「 結びの宿 愛隣館」 ”乳幼児連れ”宿泊客への接客スキルを学ぶ

2026年10月13日(火) 配信

幼児の視界を類似体験する参加者

 ミキハウス子育て総研の「ウェルカムベビーのお宿」に認定されている、岩手県新鉛温泉の結びの宿愛隣館は10月5日(月)、同総研の関係者を招き、同館のスタッフへの「ベビーコンシェルジュ集団研修」を開いた。東北の認定施設では初めての開催。

 当日はフロントや客室係、調理部などから約40人が参加。同総研の上田薫氏、日本子育て支援協会の横溝衣里氏の2人から昨今の子育て事情やアレルギー疾患、食事に対する注意事項、子供の特性などを学んだほか、幼児の視界を類似体験できる眼鏡を直用、幼児の視界の狭さを実感し、声掛けのタイミングなどを練習した。

 同総研によると、初めての1泊旅行体験は生後6カ月から1歳未満が最も多く、次いで3カ月から6カ月未満が続くほか、初めての宿泊体験場所も現在では実家ではなく旅館やリゾートホテル、シティホテルが上位を占めると言い、宿泊施設もより乳幼児連れの家族が安心して過ごせる環境づくりが大切と話す。

【第51回旅館100選】三重県・鳥羽温泉郷 「しんわ千季 戸田家」

2026年10月13日(火) 配信

「しんわ千季戸田家」外観と鳥羽湾。左に高層階の「嬉春亭」、右に「南館」が並ぶ

鳥羽湾一望の絶景と多彩な温泉、伊勢志摩の美食を堪能

御客前バイキング しんわダイニング「天・地・海」

 近鉄・JR 鳥羽駅より徒歩3分。伊勢路旅にも便利な立地と、鳥羽湾の眺望が素晴らしい老舗旅館。創業196周年。前身が割烹料亭だけに、伊勢志摩の味覚を存分に堪能できるだろう。夕食は3つのスタイルを用意。御客前バイキング「天・地・海」は10mカウンターのライブキッチンを備え、毎夜地魚の解体ショーを開催。新鮮なお造り寿司をはじめ、石窯ピザや牛肉鉄板焼きなどの出来立て料理が食べ放題で楽しめる。回転展望レストラン「東風(こち)と海」はゆっくりと回転する展望レストランとなっており、移り行く景色を眺めながら、和食・洋食の職人が目の前で調理する創作新懐石料理を味わえる。また「嬉春亭」宿泊者は部屋食も可能。

御客前料理 回転展望レストラン「東風と海」
嬉春亭「あまの章」和室(一例)

 「戸田家温泉村」には24時間利用できる野天風呂や5つの無料貸切風呂があり、館内には大浴場や有料貸切風呂も完備。戸田家の湯めぐりは男女あわせて13湯+足湯2湯+岩盤浴18床の多彩なお風呂を楽しめる。

戸田家温泉村の野天風呂「女湯 花の賀」

□海面40mの高さから鳥羽湾を一望できる客室

 すべての客室から眺められる鳥羽湾のロケーションとともにゆとり溢れる雅な空間が広がる「嬉春亭」。なかでも「わたつみの章」は、海面40m の高さから鳥羽湾を一望できる眺望が人気の客室。贅沢な趣が漂う和の空間は、優雅な大人旅や記念日旅行におすすめだ。

 

交通:《車》伊勢自動車道 伊勢ICから伊勢二見鳥羽ラインを経由し国道42号を12km、P150台(無料)
   《電車》近鉄鳥羽線・JR鳥羽駅から徒歩3分
チェックin15:00 out10:00 食事:《夕食》①ダイニングでのバイキング ②レストランでの創作新懐石料理 ③部屋食(嬉春亭のみ)、宴会場(団体)  《朝食》バイキング(個人・団体)、宴会場(大型団体)
部屋:全168室
風呂:風流野天風呂棟「湯亭」 露天2、大浴場4、無料貸切風呂5、家族風呂2
泉質:アルカリ性単純泉
料金:1万7,600円~16万5,000円(貴賓室)

〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽1-24-26
☎ 0599(25)2500 FAX 0599(26)2552
https://www.todaya.co.jp/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英・韓・中・台・他(タイ語)

