石垣島観光に新風を サイクリングツアー始動
2025年5月5日(月) 配信
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沖縄県・石垣島でスポーティーな電動自転車「e―bike」を使ったガイド付きツアーやレンタル事業などのサイクリングツーリズムが1月から本格的に始まった。事業を主導する「南ぬ島サイクリング舎」(石垣市)の吉田寛社長と、事業パートナーとして参画する「テマリズム」(同)の奥平崇史社長が今後の方向性を語り合った。
【土橋 孝秀】
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吉田社長は東京都江東区木場で「サイクルショップよしだ・吉田ルーム」を経営している。原則予約制の自転車店で、ロードバイクやミニベロに精通する吉田社長が、販売からメンテナンスまで一人ひとりに寄り添うカタチで業務に取り組んでいる。吉田社長が石垣島を初めて訪れたのは、今から17年前、2008年のことだ。
吉田氏:当時我がサイクリングショップのイベントとしてハワイ・ホノルルの大会に参加していたのですが、どうしても日程的に約1週間必要になり、費用も掛かるため限られた人しか参加できない状況にありました。もう少し気軽に参加できる国内のサイクリング大会はないかと探し見つけたのが「石垣島アースライド2008」でした。参加して一発で石垣島のファンになりました。もちろん、北海道やしまなみ街道など全国でライドしていましたが、石垣島の風景や気候、何もかもが素晴らしかったです」。
その後、毎年大会に参加するようになった。もちろん、大会前後の観光も楽しみの1つ。ある年、ショップのお客さんを大勢連れて平田観光(石垣市)がバンナ公園で実施しているセグウェイツアーに参加した。当時、平田観光で勤めセグウェイツアーを立ち上げたのが奥平社長だった。
吉田氏:今でもはっきり覚えているのですが、セグウェイツアーを終えたあと、奥平さんが昼食はどうするんですかと聞いてきました。こちらは17人の大所帯。とくに考えていませんでしたが、その場で奥平さんが団体で食事できる場所を電話で予約してくれ、なんとそのお店の前まで案内してくれたのです。セグウェイツアーの料金を支払っただけです。ここまでしてくれるのかと。せめて一緒に昼食をと思いましたが、奥平さんは颯爽と帰られました。この人、すごいなぁと思ったのはそのときでした。
奥平氏:吉田社長はチームのお客様にめいっぱい楽しんでもらいたいという、ホスピタリティに溢れた人です。平田観光時代からのお付き合いで、ツアー内容の相談などアプローチが多かったですが、かなり綿密な計画を立てたうえで投げてこられるので、毎回ハードルが上がっていました。しかし、吉田社長の凄まじいほどのホスピタリティを感じていたので、他社にはできない平田観光ならではの力でその期待に応えようとしたことが、新しい観光コンテンツを生むきっかけになったと感じています。私自身も異業種コラボなどで離島観光の新しい付加価値を模索していた時期でしたので、想いと想いがつながったと思います。
18年、吉田社長は転機を迎える。……