東武トップツアーズ、北海道インバウンドセンターを設立

2025年11月17日(月) 配信 

高付加価値市場の開拓と地域連携を担う専門組織を発足

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は2026年1月1日付で、北海道インバウンドセンターを設立する。顧客や地域の期待に応える体制を構築し、専門特化した新体制と実行力により、訪日市場の持続的な発展に貢献する。

 北海道のインバウンド市場は、2030年に消費額1.2兆円を目標とする持続的な成長が見込まれる重要な市場。アドベンチャートラベル(AT)などの多様化する高付加価値市場への参入や、行政との連携強化によるビジネス成果の創出が急務となっている。

 今回、既存組織では困難な高い専門性を要する新規事業領域を担う営業組織を確立し、北海道インバウンドビジネスの独自化、差別化をはかる。既存事業の枠を超えた次世代のインバウンド事業を構築し、地方発インバウンドビジネスの独自化、差別化を推進し、地域に新たな交流と収益をもたらす自走可能な基盤の確立を目指す。

 同センターでは、社外共創によるネットワークを形成し、「チーム東武トップツアーズ体制」で事業を推進する。同社の企画立案力を核に、外部の専門的な知見や実働的な協力を得て実行性のある体制を構築。個別事業ごとの連携ではなく恒常的な組織として、さまざまな分野への挑戦も可能になる考えとした。この強固なネットワークのもと、AT事業をはじめとするさまざまな事業を統合的に展開していく。

 新センターの住所は、北海道札幌市中央区南1条東1丁目3 パークイースト札幌7階。

渋谷東武ホテル、27年2月末ごろ閉館へ 東武ホテルマネジメント

2025年11月17日(月) 配信

渋谷東武ホテル外観

 東武ホテルマネジメント(三輪裕章社長、東京都墨田区)はこのほど、渋谷東武ホテル(東京都渋谷区宇田川町)の営業を2027年2月末ごろを目途に終了すると発表した。賃貸借契約が27年3月末で満了するため、同ホテルを閉館する。

 同社は「1975年の開業以来、長きにわたり営業を続けてこられましたことに、心より御礼申し上げます。営業終了に伴い、ご利用のお客様には大変ご不便をおかけすることとなりますが、磨き上げてきたサービスの理念と技能を礎とし、責任と誇りをもって営業に邁進してまいります。閉館日まで、引き続き変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」とコメントしている。

 なお、館内施設の詳細な営業終了日については、公式ホームページなどで案内するという。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(178) 自動チェックイン機の生かし方 人が出口で次へのヒントを

2025年11月16日(日) 配信

西川丈次のもてなし上手

 旅館でもフロント横に設置された自動チェックイン機を見かけることが多くなりました。人手不足への対応という面ではやむを得ませんが、利用者の感じ方はさまざまです。なかには「機械の方が便利」という声もある一方で、「不甲斐ない接客を受けるくらいなら機械の方がましだ」といった残念な意見も聞かれます。こうした機械化が進むなかで、これからの宿泊業はどのように変化していくのでしょうか。

 「変なホテル」が話題となったころ、実際に宿泊したことがあります。フロントには上半身のロボットが設置され、入館すると「いらっしゃいませ」と音声が流れました。続いて「チェックインの方は機械でお願いします」と案内され、試しに「近くにおいしいラーメン屋さんはありますか?」と尋ねてみました。

 返ってきた答えは再び「いらっしゃいませ。チェックインの方は機械でどうぞ」でした。思わず笑ってしまいました。まだ会話としては成立しませんでしたが、AI技術の進化を思えば、近い将来には期待する受け答えができる日も遠くはないでしょう。やがては入口のカメラで顔認識して過去の宿泊記録から「西川様、お帰りなさい」と迎えてくれるかもしれません。

 しかし、機械がいくら進化しても、一日の仕事の疲れを吹き飛ばしてくれる笑顔での迎え入れや、温かく声を掛けるような心のこもった接客は、まだ難しいものです。人の表情や声のトーンから相手の気持ちを察する力、そこに宿る「おもてなしの心」こそが、人にしかできない価値ではないかと考えます。

 自動チェックイン機は人に替えて導入するものではなく、人の力を最大化するために活用するべきものと考えます。重要なのは、機械に任せる仕事と人の役割を上手に使い分けることです。機械操作に慣れない方へのサポートや、困っている人への声掛けには人的対応は欠かせません。混雑時の効率化を機械に任せつつ、個々の事情に寄り添う柔軟な対応を人が担うことです。

 最近宿泊したホテルでは、チェックインはスタッフが笑顔で対応し、チェックアウトは完全に自動化されていました。しかし、出発時にはドア付近で「いってらっしゃいませ」と見送るスタッフがいて利用者の不満を聞き出す仕組みを持っていました。アンケートなどでは聞き出せない声を、スタッフのあいさつに応えるお客様の表情や雰囲気から察知して、その声を聞き改善点を見つけ出そうとする取り組みには感動すら覚えました。

