大和タクシー(香川県坂出市)、破産手続き開始決定受ける(帝国データバンク調べ)

2026年3月2日(月) 配信

 大和タクシー(山下勝久代表、香川県坂出市)は2月4日(水)、高松地裁丸亀支部に自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約1億5000万円。

 同社は1970(昭和45)年3月に設立されたタクシー業者。地元住民の足として需要を獲得するほか、高齢者や障害者など多様化するニーズに合わせて、いち早く介護タクシーに対応するなど積極的な取り組みが支持されていた。

 しかし、コロナ禍で利用客が減少して収入高が落ち込み、採算面も悪化していた。

 近年は育児支援として、子育てタクシーをスタートさせるほか、AIを活用したデマンドタクシーにも取り組むなど、業況の改善に努めていたが、「ドライバーの退職や人件費の上昇、コロナ関連融資の返済開始などで資金繰りが限界に達し、事業の継続を断念した」(帝国データバンク)としている。

ANTA、旅行業務取扱管理者研修の受付開始 オンラインへの変更で希望に合った時間や場所で受講可能に

2026年3月2日(月) 配信 

 全国旅行業協会(ANTA、近藤幸二会長)は3月2日(月)、2026年度旅行業務取扱管理者研修(国内・地域限定)の申込受付を始めた。

 これまで集合形式で実施していた同研修を今年度からオンライン研修に変更することで、受講者の希望に合った時間や場所で受けられる環境を整備。すべての講義動画を視聴した人を対象に行う修了テストは、全国7カ所の会場において集合形式で実施する。合格した場合、同年度と翌年度に実施する旅行業務取扱管理者試験の試験科目の国内旅行実務が免除となる。地域限定の合格者は約款科目のうち、宿泊約款の免除も受けることができる。

 同研修は、旅行業者または旅行業者代理業者で最近5年以内に3年以上旅行業務に従事し、現在も旅行業者などの業務に従事していることが受講の対象となる。なお、人事や経理、総務などの業務のみを取り扱っていた期間のほか、派遣労働者としての従事期間、海外駐在期間、産休などは旅行業務に従事した経験に含まれない。

 受付期間は4月1日(火)正午まで。研修の受講期間は4月30日(木)午前10時~5月17日(日)午前零時。修了テストは6月2日(火)午後、実施する。開催地は北海道札幌市と、宮城県仙台市、東京都千代田区、愛知県名古屋市、京都府京都市、広島県広島市、大分県大分市となっている。

 受講費用は国内旅行業務取扱管理者研修が2万6000円で、地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格している場合は2万5000円。地域限定旅行業務取扱管理者研修は2万5700 円。このほか、全研修には事務手数料660円が必要となる。価格はいずれも税込。申し込みはANTAのホームページで受け付けている。

【ANA X】役員人事(4月1日付)

2026年3月2日(月) 配信

 ANA Xは4月1日付の新役員体制を発表した。

                 ◇

 【代表取締役社長神田真也 取締役会議長、全社統括、ESG推進会議議長、コーポレート(総務・人事)担当、シェアードサービス担当、海外現地法人ANA Sales Americas会長

 【取締役副社長徳田智昭 コーポレート(財務)担当、経営戦略担当、顧客戦略担当、EC事業担当、ライフバリュー事業担当

 【取締役(新任)小林祐治 顧客コミュニケーション(デジタル)担当、R&D推進担当/R&D推進部長▽堺谷章五 旅行事業担当、顧客コミュニケーション(コンタクトセンター)担当

 【執行役員前田欣伸 旅行事業(旅行戦略企画、旅行事業推進)担当、顧客コミュニケーション(デジタル)担当/旅行事業推進部長▽越後泰明 旅行事業(国内旅行、海外旅行、顧客販売)担当/国内旅行部長▽大塚大 顧客戦略担当/顧客戦略部長 西嶋千晶 顧客コミュニケーション(コンタクトセンター)担当/カスタマーリレーション部長▽岩井善明 コーポレート(総務・人事)担当、シェアードサービス担当/総務人事部長

 【執行役員(新任)大田佳二郎 EC事業担当、ライフバリュー事業担当/ライフバリュー事業部長▽金子和靖 経営戦略担当、コーポレート(財務)担当/経営戦略部長

 【監査役五藤啓宗

 【退任】取締役 宮内和敏▽取締役 田部敏之▽執行役員 田嶋覚


【日本旅行】当期純利益18・2%減の18億円 増収減益に(2025年度連結決算)