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第51回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2027年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その66-北方文化博物館(新潟県新潟市) 地域と“運命共同体”の姿 日本人の生活文化を伝え残す

2026年10月12日(月) 配信

 夏休みはゼミ旅行を実施する。今年は、新潟に本拠を置くトキエアの長谷川政樹社長の講話を聴くということをひとつのテーマにしたので、新潟とトキエアの就航地の一つである中部地区を巡った。

 新潟では、以前から国内旅行業務取扱管理者の試験で頻出の北方文化博物館をぜひ学生にも一度見せておきたいと思っていたので、迷わず北方文化博物館へと足を運んだ。

 北方文化博物館は、越後随一の大地主であった伊藤家の本邸である。全盛期には千三百町歩を超える田畑を所有したという。65もの部屋を持つ大邸宅、巨大な米蔵、そして大広間の向こうに広がる見事な庭園、現在は国の登録有形文化財となっている。そしてここは、1946年に財団法人として発足した、戦後初の私立博物館でもある。

 しかし、この館が現在まで残ったこと自体が大きな奇跡であった。

 

 

 敗戦後、GHQによる農地改革によって伊藤家の広大な農地はその所有を離れた。そして屋敷も存亡の危機に立たされた。伊藤邸を取り壊し、その木材を使って学校を建てる計画を遂行するために伊藤邸を訪れたのが、GHQ民間情報教育局(CIE)のラルフ・ライト中尉だった。

 私は「CIE」と聞いて思わず反応した。CIEは戦後日本の教育改革に深く関与した部署である。以前「観光人文学の遡航」で戦前の複線型の教育体系が単線型へと大きく転換した経緯を執筆したが、その改革に深く関わったのがまさにそのCIEである。

 ところが、ライト中尉が当主の七代目伊藤文吉と話しているうちに、思いもよらないことが分かった。2人はともにアメリカのペンシルベニア大学で学んでおり、文吉はライト中尉の先輩だったのである。

かつてもこんな感じで村人たちがやってきて囲炉裏を囲んでいたのだろうか

 ここから歴史は思いがけない方向へ動く。ライト中尉は、この屋敷を単なる旧地主の豪邸ではなく、日本人の生活文化を伝える文化遺産として残すことに共感した。そして文吉も、屋敷を私有財産として守るのではなく、博物館として後世に残す道を選んだ。

 もし文吉が若き日にアメリカへ渡っていなかったら、もしペンシルベニア大学で学んでいなかったら、この館は間違いなく取り壊されていた。1人の青年が海外で学んだ経験が、何十年という時を経て故郷の文化を救うことになったのだ。

 そして館内を歩きながら、もう一つの疑問が私を捕えて離さなかった。

 当時の豪農は、本当に小作人から富を吸い上げ、自分だけが豊かに暮らしていた存在だったのだろうか。

 越後平野はもともと低湿地が広がり、洪水との闘いを繰り返してきた。河川を治め、水を抜き、土地を農地へと変え、それを維持するには莫大な資金と人を動かす力が必要だった。豪農は土地の所有者であると同時に、地域の農業を動かす「経営者」でもあった。

 伊藤家に残る巨大な囲炉裏の話も印象的だった。村人たちは伊藤家へもらい湯に訪れ、囲炉裏を囲んで村の出来事を語った。伊藤家ではそこで病人や婚礼などの情報を知り、見舞いや祝いを手配したという。また、六代目伊藤文吉の婚礼では、三日三晩にわたって料理が振る舞われた記録が残る。地主と小作人という言葉だけでは説明できない地域共同体の姿が、そこにはあった。

 もちろん、農地改革によって多くの自作農が生まれたことには大きな歴史的意味がある。しかし一方で、現在の日本農業は、農地の細分化、後継者不足、耕作放棄地という深刻な問題を抱えている。土地を「所有する者」を代えることで、土地を長期的に「経営する主体」を見事に失ってしまった。