 人と機械が上手に役割分担し、人が入口で期待感を高めて、出口で次へのヒントを見つける在り方に、ひとつの自動チェックイン・アウト機の生かし方ではないかと感じた体験でした。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

「観光人文学への遡航(65)」 衰退していない専門学校

2025年11月15日(土) 配信

 1976年の発足以降、専門学校は各種学校からの転換によって、一貫して進学者を伸ばし続けた。

 平成以降は、少子化が加速度的に進行し、1学年当たりの生徒数は減少の一途を辿るようになった。しかし、そのような少子化の状況においても、大学の新設や定員増が認可され続けたことで、大学進学者数は増加している。さらに高校においても、商業科、工業科、総合科といった専門科を有する高等学校は、かつては就職や専門学校進学が中心で、4年制大学進学は限定的であったが、最近では多様な入試制度の導入が進んだことにより、大学進学熱が大いに高まっている。

 一方で、入学者が定員に満たない大学は増加し続け、2023年にはついに定員割れしている私立大学は53・3%にも達した。大学さえ選ばなければ誰でもどこかの大学には入ることができる、いわゆる「大学全入時代」となった。

 大学進学率は、18年度から24年度までの7年間では、53・3%、53・7%、54・4%、54・9%、56・6%、57・7%、59・1%と一貫して増やしている一方、短大進学率は、4・6%、4・4%、4・2%、4・0%、3・7%、3・4%、3・1%と衰退が著しい。

 このデータだけを見ると、専門学校も短大と同じく衰退の一途を辿っていそうに感じるが、専門学校への進学率は、21年度までは22・7%、23・0%、24・0%、24・0%と漸増し、コロナ禍で22・5%、21・9%と漸減したものの、24年度は24・0%と持ち直している。結局、専門学校は、10年代以降は変わることなく20%前半の範囲内で進学率を保持してきた。

 大学の新設や定員増が認可され続けて、大学進学率が上昇し続け、短大と同じ外部環境の変化にさらされているにもかかわらず、専門学校と短大とでここまで明暗を分けたのは、ここまで日本の学校教育史を辿ってきたことでわかる通り、ひとえにその2者の成り立ちが異なっているからに他ならない。

 短大は、戦後の教育改革でGHQが6・3・3・4制の単線型学校体系に急進的に変革しようとした際、現場として教育環境を整備できないために、暫定的に移行措置として2年制を認めたことが恒常化したことによって成立した。そのため、大学に準じる存在として大学と同じ枠組みで学校経営・運営を行っている。管轄も大学同様文部科学省が直接行っている。

 それに対して、専門学校はそれぞれの学校が理想の教育を求めて思い思いの学校を作った各種学校を起源とする。管轄も都道府県なので文部科学省ほど箸の上げ下ろしまでの細かい指示はない。

 専門学校は、社会や産業界のニーズに合わせて、専門的なカリキュラムを構築してきたから、このような逆風下でも生き残っているのである。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

名鉄観光、大晦日にFDAジェット機で 2つの空港結ぶ空の旅

2025年11月14日(金)配信

直線距離で約45kmを約10分で運行する名鉄観光特別企画

 名鉄観光サービス(岩切道郎社長、愛知県名古屋市)はこのほど、フジドリームエアラインズ(FDA、本田俊介社長、静岡県静岡市)とチャーター契約を結び、12月31日(水)に出発するツアー「ジェット機で愛知県の2つの空港を結ぶ空の旅」を売り出した。

 旅客や貨物を運ぶ目的ではなく、機体の輸送を目的とした回送飛行を行う「フェリーフライト」に搭乗できるツアー。名鉄観光サービスは元旦に、中部国際空港から初日の出遊覧フライトと新春富士山遊覧フライトを実施している。このツアーで使用する機材を輸送するフェリーフライトを、同社オリジナル企画のツアーとして設定。直線移動距離約45km(28マイル)、飛行時間約10分間の空の旅として用意した。

 当日は、午後2時30分ごろに県営名古屋空港に集合。3時30分ごろにFDAチャーター便で出発し、中部国際空港に4時ごろ到着後、解散となる。

 旅行代金は1人当たりで通路側席が2万9800円、窓側席が3万9800円。最少催行人員は60人。特典に搭乗記念証明書などのオリジナル記念品付き。

ミキ・ツーリスト、イースタン・ビーナス取扱開始 日本と韓国近海をクルーズ船で巡る

2025年11月14日(金) 配信

イースタン・ビーナス

 ミキ・ツーリスト(日根克巳社長、東京都港区)はこのほど、韓国のクルーズ船「Eastern Venus(イースタン・ビーナス)」の取い扱いを始めた。

 同クルーズ船は1998年、日本で建造され、「ぱしふぃっく びいなす」として20年以上、日本籍船として運航されていた客船。現在は「イースタン・ビーナス」として、主に韓国・釜山を基点として韓国近海のクルーズで運航されている。