2026年3月2日(月) 配信

 日本旅行(吉田圭吾社長)がこのほど発表した2025年度(25年1~12月)連結決算によると、売上高は前年同期比0・6%増の2130億3700万円と微増で推移したが、営業利益は同40%減の11億1500万円、経常利益は同23・6%減の20億6300万円、当期純利益は同18・2%減の18億円と増収減益となった。

 「中期経営計画2022―25」(覚醒)の最終年度として「社会課題解決を軸とした事業運営」の具体化や、創業120周年に関連した各取り組みを強力に推進した。

 ソリューション事業では、新たな受託事業の獲得に向け、国や自治体のニーズに応える社会課題解決メニューの拡充に加え、戦略的な提案営業を展開。この結果、受託事業の売上高は、同0・7%増の156億2900万円、売上総利益は同24・7%減の44億7700万円となった。

 ツーリズム事業は、JR西日本をはじめ、JR各社と連携したJRセットプランを中心に、Web販売の拡大に最大限注力した。

 単体を部門別にみると、国内旅行の売上高は、同0・4%減の1344億8300万円、売上総利益は同0・3%減の248億700万円となった。団体旅行は、教育事業において学習指導要領に連動した課題解決学習の提案などが奏功し、売上高は同2・1%増の529億9000万円とプラス成長となった。

 海外旅行の売上高は、団体旅行や企業出張の需要がさらに回復し、同2・7%増の191億9600万円、売上総利益は同9・8%増の35億5600万円と好調に推移した。

 国際旅行(インバウンド)の売上高は、円安基調の継続を背景に個人・団体ともに需要拡大が続き、同2・2%増の237億7700万円、売上総利益は同1・9%増の52億4300万円と堅調な伸びを示した。

地域の旅行アイデアを具現化 阪急とナビタイムが新たなプロジェクト開始

2026年3月2日(月) 配信

「CO-JOURNEY by NICHER TRAVEL」

 阪急交通社(酒井淳社長、大阪府大阪市)とナビタイムジャパン(大西啓介社長、東京都港区)は2月26日(木)から、地域事業者の旅行アイデアを具現化する新たなプロジェクトを開始した。両者がツアー造成で連携するプラットフォーム「NICHER TRAVEL」を通じて行うもので、「CO-JOURNEY by NICHER TRAVEL」と名付けた。

 新プロジェクトは阪急交通社がこれまで培った知識と経験をもとに、地域事業者のアイデアを生かした旅行商品を開発することで、企画、販売、運営と地域活性化のトータルサポートを行う。ナビタイムジャパンの「NICHER TRAVEL」運営ノウハウにより、ニッチな旅に関心の高い消費者向けの企画検討から提供まで、地域事業者を伴奏支援する。地域事業者は地域の素材を迅速かつ円滑に商品化でき、効率的に消費者に告知できるとアピールする。

 「NICHER TRAVEL」は地域活性化や人々の交流に貢献することを目指し、両者が立ち上げた旅のプラットフォーム。地方自治体や観光協会、企業・ブランド、生産者、クリエイター、地域住民を結び付けて、独創的なパッケージツアーを企画・商品化している。

〈観光最前線〉伊勢シーパラにデジタルアート登場

2026年3月2日(月)配信

「浜参宮」から始まる伊勢神宮への由緒ある参拝ルートを紹介

 三重県伊勢市にある水族館「伊勢シーパラダイス」で3月1日から、大水槽上部に伊勢の海と祈りの文化をテーマにしたデジタルアート作品の上映がスタートする。2033年予定の「神宮式年遷宮」に向け、二見浦での「浜参宮」から始まる由緒ある伊勢神宮参拝ルートの文化的価値を広く発信しようと、JTBと共同で取り組む企画。映像制作には、NTTアートテクノロジーとネイキッドが参画する。

 作品テーマは「祈りの海、光の道 ~時を越え受け継がれる伊勢の旅~」。実際に生き物が泳ぐ水槽の上で、伊勢信仰における「海」の重要性や、江戸時代に多くの人が夢見た「お伊勢参り」のにぎわいを、壮大な映像と音楽でストーリー性豊かに描き出すという。大型水槽とデジタルアートの融合をぜひ楽しんでみては。

