マイステイズ、「アイコニア・ホスピタリティ」へ社名変更 会員プログラムも開始
2025年5月29日(木) 配信

マイステイズ・ホテル・マネジメント(代田量一社長、東京都港区)は5月29日(木)、東京都内で会見を開き、7月1日(火)から社名を、「アイコニア・ホスピタリティ株式会社」へ変更すると発表した。新しい社名のもと、幅広いスタイルの宿泊施設を運営する“総合ホテル運営会社”として、さらなる事業拡大、成長を目指す。新社名には、「地域の“アイコン”となる施設と、訪れる人々の記憶に残る“アイコニックな”体験の創造を目指す」という思いを込めた。
また、5月29日から、グループ共通の新ロイヤリティプログラム「Go To Pass(ゴートゥーパス)」のサービスを開始した。入会費や年会費は無料で、全国の施設で利用金額に応じて共通のポイントを貯めることが可能なほか、館内の売店やレストランが5%オフになる。1月にグループとなったスパリゾートハワイアンズ(福島)や、リブランドするフェニックス・シーガイア・リゾート(宮崎)などは今年の夏以降、順次プログラムに参画する予定。開始時の会員数はマイステイズホテルのメルマガ会員と亀の井の会員を合わせた約165万人からスタートし、2026年12月末までに500万人を目指す。
同社は1999年、ウィークリーマンション東京として事業を開始した。2005年にホテル1号店として「ホテルマイステイズ舞浜」を開業し、ホテル事業に乗り出した。現在は中長期滞在型、宿泊特化型、旅館など幅広いスタイルの宿泊施設を運営。「スパリゾートハワイアンズ」や「フェニックス・シーガイア・リゾート」「セラヴィリゾート泉郷」など、大型リゾートなども増えており、2025年5月現在の受託運営棟数は179棟・総客室数2万4122室にのぼる。
運営棟数は2012年から約3.9倍に拡大し、受託運営物件の売上高は24年12月期実績で約1400億円となった。従業員数は1万1561人を抱える。代田社長は「12年の売上高は100億円規模だった。12年間でこの成長スピードはほかのホテル事業者にはないのではないか。奇跡的な伸びだと思う」と自負した。
代田社長は成長のキーワードとして「再生」「オンリーワン」「持続・維持」の3つを紹介。再生の際には「施設が建てられた当時の魅力を見つめ直したうえで、現在のニーズを捉えたリニューアルで再定義を行っている」とした。間接部門は本社で一元管理することで業務水準を均一化し、効率化をはかる。また、業界水準を超える公休数と福利厚生を充実させるなど、人材を確保することで持続可能なホテル運営に努めている。外国人材の育成にも積極的に取り組む。
飛躍の背景には2012年に投資会社、フォーレスト・インベストメント・グループ・ジャパン(山下明男社長)の傘下に入ったことがある。登壇した山下社長は同社の特徴として、事業再生を挙げ「誰よりも日本社会、経済に根差している」と言及。「我われは単なるファンドではなく、事業会社である。地域の施設を買収したのちは、最後まで責任を持って雇用を守り、再生する。地域とともに運営をしている」と強調した。