日本ホテル協会、食品ロス削減を普及 mottECO勉強会開く

2025年4月28日(月)配信

mottECOの取り組みを話すホテルメトロポリタンエドモントの松田秀明総支配人

 日本ホテル協会(蔭山秀一会長)は4月15日(火)、食べ残しを持ち帰る食品ロス削減の取り組みを学ぶ「第2回mottECO(モッテコ)勉強会」をホテルメトロポリタンエドモント(東京都千代田区)で開いた。オンライン含め約200人が参加し、mottECOに関する理解を深めた。

 環境省が推進するmottECOは、飲食店で食べきれなかった料理を消費者の自己責任で持ち帰る行為の愛称。mottECO勉強会は、昨年12月に消費者庁と厚生労働省が策定した「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」の普及に向けて、不定期に開催している。

 同協会SDGs委員会委員であるホテルメトロポリタンエドモントの松田秀明総支配人は、ガイドライン策定に伴う自社の取り組みを紹介した。ガイドラインに基づき、アレルギーのある人には譲渡を禁ずる注釈を追記した案内書面の改訂。自社のルールやマニュアルも改訂し、①お客自身でホテルが用意した専用容器に詰める②詰めてから2時間以内に十分に再加熱③アレルギーのある家族などに譲渡しない――などの自社の安全基準を定めていると説明した。

 このほか、自社のルールやマニュアルの徹底などを目的とした従業員教育や、食べ残し持ち帰りの対象施設であるホテル内の宴会場やレストランなどの利用規約への追記などを実施するとした。

 勉強会では、農林水産省の鈴木学食品ロス・リサイクル対策室長、消費者庁消費者教育推進課食品ロス削減法制検討室の杉田育子課長補佐、厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課HACCP推進室の高橋亨室長補佐が講演。同ガイドラインに関して、それぞれ基本的な考えや留意点などを説明した。

【古窯グループ】台湾で「山形の地域食材ともてなし文化」発信 4月24日(木)、台湾主要メディア30社招き、交流イベント開催

2025年4月28日(月)配信

 古窯ホールディングス(佐藤太一専務、山形県上山市)が運営する「日本の宿 古窯」と「あつみ温泉 萬国屋」は2025年4月24日(木)、台湾・台北市内で台湾の主要メディア約30社を招いた記者発表会を開き、山形県が誇る豊かな地域食材と、日本の温泉旅館が育んできた伝統的な「女将文化ともてなし」を紹介した。

 取り組みは、台湾の高級ホテル・リージェント台北、北投晶泉丰旅(シルクス スプリング 北投)との連携で実現した。会場となった北投晶泉丰旅では、山形の観光地映像を放映したほか、A5ランク山形牛をはじめ、甘鯛、うるいやこごみなどの山菜、つや姫、サクランボといった県が誇る地域食材をふんだんに使用した特別料理の試食会も開いた。

 集まった台湾メディアからは「こんなに美味しい食べ物が山形にあるとは知らなかった」「ぜひ山形を訪れたい」など、期待の声が多数寄せられた。このほか、ホテルスタッフや参加記者が花笠踊りを体験するなど、身も心も山形色に染まる催しとなった。

料理人が記者に素材の特徴を伝えながら料理を提供

 北投晶泉丰旅のレストランでは5月31日(土)まで、山形の味覚を楽しめる特別メニューも企画。古窯が30年以上受け継いできた秘伝の味「特製胡麻みそすき焼き膳」を、山形県産の厳選食材を使用して提供する。

 構想から約1年という歳月を経て実現した催しは、単なる観光プロモーションに留まらず、山形の誇る「食」と「もてなし」という文化を台湾に紹介し、同時に台湾の文化からも学ぶ、「異文化交流の機会」と位置付ける。相互理解を深め、台湾と日本の距離を物理的・精神的、両面から縮めることを目的としている。

 日本の宿 古窯の佐藤奈美若女将は「山形の清らかな恵み、素朴で豊かな文化は世界に誇れる地域資源。とくに台湾とのご縁を深く感じており、これからも地域の誇りを胸に、山形と世界をつなぐ『橋』として魅力を発信していきます」という。

H.I.S.ホテルHD、ドクターイエロールーム発売 ホテルオリジナルのキーホルダー贈呈

2025年4月28日(月) 配信

ドクターイエローコラボルーム
 H.I.S.ホテルホールディングス(澤田秀雄社長、東京都港区)はこのほど、運営する変なホテル京都 八条口駅前(京都府京都市)でドクターイエローコラボルームの発売を始めた。2024年2月に販売した「新幹線コラボルーム」が好評だったことから、同客室を新設した。
 
 JR京都駅を発着する東海道新幹線がのぞめる客室には、ドクターイエローのおもちゃや鉄道図鑑を設置。テレビゲーム「電車でGO!PLUG&PLAY2山陽新幹線編EX」で遊ぶこともできる。宿泊特典として、ホテルオリジナルのドクターイエロー923形のキーホルダーと、京都鉄道博物館の入場券をプレゼントする。
 
 1室1泊当たりの価格は、朝食付きが2万2600円から、素泊まりは2万1000円から。

黒部峡谷鉄道、5月4・5日に「春のファミリーフェスタ」 宇奈月駅で開催

2025年4月28日(月) 配信

同鉄道公認キャラクター「でんちゃー」

 黒部峡谷鉄道(鈴木俊茂社長、富山県黒部市)は5月4日(日)、5日(日)の2日間、ゴールデンウイークイベントとして、「黒部峡谷トロッコ電車 春のファミリーフェスタ」を開く。