【塩野 俊誉】

 

【特集 No.677】日本旅行「第二の創業」 着地のコンテンツ開発・商材化へ

2026年3月1日(日)配信

 日本旅行(吉田圭吾社長)は昨年120周年を迎え、第二の創業として今年、新たな章がスタートした。2026―30年度までの新中期経営計画のテーマを「新章」とし、「顧客と地域のソリューション企業グループ」に向けて大きく舵を切った。コロナ禍を経て直販化やAIの進展が加速するなか、日本を代表する老舗旅行会社がどのような方向に進もうとしているのか。地域のコンテンツ開発・販売や、インバウンド・グローバル事業本部の立ち上げ、他社に先駆けて取り組む宇宙旅行分野への想いなど、吉田社長に聞いた。

【本紙編集長・増田 剛】

宇宙旅行分野で“第一人者”に

 ――2025年6月に、社長に就任されました。旅行業の現状をどのように見ていますか。

 コロナ禍前とは様相が大きく変わったことを感じています。航空会社や宿泊施設などの直販化がさらに進み、OTA(オンライン旅行会社)の進展、さらにDX化や生成AIが想像を超えるレベルで発展してきています。

 一方で、旅行に代表される、「人が動くことそのものの需要は変わらずに存在する」と捉えています。これは2558万人が来場した大阪・関西万博で証明されました。

 ――昨年末までの「中期経営計画22―25」を振り返って。

 旅行需要がすべて消失してしまったコロナ禍に策定した中計でしたが、厳しい環境の中で自分たちが有する能力を旅行業ではない、他の分野に振り向けることができたことに気づき、強く実感できた期間でした。

 これまでは、大都市部のお客様をどこかの旅行目的地に連れていく発地側の仕事を主軸としており、「発地の人に喜んでいただける」旅行商品を企画し販売していました。

 しかしコロナ禍の当時、私は東北にいましたが、自治体や企業、学校など地域の人たちは「地元の組織がいかに早く復興して経済が回るか」を第一に考えていました。つまり、発地側の立場で企画を考えていた我われと、地域の人たちとの視点は真逆だったのです。

 「地域の良いところをどのようにPRすれば、より魅力的になり発展させることができるのか」を考えることが着地の発想です。この着地の視点の重要性に気づかされたことが、大きな転換点となりました。当社が培ってきたノウハウを生かしながら、着地のコンテンツ開発などに重点的に取り組んでいくことが、今年からスタートした新たな中期経営計画の大きな柱となっています。

 ――昨年創業120年を迎え、新しい方向性を打ち出されました。

 神社仏閣の参詣、観光などの団体旅行をあっせんする目的で1905(明治38)年に創業してから120年間、旅行業を続けてきた意味をこの機にしっかりと再認識する必要がありました。そして過去を踏まえ、「第二の創業」として、新しいステップを歩んでいく想いを新たにしました。

 創業間もない1908年には、滋賀県の草津から本邦初の国鉄貸し切り臨時列車による関東廻遊団(善光寺参拝団)の募集団体旅行を実施しました。

 当時の善光寺は「全国から善光寺参りとしてお客を呼び込みたい」希望があり、一方、草津の人たちは「遠く憧れの善光寺にお参りしたい」という2つの要望を、しっかりとつないだことに大きな意義がありました。

 創業者の南新助は発地だけでなく、着地の発想も備えており、お客様の満足を得る“ホスピタリティ精神”で行動した。そこから当社はツーリズム産業発展の一翼を担ってきました。

 このような創業の原点、DNAを再認識して、人と地域の喜びに貢献できる会社を目指し、次の100年につなげていきたいと思っています。

 ――それでは、今年からスタートした新たな中期経営計画について具体的に教えてください。

 5カ年中期経営計画(26―30年度)のテーマを「新章」としました。過去から歩んできた道がベースにあり、そこから次の章に入る意味が込められています。

 新たなグループ理念と企業ビジョン「地域と顧客のソリューション企業グループ」として、より具体的に地域社会への貢献を果たしていくことに重点を置いています。

 長期的にみると、社員数は自然なかたちで減少していきます。少ない社員数でも今以上に地域社会に貢献できる仕事の進め方に変えていくことが計画の根底にあり、生成AIやDX化などが加速するなかで業務運営の生産性を高めていくことが基本になっています。

