づくりへと繋げていく。

造船所のドック内見学

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