JTB夏休み旅行動向、旅行意欲は堅調の見通し 総旅行者数は0.8%増の7464万人
2025年7月11日(金) 配信
JTB(山北栄二郎社長)はこのほど、夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向見通しを発表した。これによると、夏休みの総旅行者数は前年同期比0.8%増の7464万人、総旅行消費額が同8.2%増の4兆264億円。同社は日並びの良さやボーナスの上昇などを後押しに、旅行意欲は堅調とみている。
国内旅行では、旅行者数が同0.3%増の7220万人、平均旅行予定費用は同4.5%増の4万6000円、旅行消費額が同4.8%増の3兆3212億円と推計。旅行者数は物価高などの懸念があるものの旅行意欲は底堅く微増、平均旅行予定費用は物価高による価格自体の上昇や、北海道、沖縄など遠方の人気もあり上昇する見込み。
アンケート調査によると、旅行日数は「1泊2日(36.5%)」が最多で前年から1.1ポイント減。一方で、「2泊3日(32.8%)」は0.5ポイント増、「3泊4日(17.4%)」は0.5ポイント増となった。また、最も増加率が高かったのは「8泊以上(2.1%)」で、昨年の0.3%から1.8ポイント増加した。
旅行先は関東(17.2%)が最多で、次いで近畿(15.5%)、北海道(11.1%)と甲信越(同)の順となった。伸び率でみると、北海道と甲信越が1.2ポイント増、北陸は1.1ポイント増、九州と沖縄が0.8ポイント増。
人気方面は大阪・関西万博の京阪神エリアや、7月25日(金)に開業するテーマパーク「ジャングリア沖縄」がある沖縄本島、瀬戸内国際芸術祭やテレビドラマの影響などもあり、中国・四国地方が好調とみている。
□海外旅行は増加基調、行先は二極化傾向に
海外旅行では、旅行者数が同20.8%増の244万人、平均旅行予定費用は同5.5%増の28万9000円、旅行消費額が同27.4%増の7052億円と推計する。旅行者数は航空座席供給数の回復や、昨年に比べやや円安傾向が落ち着いたことなどから前年を大きく上回り、平均旅行予定費用は続く物価高や円安基調、遠方への旅行の増加傾向などから上昇の見通し。
旅行日数は「3泊4日(21.2%)」が最も多く、次いで「5泊6日(16.1%)」と「2泊3日(同)」が同率。行先は上位から「韓国(16.8%)」と「ヨーロッパ(同)」が同率でトップとなり、「台湾(13.9%)」と「東南アジア(同)」が続いた。日数や行先の傾向からも、引き続き遠距離と近距離の二極化傾向が見られる。