 また、今後も伸長するインバウンド事業に関連して、日本とは別の三国間の旅行といったグローバル事業なども多角的に進めていく方針です。

 海外拠点をむやみに拡大していく考えはありませんが、目的地として地域の魅力を開発していくことは、その地域の「着地開発」でもあります。国内における着地の考え方と同じですが、グローバルな視点からもお互いの相互交流を進めていくことに変わりはありません。

 年初には「インバウンド・グローバル事業本部」という専門組織を立ち上げ、そこを中心に訪日や三国間の事業を強力に進めていきます。

 当社の大きな柱は、①ツーリズム事業(個人旅行事業)②ソリューション事業(自治体・企業・学校営業、BTM事業)に加え、もう1つが「インバウンド・グローバル事業」。これら3本柱が主軸となります。

 これまでインバウンド事業は、ソリューション事業に包含されていましたが、1つの柱として成長させていきます。

 ――団体営業の方針は。

 単に手配をするだけでは我われの存在価値はありません。今後も大きな事業として、質をさらに高めていくことを追求していきます。

 教育事業でいえば、「学生を集められるような魅力的な修学旅行を企画する」など、学校の課題解決につながる、コンサルティングを含めた教育旅行を志向していく計画です。

 ――AIの活用について。

 これから数年のうちに、旅行の企画やお勧めの場所の紹介、地元の情報などはAIでカスタマイズして提供できるようになり、簡単なツアーの手配や、場合によっては営業も担っていくのではないでしょうか。

 しかしながら、AIには地域との人間関係づくりはできません。我われ人間だからこそできる部分を最も強化していきます。これが今後進んでいく「地域と顧客のソリューションビジネス」にしっかりとつながっていくはずです。DX化や、AIを生かした事業全体に投資を行っていく発想も重要になってきます。

 ――さまざまな地域と連携を広げていますが、どのように収益を上げていかれますか。

 地域の観光コンテンツは色々ありますが、宿泊や、観光施設の入場、食などさまざまなコンテンツを開発して、商材化していくことがベースとなります。これらを取り仕切るサプライヤー側に挑戦していきたいと考えています。

 旅行会社の主な業務は、宿泊や交通機関、オプショナルツアーなどをつなぎ合わせる仲介業でしたが、これからは提供する側にチャレンジしていく。この1つがコンテンツ開発です。

 実際に、北海道の大樹町で宇宙関連ビジネスを運営しています。大樹町ではロケット発射場があるだけではなく、さまざまな衛星を使ったスマート農業や、土地そのものの観光開発にも取り組んでいます。

 これらを観光素材として取り扱う総合サプライヤーとして、他の旅行会社に販売しています。とりわけ親会社であるJR西日本グループのエリア(WESTER経済圏)を中心に、全国に広げていきたいと考えています。

 ――日本の雇用創出に向けてグローバル人材の育成について。

 実は先ほども、キルギスの大学の学生にオンラインで日本の歴史について講義をしてきました。東南アジア諸国をはじめ、キルギス、ウズベキスタンといった中央アジアは日本と親和性が高い。これら関わりの深い国々から日本で働く人材を仲介する事業がメインとなります。

 今後は日本からキルギスへの観光といった相互交流をサポートするなど、事業の幅を拡大していく予定です。また、キルギスの国内産業の発展のために一定の投資も考えられます。

 JR西日本関連では、鉄道、バスの運転士や整備部門など技術職も含め仲介していく。既に多くの実績もあり、当社も採用しています。

 日本の文化や風習、ルールなどをしっかりと理解して守れるように、海外の方々の教育などにも、手厚いフォローやサポートをしていく事業を進めていきたい。これらは私たちの得意分野だと考えています。

 ――本格的にAIが進展する時代において、どのような人材が求められますか。

 人間同士の関係を作れる人材です。たとえAIが進展しようとも、私たちの主たる業務は、あくまでも「人の交流であり、地域との関係づくり」です。これまでと同様に当社の取り組みに理解をいただける、日本旅行のカラーにマッチした人材と共に成長、発展していきたいと思います。

