【ANTA】「国内観光活性化フォーラムinなら」に1300人集う 奈良県へ10万人送客CP決定
2026年2月19日(木) 配信

全国旅行業協会(ANTA、近藤幸二会長)は2月11日(水)、なら100年会館(奈良県奈良市)で第20回国内観光活性化フォーラムinならを開き、全国47都道府県から約1300人が集まった。今回は地域への理解を深めてもらおうと、日本のはじまりの地とされる奈良県で建国記念の日に開催。国内旅行のさらなる活性化に向けて、2~12月までの11カ月間に奈良県へ10万人規模の送客を目指すキャンペーンの実施を決定し、会員の結束を強めた。
主催者あいさつで、近藤会長は「今回は地元実行委員会の協力で奈良の歴史や文化などの地域色を強力にアピールするフォーラムを開催する」と感謝を述べ、「参加する皆様は奈良の魅力を十分に堪能できる。フォーラムを生業の糧にしてほしい」と呼び掛けた。
また、「昨年、強いリーダーシップで観光産業をリードした二階前会長が退任し、我われはその志を全力で継承していく。今後も観光団体などと連携し、業界の発展に努めたい」と語った。
来賓の観光庁の村田茂樹長官は、第5次観光立国推進基本計画で国内交流の拡大、観光地と観光産業の強靭化などを柱とする方向で検討していることを説明。「インバウンドも極めて重要だが、国内旅行の促進にも努めたい。この施策の実現には、地域の魅力を熟知し、観光関係者とのネットワークを構築している皆様が不可欠。フォーラムで得られた知見から、魅力的な商品を造成してほしい」と呼び掛けた。

奈良県の山下真知事は「2024年における県の観光客数は4362万人だった一方で、1人当たりの消費額は約5000円と全国最下位。多くの観光客が大阪や京都に泊まり、宿泊客が少ないことが原因」と課題を挙げた。「歴史資源も多くあるほか、NHK大河ドラマ豊臣兄弟の舞台にもなり、魅力も一層向上している。奈良県を組み込んだツアーを企画してほしい」と話した。

基調講演「大和の旅 記紀に載らない大和の神話を訪ねて」には、奈良県立大学客員教授で春日大社の岡本彰夫元権宮司が登壇。
岡本元権宮司は「奈良は歴史が断絶していないことが特徴だ。多くの地域は内乱などによって歴史がつながっていない。奈良では、人から人へと、祭りや技術が受け継がれ、歴史が生きたカタチでつながり続けている」とアピールした。
また「神事の1つに旅が含まれており、神様は旅をしてきた。これは世俗を離れ、1人になることで、人生を変えることが目的。観光の観の字は訪れた先の表面でなく、真髄を感じることも表している。国内旅行で日本の真の姿を知ることは、誇りを持つことにつながる」として、旅を通じて心の豊かさを追求することを提案した。
その後に行われたパネルディスカッションは、「奈良の魅力を大いに語る」をテーマに実施。パネリストとして、岡本氏をはじめ、ノブレスグループ代表の川井徳子氏と、奈良県酒造組合会長の北岡篤氏、奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合理事長の伊藤隆司氏、奈良県ビジターズビューロー専務理事の竹田博康氏が登壇。コーディネーターはトラベルニュース社長の奥坊一広氏が務めた。登壇者は、それぞれ立場から奈良県の魅力や誘客に向けた意気込みなどを語った。
送客50万人を目標にした東京送客キャンペーンは43万9045人と報告された。最優秀会員は日本エクスプローラーズトラベル(東京都千代田区)。優秀会員は神洲トラベル(東京都豊島区)、準優秀会員はシンファート(大阪府吹田市)だった。
今年度は奈良県への送客CPを展開。目標は10万人、期間は2~12月の11カ月間とした。
ANTAの村山吉三郎副会長は「日本建国の地である奈良には、数多くの歴史的建造物をはじめ、3つの世界遺産がある。当時の都も現在に伝えられている。フォーラムを一過性のイベントに終わらせることなく、最大の好機と捉え、奈良への送客に取り組みたい」と語った。

さらに、奈良県内のDMOや観光事業者などもブースも設け、魅力を訴求した。
次の国内観光活性化フォーラムの開催地は、27年2月4日に宮城県仙台市を予定している。テーマは「伊達な宮城に愛に来て」。
引き続き式では、近畿地方支部長連絡会の中島昭人議長から東北地方支部長連絡会の菊池洋議長に、大会旗が手渡された。

フォーラム終了後には懇親会も開かれた。
共催者あいさつで、㈱全旅の中間幹夫社長は「旅は人を幸せにし、辛いときに勇気を与える。このような仕事に携わっていることへ誇りを持ち、皆様と支えあっていきたい」と語った。
□インバウンド商談会 フォーラム前日開催
㈱全旅は同フォーラム前日の2月10日(火)、全旅インバウンド商談会inならを開催。インバウンド客のさらなる誘致による地域の活性化につなげる狙い。

当日は、ANTA会員や日本の受入施設40社がタイの旅行会社32社に各地域の魅力をアピールし、送客を提案した。その後、懇親会が開かれ、雅楽の演奏や高速餅つきなどを通じて、参加者は連携体制を一層強化した。
また、奈良県への理解を深めてもらうため、2月9日(月)~12日(金)には県内各地を巡るファムツアーも実施された。