 もしGHQによる農地改革がなかったら、海外で経営を学んだ文吉は、この広大な農地を近代的に経営し、伊藤家を世界的な農業企業へ発展させていたに違いない。

 この雄大な屋敷と見事な庭園を前にしていると、想像がどんどん膨らんでいく。

掲げられている書はすべて自らを戒める内容ばかり

 北方文化博物館に残されているのは、豪農の贅沢の跡ではない。土地を経営し、人を束ね、地域とともに生きようとした、生き生きとした運命共同体そのものである。

 学生たちに声を掛けながら、私はもう一度庭園を振り返った。

 若い日に外の世界を見ることが、何十年か後に、自分の故郷を救うという奇跡につながったことをここで気づいてほしいと、この美しい庭園を改めて見ながら強く願った。

 

■旅人・執筆 島川 崇
神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。2019年「精神性の高い観光研究部会」創設メンバーの1人。

【第51回旅館100選】三重県・長島温泉 「ホテル花水木」

2026年10月12日(月) 配信

情緒豊かな天然温泉の庭園風呂「瀧の湯」。内風呂から見える四季移りゆく庭園美も格別

伝統の美意識と現代の快適性、多彩な歓びが調和する癒やしの宿

「ホテル花水木」外観

 ナガシマリゾートに佇む「ホテル花水木」は、和の心と現代的な機能美が調和した格調高い名宿。大型リゾートならではの軽快さと、最高峰の日本旅館が持つ品格をあわせ持ち、一歩館内へ入れば外の喧騒を忘れさせる凛とした静寂が漂う。

客室一例「和洋室」
食事処「ダイニング大河」

 充実した宿泊特典も魅力のひとつ。昼は「ナガシマスパーランド」を満喫し、心地よい疲れを特典で利用できる「長島温泉 湯あみの島」や大浴場の極上温泉で癒やす。夜は、海・山の旬の食材を贅沢にちりばめた至高の和会席に舌鼓を打ちたい。翌朝、豪華な美食ビュッフェを堪能した後も至福の時間は続く。

朝食会場一例
遊園地「ナガシマスパーランド」
日帰りでも楽しめる「長島温泉-湯あみの島」

 再び遊園地へ繰り出すほか、「なばなの里」や樹齢二千年のオリーブ大樹が迎える「ナガシマファーム」へもアクセス可能。近隣の国内最大級アウトレットでの買い物も外せない。子どもからシニアまで、3世代の誰もが癒され、笑顔になれる日本随一の滞在型リゾートだ。

花と緑と食のテーマパーク「なばなの里」

□心を込めて届ける、温もりのおもてなし

 訪れる人を優しく包み込むような人の温もりが、この宿には満ちている。日本旅館ならではのおもてなしを大切に受け継ぎ、ベテランから若いスタッフまでが、一人ひとりの心に寄り添うおもてなしを大切にしているからだ。心のバリアフリーの考え方のもと、高齢の方をはじめ、誰もが我が家のように気兼ねなく寛げるよう、細やかな気配りがそっと積み重ねられている。

交通:《車》伊勢湾岸自動車道 湾岸長島ICよりすぐ、または東名阪自動車道 長島ICより15分
   《電車》JR関西本線、近鉄名古屋線 桑名駅より三重交通バスで20分
チェックin14:00 out11:00
食事:《本館》ダイニング他(夕食)、ダイニング(朝食) 
部屋:全115室
風呂:《庭園風呂》大浴場、サウナ《 露天風呂》岩風呂、ジャグジー、水風呂
泉質:アルカリ性単純温泉
料金:3万1,000円〜

〒511-1192 三重県桑名市長島町浦安333
☎ 0594(45)1111(代表) FAX 0594(45)1188
https://www.nagashima-onsen.co.jp/hanamizuki/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第51回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2027年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

津田令子の「味のある街」「ランチコース」――丸の内ホテル(東京都千代田区)

2026年10月11日(日) 配信

丸の内ホテルの「ランチコース」(4850円のコース)▽東京都千代田区丸の内1-6-3▽☎03(3217)1111(代表)。

 東京駅丸の内北口のすぐそばにありながら、少しだけ街の喧騒から離れたような時間が流れる老舗の丸ノ内ホテル。

 今日、丸の内の街歩きの仕事で立ち寄った。丸ノ内ホテルの歴史は古い。開業は1924(大正13)年。前年の関東大震災では、建設中の建物も被災したという。それでも翌年10月、東京駅前にホテルは誕生した。戦後は連合国軍に接収され、イギリス連邦軍将校の宿舎として使われた時代もある。その後、高度経済成長、丸の内の再開発と、東京の変化をすぐそばで見続けてきた。