 ――宇宙旅行にも注力されています。

 今回の中期経営計画では、新しい核となる事業を作っていくために、さまざまなものにチャレンジしていきます。グローバルな展開に加え、当社が既に取り組んでいる事業領域は宇宙です。

 いわゆる有人の宇宙旅行に本格的に取り組んでいるのは、国内旅行会社では当社が初めてです。

 2030年代には、5人ほどのシャトルで宇宙空間を経由した2地点間の輸送が可能になります。40年代には、50人規模で宇宙空間に滞在する宇宙旅行を実現させる予定です。

 私たちが思い描く宇宙旅行は、実際に行くまでのプロセスも含まれます。シャトルの建設現場や、宇宙食の試食、宇宙に行くための訓練、宇宙関係者との懇談の機会なども、すべて宇宙旅行の一環という考え方です。そのコンテンツを我われが取り仕切って、1つの商品として販売していく。今年から、優先搭乗券の予約を開始します。

 宇宙旅行事業はコンテンツ開発の1つであり、宇宙というコンテンツを当社がサプライヤーとなって提供していく。これまで携わってきた国内旅行、海外旅行に、宇宙という新たなコンテンツを開発・創出することにより、さらに裾野の広い事業展開が可能になります。宇宙旅行分野における“第一人者”の旅行会社として成長していくために、地道に一歩ずつ歩んでいきます。

 ――日本旅行協定旅館ホテル連盟との関係は。

 連盟は今後も揺るぎないパートナーであり、より大きなメリットを享受していただけるような施策をこれからもどんどん打っていきます。送客拡大はもちろんですが、宿泊施設が抱えるさまざまな課題についてもより強固な関係を築き、ウィン―ウィンの関係として恩返しをしていきたいと思っています。

 人材不足という課題に関しては、既に旅館にも海外人材を供給しています。個人旅行では埋まらない平日には、団体旅行やインバウンド客を送客できるように、連盟と二人三脚で双方が発展できるような事業に取り組んでいきます。

 ――最後に抱負を。

 コロナ禍では私自身も現場に入り、社員とともに苦境を乗り越えました。そして120周年の節目で社長を任されました。

 先人たちが築いた歴史を大切にしながら、今いる日本旅行の仲間たちと「総合観光業」として、新しい歴史を築いていきたいと考えています。

 ――ありがとうございました。

【本紙1968号または3月5日(木)以降日経テレコン21でもお読みいただけます。】

〈旅行新聞3月1日号コラム〉――移動と旅 乗客として運ばれているだけでは……

2026年3月1日(日) 配信

 2月初旬の大雪に見舞われた日、九州にも雪が降った。スーツケースを駅まで転がしていくことは不可能と感じ、タクシーを呼んだ。運転手は人好きのする性格で、前職は新幹線を運転していたという。「定年退職となり、3カ月前からタクシーの運転手をしています」とバックミラー越しに笑顔で語り出した。

 白髪の混じる運転手の後ろ姿を見ながら、生涯「人を乗せる仕事」を歩み続ける人なのだと感じ入った。

 車窓の外は一秒ごとに白く染まり、異世界へと誘われていく。タクシーの運転手は、人生の何かを取り戻すかのように饒舌だった。その日は衆議院総選挙の日で「今晩は投票箱と選挙管理委員会の委員を送り届けるために残業です。慣れない道が大雪になると不安でね、とくに暗い夜道は……」などと他愛ない会話のうちに駅に着いた。

 小倉駅は雪模様だった。灰色の空から斜線上に吹雪いて、何度も身震いした。博多方面から新幹線が白蛇のように不気味な目を光らせながらホームにすべり込んできた。

 関門トンネルを越え、徳山駅周辺の石油化学コンビナートは白銀の世界に、煙突からオレンジ色の炎を吐いていた。前時代的でありながら、近未来的でもあり、終末感も漂わせる魅惑的な街。広島駅も雪だった。しかし晴れの国・岡山駅は快晴。次の神戸駅は雪、その次の新大阪駅は青空、続く京都駅は雪空と交互に進む。名古屋駅は晴天。箱根辺りから再び雪に覆われ、新横浜駅も雪景色だった。