 ミキ・ツーリストは日本の正規販売代理店として、国内の旅行会社と商品展開を進めている。現在、クルーズのゆたか倶楽部(松浦賢太郎社長、東京都千代田区)と読売旅行(岩上秀憲社長、東京都中央区)の共同企画によって、年末年始と1月に福岡県・博多港や広島県・広島港から愛媛県松山市や韓国・釜山などを巡るクルーズツアーが発売されている。

 両社は「ぱしふぃっく びいなす」のクルーズを長年にわたり多数取り扱い、同船のファンも多かったことから、「郷愁クルーズ」として“思い出探しの船旅”を提案する。特別クルーズには、元ぱしふぃっく びいなすの船長である松井克哉氏が乗船予定となっている。

「こころに響く瞬間を」 日本旅行グループ理念を新たに策定

2025年11月14日(金) 配信

 今年創業120周年を迎えた日本旅行(吉田圭吾社長)はこのほど、新たな日本旅行グループ理念を策定し、シグネチャーメッセージを「こころに響く瞬間を」とした。

 「人」と「こころ」に焦点を当てた本質的な価値観は、同社が大切にしてきたホスピタリティにもつなり、「創業以来変わることのない日本旅行グループ理念の根幹」としている。

 新たな理念のもと、「人と人をつなぐ」「人と地域を結ぶ」「想像を超えた世界を紡ぐ」ことによって「心豊かで躍動する未来」を築いていく決意を強くしている。

㈱全旅、ネットスターズと業務提携 海外旅行会社との取引決済サービス開始へ

2025年11月14日(金) 配信

中間幹夫社長(左)と李剛CEO

 ㈱全旅(中間幹夫社長、東京都中央区)はこのほど、ネットスターズ(李剛CEO、東京都中央区)と宿泊事業者を対象とした企業間決済のキャッシュレス化の推進に向けて、戦略的業務提携を結んだ。この一環で12月、ネットスターズが提供する企業間キャッシュレス決済ソリューション「StarPay-Biz for Hotel」を活用し、宿泊事業者向けに海外の旅行会社やOTAとの取引決済サービス「全旅グローバルペイ」をスタートする。

 訪日客が増えるなか、宿泊事業者に対し海外の旅行会社との精算業務や新しい取引先との審査業務をサポートすることで、インバウンド客のさらなる取り込みをサポートする。

 両社は今後、観光業界の決済のDX化を加速し、全国の宿泊事業者や関連事業者の成長を支援していくため、新たなサービスや価値の創造を目指す。

名鉄バスセンター、「59年間ありがとうイベント」11月29日に

2025年11月14日(金)配信

59年の歴史を振り返るパネルや、協賛各社によるバス車両を展示する

 名鉄バス(瀧修一社長、愛知県名古屋市)は11月29日(土)、現バスセンターの営業終了にあたり、これまでの感謝を込めた記念イベント「ありがとう名鉄バスセンター ~思い出を乗せて、未来の街へ~」を開く。現バスセンターは名古屋駅地区再開発に伴い、2026年3月中に営業を終了する予定。

 当日は、1967年に日本初の本格的なバスターミナルとして開業し、「東洋一」と呼ばれた当時の貴重な写真や資料を展示し、59年の歴史を振り返るパネル展示を行う。また、名鉄バスのほか、バスセンターに乗り入れしているジェイアール東海バス、岐阜乗合自動車、三重交通といった協賛各社の高速バス車両の展示や、各社オリジナルグッズを販売する。

 このほか、名鉄バスセンターから高速バスで行くことができる各観光地の紹介ブースを設置。各地のマスコットキャラクターも登場を予定する。

 場所はMeieki Parklet(メイエキパークレット、愛知県名古屋市)。実施時間は午前10時~午後4時。入場無料。雨天決行、荒天中止時。

エイチ・エス損保、書類スキャンシステム導入 海旅の保険金支払までの期間短縮へ

2025年11月13日(木) 配信

 エイチ・エス損害保険(堤信博社長、東京都中央区)はこのほど、海外旅行保険などの保険金支払業務の効率と利用者の利便性向上を目的に、リチェルカ(梅田祥太朗CEO、東京都港区)が提供するシステム「RECERQA Scan(リチェルカ・スキャン)」を導入した。
 
 エイチ・エス損害保険は、海外旅行保険などの保険金支払業務で、事故証明書や診断書、見積書、レシートなど多様な紙ベースの書類の確認を必要としており、入力・確認作業における工数の削減とミスの抑止が課題となっていた。 このようななか、AIによる書類の文字認識と自動仕分けを可能にする「RECERQA Scan」を採用。業務効率化と品質向上をはかる取り組みを始めた。 
 
 同社は書類の仕分けや入力、確認業務を自動化し、保険金支払のリードタイムの短縮をはかる。さらに、 リチェルカ・スキャンを利用客向けに提供し、入力負荷を軽減する。