 2004年、東京駅丸の内北口にほど近い現在の場所へ移転。そして24年、開業100周年を迎えた。百年。そう聞くと少し構えてしまうけれど、実際にホテルへ入ってみると、いい意味で気取りがない。

 窓の向こうには東京駅。行き交う電車や人の流れを眺めていると、ここが東京の真ん中だということを改めて思う。それなのに、ホテルの中には少しゆっくりした時間が流れている。

 今日いただいたのは4850円のメニュー。なかでも印象に残ったのが、ハンバーグだった。みんなの前に料理が届いた。ナイフを入れる。ひと口食べる。おいしい。難しい説明はいらない。高級ホテルの料理なのに、どこか懐かしい。当たり前だけど、我が家で作るハンバーグとはちゃんと違う。その「ちゃんと違う」が、ホテルで食事をする楽しさなのだと思う。

 ホテルというと、泊まる場所だと思いがちだけれど、こうして街歩きの途中で立ち寄って食事をするのもいい。少し疲れた足を休め、窓の外を眺めながら、その街が歩んできた時間に思いを馳せる。そんな過ごし方ができるのも丸の内という街の面白さかもしれない。

 丸の内の景色も、百年前とはすっかり変わった。それでも、この街には長い時間を抱えながら、今も普通に息をしている場所がある。丸ノ内ホテルも、そのひとつ。百年の歴史を頭で味わうより、おいしいハンバーグを食べながら、「ああ、このホテル、いいな」と思う。そんな出会い方のほうが、私は好きだ。

(トラベルキャスター)

 

【第51回旅館100選】岐阜県・下呂温泉 「水明館」

2026年10月11日(日) 配信

臨川閣「下留の湯」

心満たされるおもてなし、優雅さ香る快適リゾート空間

「山水閣」特別室

 「日本三名泉」に数えられる下呂温泉で昭和7年開業の老舗温泉旅館。飛騨川沿いにたたずむ4つの館「山水閣」、「飛泉閣」、「臨川閣」、数寄屋造りの離れ「青嵐荘」から成り、客室は和室、和洋室、特別室、温泉露天風呂付客室など多彩。

「臨川閣」最上階特別室
野天風呂「龍神の湯」

 お風呂は、天井や壁、柱にまで檜にこだわった、木の香り漂う「下留の湯」、野趣あふれる野天風呂「龍神の湯」、下呂の街並みや緑豊かな景色を堪能できる「展望大浴場」のほか、貸切風呂や岩盤浴も備える。ph9を超えるアルカリ性単純泉が肌を整え、湯上がりの肌感が下呂温泉の質の高さを如実に物語る。

鹿肉のジビエディナーコース(イメージ)

 食事は、地元の旬素材を職人が一品一品真心こめて調理。客室での日本料理やダイニングでの和洋折衷会席、和食処での会席料理、レストランでのフレンチ・中国料理など、好みに合わせて選びたい。

日本料理(イメージ)

 屋外・屋外プールやアスレチックジム、エステなど、施設も充実している。

離れ青嵐荘「夕顔の間」
ロビーラウンジ「エビアン」

□芸術作品や施設をまわる「館内ツアー」

 水明館の山水閣、飛泉閣、臨川閣に分かれた館内を彩る有名画家の絵画や壁画など、匠の技が生かされた芸術作品や施設をまわる「館内ツアー」。毎日夕方5 時から約40分間、詳しく解説しながら案内する人気のツアーとなっている。

 

交通:《車》中央自動車道 中津川ICから国道257号で52km、名古屋から国道41号で100km、P200台(無料)
    《電車》JR高山本線 下呂駅から徒歩3分
チェックin14:00 out11:00
食事:《夕食》プランにより異なる 《朝食》バイキング会場
部屋:全264室
風呂:臨川閣「下留の湯」、飛泉閣「展望大浴場」、山水閣「野天風呂」、貸切風呂2、室内温泉プール
泉質:アルカリ性単純泉
料金:2万350円~11万円(税込)

〒509-2206 岐阜県下呂市幸田1268
☎ 0576(25)2800 FAX 0576(25)4520
https://www.suimeikan.co.jp/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英・韓・中・台・スペイン語

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第51回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2027年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

