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〈旅行新聞10月1日号コラム〉――京都商務旅館 台北で“古き良き日本のおもてなしの心”

2026年10月1日
編集部:増田 剛

2026年10月1日(木) 配信

 さまざまな旅のスタイルがあるが、私は予算の多寡にかかわらず、「宿選び」に重きを置いている。

 人混みの人気観光スポットを歩き続けて疲れるよりも、居心地のよい旅館やホテルで、無為にゆっくりと過ごす旅を次第に好むようになってきた。

 さて、今号1面特集の「台日韓国際温泉観光トップフォーラム」の取材で台湾を訪れたが、前泊と最終日に台北市中心街にある「京都商務旅館」に宿泊した。とても居心地がよく、大好きな宿の1つである。

 今年5月に、東京都旅行業協会(小松信行会長)と台北市旅行商業同業公会(陳怡璇理事長)との友好協力協定締結式の際も、東旅協のメンバーと共に3泊4日でお世話になった。

 宿主は徐銀樹氏。中華民国観光産業国際行銷協会の栄誉理事長も務めている。日台観光の橋渡し役として、日本の観光業界では相当な有名人である。

 徐さんと最初に知り合ったのは、2012年6月14日。全旅連が岡山県で全国大会を開催したその前日、倉敷市の鷲羽ハイランドホテル(当時)で総会と前夜祭が行われた。夜遅く、土地勘のない私と知り合ったばかりの徐さんは2人で、岡山駅まで薄暗い電車に乗って帰った。

 それから台湾を訪れるたびに京都商務旅館に宿泊させていただいている。もう何回宿泊したかわからない。宿に入ると、「おかえりなさい」と迎えてくれる。それが嬉しい。スタッフも日本語を話せる。なぜなら宿泊客の大半が日本人だからだ。

 宿のホームページには「清潔第一、安心安全、誠心誠意をモットーに、私が日本で学んだ“古き良き日本のおもてなしの心”を、台湾にいながらにして感じていただける、『あなたの台北の我が家』でお迎えします」と書かれているが、これほどまで忠実にモットーを守る宿があるのかと驚く。それだからこそ、日本人のファンも多い。

 京都商務旅館を訪れると、日本全国から旅行やビジネスで宿に滞在している人と知り合いになる。台湾在住の徐さんの友人たちも、しばしば姿を現す。

 夜になると、フロントの奥にあるレストランが宴会場に変わる。先日は、宮崎市の職員4人が新竹市で開催するマッチングイベントの打ち合わせなどで滞在していたが、「2次会」と称して一緒に、楽しく飲んだ。

 徐さんは、レストランの片隅に多種多様なお酒を蓄えており、自慢のお酒を笑顔で取り出す。そしてつまみも自ら準備してテーブルをセッティングする。今回は私も手伝った。

 宿泊客が商談や夕食後に京都商務旅館に戻ると、何やら奥のレストランで宴が行われている。チラリと顔を出すと、すぐに招かれる雰囲気だ。徐さんと友人関係にある人たちばかりなので、自然と楽しいお酒の席になる。心細さも感じる異国の夜に、そのような思いがけぬ人との出会いの時間が、いつまでも記憶に残るものだ。

 客室は広く、落ち着いた造りで、何よりも清潔感がある。朝食も奥のレストランで好きなメニューを選べる。テレビはNHKを流しているので、気づくと日本にいる気分でニュースを見ている。外貨両替の換金レートの良さはトップレベルだ。

 歩いて数分のところに、少しモダンな姉妹館「東京國際飯店」もある。台北を訪れた際には、ぜひ宿泊してほしい宿である。

(編集長・増田 剛)

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