大賞は近畿日本ツーリストのオストメイト温泉日帰りツアー 第3回JATA SDGsアワード
2025年6月27日(木) 配信

日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)はこのほど、第3回「JATA SDGsアワード」の各賞を発表した。大賞(社会経済部門・優秀賞)は、近畿日本ツーリストの「『温泉を楽しみたい』をあきらめない!オストメイトのための温泉日帰りツアー ~障害者差別解消法の改正施行をきっかけに、誰もが旅を楽しめる社会の実現を目指して~」に決定した。応募総数は25社から57件となり、昨年の18社・50件を上回った。このうち大賞を含む22件を選出。7月2日に表彰式を実施する予定だ。
JATA会員が持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて実施した活動・事業、近年継続して実施した活動・事業のなかで優れたものを表彰することで、旅行業界全体でSDGsの取り組みを推進していくのが狙い。表彰部門は①経営部門②社会経済部門③文化部門④環境部門――の4つ。
6月26日の定例会見で受賞者発表を行った、JATA総務部の菅野貴部長によると、「今回応募のあった25社のうち、14社が初めての応募だった。裾野が広がっていると感じる」と述べる一方、「JATA会員は1000社以上あり、このうちのわずか2%。まだまだ広げられる余地が残っている。取り組みを向上させ、業界全体でSDGsに貢献できるようにしていきたい」と力を込めた。現在の応募は大手からが半数以上を占め、今後は中小企業の参画も必須だが、SDGsはハードルが高く捉えられがちだ。「距離を感じる側面もあると思うが、とても身近なもの。ビジネスとしての成果も上がってきている」とし、引き続き積極的な発信が必要だとした。
今回は好事例として、初めての応募で文化部門の優秀賞を獲得したトラベルハーモニーの「撮影から始めるサステナブルアクション」が生まれた。担当者の三瓶真紀氏は2016年から同ツアーを開始。「SDGsに興味があり意識はしていたが、アワードは大手からの応募が多く、我われには関係ないと思っていた。ただ、今回応募だけはしてみようと思い応募にいたった」と経緯を説明。「皆さんも取り組みをされていると思うので、積極的に参加してほしい」と呼び掛けた。
上記以外の優秀賞は、経営部門がJTBの「『クセモノを地域のタカラモノに』瀬戸内の新たな観光交流拠点:クセモノズ(SICSサステナブルラウンジ)の開業と、気候変動により生まれた社会課題を地域の宝に変えた地域を繋ぐストーリー」、環境部門がクラブツーリズムの「中山間地の村をリジェネラティブ・ツーリズムでファンづくり!「旅するいきもの大学校!第1期~長野県生坂村」。