「観光人文学への遡航(76)」 杉原千畝はなぜソ連におそれられたか

2026年10月10日(土) 配信

 杉原千畝はなぜ世界情勢を正確に見極められたのか。

 前回、杉原が「命のビザ」の人であると同時に、並外れた「情報のプロ」だったことを書いた。しかし、彼が独ソ開戦の時期までかなり正確に読んだことを、単に「情報収集能力が優れていた」の一言で片づけてしまっては、肝心なものを見落としてしまう。

 彼の原点は満洲にあった。杉原は外務省留学生としてハルビンでロシア語を学んだ。教科書だけで勉強したのではない。ロシア革命後に流入した白系ロシア人らとも交流し、生きたロシア語を身につけると同時に、彼らを通じてソ連に関する情報を集める人的ネットワークを築いていった。

 その能力が発揮されたのが、満州国外交部時代の北満鉄道譲渡交渉である。ソ連側は当初、6億2500万円という巨額の売却額を要求した。杉原はソ連側の算定根拠を調べるだけでなく、鉄道から貨車が持ち出されている実態なども把握し、交渉材料とした。最終的な譲渡額は1億4000万円となった。

 興味深いのはその後である。

 1936年、杉原はモスクワの日本大使館への赴任を命じられた。ところがソ連は杉原への入国査証の発給を拒否した。ソ連側は、杉原が白系ロシア人と密接な関係を持っていたことなどを理由に挙げたが、北満鉄道交渉などで示した情報収集能力への警戒も背景にあったと考えられている。つまり、杉原は赴任する前からソ連に警戒される外交官だったのである。

 その杉原が1939年に送られたのが、リトアニアのカウナスだった。ここで忘れてはならないのは、杉原がユダヤ人難民を救うためにカウナスへ赴任したのではないということである。ドイツとソ連をはじめとする欧州情勢を観察し、情報を収集・分析することが重要な任務だった。

 そして、その能力が最も鮮明に表れたのが1941年のケーニヒスベルクである。杉原は亡命ポーランド政府の情報関係者らとソ連国境地帯を実際に踏査した。そこでドイツ軍の戦車や燃料車両などが隠されていることを確認する。さらに、ベルリンから軍用列車が連日東へ向かっていること、大兵力が集結していること、ドイツ軍将校が地図を読める程度のロシア語習得を命じられていることなど、ばらばらに見える情報を集めていった。

 そして杉原は、それらを一本の線につないだ。1941年5月9日、東京へ電報を送り、独ソ関係は「6月」に重大な局面を迎えると報告する。

 実際に6月22日、ドイツ軍はソ連へ侵攻した。

 現場へ行く。人に会う。自分の目で見る。そして、その異なる情報を突き合わせる。そして、その背後で何が動いているのかを考える。杉原千畝の本当の凄さは、そこにあったのではないかと思っている。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

【第51回旅館100選】岐阜県・下呂温泉 「ホテルくさかべ アルメリア」

2026年10月10日(土) 配信

展望露天風呂「花見月の湯」

下呂の湯で、やすらぎの時間を過ごしたい

「アジアン和洋室」

 ホテルの快適なプライベート空間と、旅館の心なごむおもてなしで、極上のリゾートタイムを提供する「ホテルくさかべ アルメリア」。南・北ウイングの本館と新館アルメリアタワーから成り、客室は和室、和洋室に加えて、眺望が素晴らしいジェットバスや個室露天風呂を備えたスイートルームも揃う。

「ホテルくさかべ アルメリア」全景

 温泉は、天下の三名泉に数えられる下呂の湯。南ウイング2 階のヘルシースパ「クア・カーディナル湯の森」や、北ウイング最上階の展望露天風呂「花見月の湯」で、思う存分満喫したい。

レストラン「バーガンディ」

 楽しみな夕食は、会席専用レストラン「ベルビュー」、本格ジャズの流れる「レンガ横丁」、ビュッフェレストラン「バーガンディ」、プライベート空間が確保できる「お部屋食」などで。またお土産処、カラオケ、卓球場、ゲームコーナー、湯上りサロンなど、パブリックも充実している。