 高速で走り続ける新幹線の窓はさまざまな景色を映しながら、すべてが瞬時に流れ去る。速度という大きな恩恵と引き換えに、同じくらい大きな何かを喪失してしまった気になる。

 以前、石川県金沢市で全国女将サミットが開催されたあと、翌朝、金沢駅から米原経由で博多まで新幹線を利用し、長崎のハウステボスでの取材に向かった。日本列島をS字に移動する、その大部分を新幹線で過ごした。長い線路上を高速で移動しながら、自分はどこにも足跡を残しておらず、単なる移動と旅は異なるものだと感じた。

 雪の翌週、神奈川県から東京に向かい、北陸新幹線で長野、富山、金沢、加賀温泉郷を通過し福井県の芦原温泉で仕事をした。その後、敦賀、米原、名古屋経由で出発点に戻った。関東から中部・北陸、そして琵琶湖の横を通って日帰りで一周したことになる。東京は春の陽気だったが、日本海側は分厚い雪雲に覆われ、別の顔を見せた。新幹線で荷物のように運ばれながら、時折見える景色を感慨薄く眺め、何度も眠りに落ちた。


 

 その日、記憶に残っているのは新幹線ではなく、敦賀から米原まで向かう特急電車の中だ。日が落ち車内は薄暗い電灯に照らされ、多くの乗客は酒に酔っていた。窓の外は闇で何も見えず、歪む自分の顔のみが映る。

 意志もなく乗客として運ばれているだけでは、旅ではない。熱いコーヒーが飲みたいと思い、座席からずれた体を起こしたとき、ふと先述のタクシー運転手の言葉が甦ってきた。「大阪から九州まで1日に2往復半することも多いですよ」。彼は毎日、長距離を移動する新幹線の運転台に一人で座る人生を過ごした。彼にとって「旅」とは何だろう。あの日、タクシーのミラー越しに聞けばよかったと思った。

(編集長・増田 剛)

日旅連関西 旅行意欲高める活動を 大阪で理事会総会開く

2026年2月28日(土) 配信

あいさつする金子博美会長

 日本旅行協定旅館ホテル連盟関西支部連合会(金子博美会長)は2月20日、大阪市内のホテルで「第55回理事会総会」を開いた。

 金子会長は「大阪・関西万博期間中の関西エリアについては、受入客数が良かった施設、期待通りでなかった施設と、結果はさまざまだった。万博のレガシーは残ったと思う。コロナで行動を委縮していた消費者に、行動する楽しさを思い出させたことは、とても意義深い」とし、「この気持ちを縮小させることなく、旅行する意欲を高めてもらえるよう、日本旅行と共にさまざまな活動に取り組んでいきたい」と述べた。

 日本旅行・西日本エリア代表を務める関昌博執行役員は、西日本エリアの昨年の状況について「団体旅行の取扱高は、全社的には前年と変わらなかったが、関西と中国は前年比7%増、四国は同9%増と伸びた。受託事業も、全社で同42%増。このうち、関西は同120%増、四国は同23%減、四国は同89%増となった」と報告。今年について、「団体は先行受注含め、大変手応えを感じている。インバウンドは今年、新たにグローバルインバウンド事業本部を設けた。大阪IR開業後は、IRに訪れた人を各地域へしっかり送客していきたい」とした。

 新年度事業として、日本旅行セールス担当者との商談会を各エリアで実施するほか、会員の加盟促進、提携販売店に向けた販促強化などに取り組むことが決まった。

【塩野 俊誉】

【名鉄バス】役職定年を61歳へ1年延長 経験豊かな人材確保へ

2026年2月27日(金) 配信

 名鉄バス(瀧修一社長、愛知県名古屋市)は今年4月1日から、既存従業員の雇用継続と、バス運転士などの採用強化を目的に、役職定年を現行の60歳から61歳に1年延長する。

 これにより課長や運行管理者といった役職・等級、基本給や手当などについても、61歳の誕生日まで原則として維持される。

 同社は「今後さらなる人材不足が懸念されるなか、経験豊かな人材を確保し、バス事業の安定的な運営を目指す」としている。

 現在、同社では生涯現役を支える制度として、雇用定年65歳のところ、バス運転士については70歳まで正社員として働くことができる選択定年制度や、73歳までのパート雇用制度を整備しており、個人の状況に応じて長く勤務できる取り組みを進めている。