「アジアンスタイリッシュスイート」のジェットバス

□アメージングタイランドショー

 「ホテルくさかべ アルメリア」がお届けするエンターテインメントショー(ニューハーフショー)。各公演で内容が大きく異なるのが特徴で、子供から年配の方まで存分に楽める本格的なダンス&笑いのショーとなっている(期間限定公演、要事前予約)。

 

交通:《車》中央自動車道 中津川ICから国道257号を下呂方面へ50km、P150台(無料)
   《電車》JR高山本線 下呂駅から送迎バスで3分
チェックin15:00 out10:00
食事:レストラン「ベルビュー」、レストラン「バーガンディ」、お食事処「レンガ横丁」、お部屋食
部屋:全125室(和室95室、和洋室14室、特別室14室、洋室2室)
風呂:大浴場、露天風呂、サウナ
泉質:アルカリ性単純泉
料金:《一般客室》1万5,000円〜《特別室》2万5,000円〜

〒509-2206 岐阜県下呂市幸田1811
☎ 0576(24)2020 FAX 0576(24)2870
https://www.armeria.co.jp/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英・韓・中・台

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第51回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2027年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

京岩神前殿(長浜市)など2社、自己破産申請へ(帝国データバンク調べ)

2026年10月9日(金) 配信

 京岩神前殿(和田洋典代表、滋賀県長浜市)と、関係会社のKYOIWA(同代表、滋賀県長浜市)は9月27日(日)までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任して、自己破産申請の準備に入った。帝国データバンクによると、負債は2社合計で約6億円としている。

 京岩神前殿は、1971(昭和46)年5月創業、86(昭和61)年1月に法人改組された。結婚式や披露宴、各種宴会などに利用できる「グランパレー京岩」を運営。

その後、チャペルを併設する結婚式場を分離して、本店は割烹仕出し料理専門店として、個人のほか、地元の企業・団体の会合などの利用客を集め、2002年6月期には年間売上高約5億6600万円を計上していた。

 しかし、婚礼・宴会市場を取り巻く環境変化に加え、コロナ禍には営業停止などの影響を強く受け、21年6月期の年間売上高は約1億400万円に落ち込み、大幅な赤字を計上していた。

 その後も赤字が続き、金融機関から借入金の返済猶予措置を受けるなか、23年12月に婚礼事業を譲渡。「事業領域を絞り込んだものの奏功せず、資金繰りが限界に達した」(帝国データバンク)としている。

 KYOIWAは2010(平成22)年11月に設立され、和食レストラン「京岩ダイニング」を運営していた。個室や宴会スペースを備え、「グランパレー京岩」よりも低価格でサービスを提供していたが、京岩神前殿に連鎖した。

J-AIR、じぶんぐるみ向け特別ツアーを発売 訓練施設や格納庫を見学

2026年10月9日(金) 配信

じぶんぐるみが旅へ

 JALグループのジェイエア(武井真剛社長、大阪府豊中市)は10月9日(金)、FUNDARD(村瀬和絵社長、東京都杉並区)と「J-AIR30周年記念 じぶんぐるみが行く!J-AIR特別冒険ツアー」を売り出した。普段は立ち入れない訓練施設や格納庫などを巡る企画で、両社初の共同事業となる。

 同ツアーは、FUNDARDが似顔絵から1体単位で製作するぬいぐるみ「じぶんぐるみ」を対象とする。さまざまな事情で旅に行きたくても行けない人々へ向けて、自身の分身(じぶんぐるみ)を通じて、航空のワクワク感と旅の感動を届ける特別な企画。背景にはぬいぐるみを持ち歩いて写真撮影や旅行を楽しむ「ぬい活」の広がりがある。

 旅程ではJ-AIRの訓練施設で緊急脱出訓練や接客トレーニングを体験するほか、格納庫で整備士と機体を点検する。機体やコックピット、貨物室での撮影、J-AIRオフィスでの乗務員との交流を盛り込む。豊中つばさ公園 ma-zikaや伊丹空港の展望デッキも訪れる。

 参加者は「じぶんぐるみ」に限り、募集定員は30人(体)。新たに製作して参加する場合の料金は4万5000円、既に持っている場合は1万6999円となる。応募は特設ウェブサイトで受け付け、締め切りは10月31日。なお、ツアー後はじぶんぐるみ用の記念Tシャツやキーホルダーなど記念品、土産とともに自宅へ発送される。