 宇奈月駅前の特設ブースで縁日を、また駅2階では自由に自分の路線が作れるプラレール広場や制服着用体験などを実施する。黒部峡谷で撮った写真や動画にハッシュタグ「#黒トロ2025」をつけて投稿すると、記念品がもらえる「SNS投稿キャンペーン」も実施する。

 同社は「ゴールデンウイークはぜひ黒部峡谷トロッコ電車でお楽しみください」と呼び掛けている。なお、イベントは両日とも午前10時~午後4時まで。

300人が叙勲受章称える 古窯HD社長の佐藤信幸氏祝賀会

2025年4月28日(月) 配信

佐藤信幸氏(左)と洋詩恵夫人

 2024年秋の叙勲で「旭日小綬章」を受章した、古窯ホールディングス社長の佐藤信幸氏を祝う祝賀会が4月4日(金)、日本の宿古窯「コンベンションホール紅の花」で、関係者300人が出席し、盛大に開かれた。東日本大震災時の全国旅館ホテルとの協力による被災者受け入れなどの地域奉仕活動や、多年にわたり、ホテル旅館業界の発展と組合活動の活性化に貢献した功績が評された。

 発起人を代表し、平井康博山形県観光物産協会長が「山形県の発展に貢献いただいた」と佐藤氏へ感謝を述べ、洋詩恵夫人への労も称えた。ご令孫からは佐藤夫妻へ花束が贈呈された。

 佐藤氏は出席者に対し「新型コロナが収束し、世界中から観光客が訪れ新しい観光時代に突入した。山形県の魅力を発信し経済効果を生まれるように取り組んでいきたい」と謝辞を述べた。

 来賓として吉村美栄子山形県知事や鈴木憲和衆議院議員(復興副大臣)、舟山康江参議院議員、遠藤利明衆議院議員(代理)、本保芳明国連世界観光機関駐日事務所所長(当時)、井上善博全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長が出席。それぞれの立場で、祝辞を述べた。

 鏡開きのあとは、徐銀樹京都商務旅館・東京国際飯店(台湾)総経理の乾杯の音頭で祝宴に入り、古窯、萬國屋の料理長による山形料理を堪能した。

ホーチミンと名古屋、福岡を結ぶ2路線を新規就航 ベトジェット

2025年4月28日(月) 配信

初就航便で名古屋へ到着した搭乗客を歓迎するベトジェットのリーダー

 ベトナムの格安航空会社(LCC)のベトジェットはこのほど、ベトナム最大の都市・ホーチミンと名古屋、福岡を結ぶ2つの路線を新規就航した。同社の日本とベトナムを結ぶ直行便は10路線となり、合計週138便が運航する。名古屋線は週4往復、福岡線は週3往復する。

 名古屋線の初便は4月24日に名古屋の中部国際空港に到着、福岡線は4月25日に就航した。両便の旅客機は日本の空港でウォーターサルート(水門礼)で歓迎し、搭乗客には記念品を贈呈した。

 同社は新規路線の就航を記念し、ベトナム行きが片道1万1690円からになるチケットプロモーションを展開する。12月31日までの毎週金曜日に開催され、搭乗期間も同日まで(祝祭日は除く)。同社公式サイトかモバイルアプリから予約できる。

【第5次観光立国推進基本計画】 ”地方誘客拡大”を重視 25年度末に5カ年計画策定へ

2025年4月28日(月)配信

 観光庁は4月25日(金)に開いた交通政策審議会観光分科会(第49回)で、第5次観光立国推進基本計画の策定に向けた初会合を開いた。3月18日(火)に開かれた観光立国推進閣僚会議での石破茂首相の指示を踏まえ、2030年の訪日外国人旅行者数6000万人、その消費額15兆円のほか、「地方創生2.0」の実現につながる施策の検討を進める。

 第5次観光立国推進基本計画は26~30年度の5カ年。現行の第4次計画の期間が25年度末までのため、新たな第5次計画を策定し、25年度末までの閣議決定を目指す。

 第4次計画では、訪日客数を19年水準超え(24年現在3687万人)、その消費額を5兆円(同8.1兆円)、国内旅行消費額を22兆円(同25.1兆円)などの目標を既に達成。一方、訪日客1人当たりの地方部宿泊数を2泊(同1.4泊)、日本人の地方部延べ宿泊者数を3.2億人泊(同3.0億人泊)など地方誘客が伸び悩んでいる。

 今後、事業者や関係団体などを対象にしたヒアリングを進めていく。次回議論は6月予定。

大阪・関西万博で高知の食文化発信、土佐田舎寿司やカツオのたたきなど

2025年4月28日(月) 配信

土佐田舎寿司づくりを体験

 高知県は4月27日(日)、開催中の大阪・関西万博の大阪外食産業協会(ORA)パビリオン内の催事スペースで、土佐田舎寿司やカツオのたたきなどをPRするイベントを開いた。

 イベントは当日計3回行われ、約30人が参加。1回目には、イギリスやアメリカなどからの観光客10人が参加した。県の伝統的な食文化や農水産物を紹介する映像プレゼンテーションに続き、土佐田舎寿司づくりとオリジナルポン酢のブレンド体験に挑戦した。

 土佐田舎寿司は、山菜や野菜をネタに使うもので、みょうがやしいたけ、たけのこ、こんにゃくなどを、通常の寿司と同様、にぎり状にした酢飯の上にネタを乗せる。すし酢にはユズの果汁を使うなど、ベジタリアンの人でも食べることができるという。

 講師を務めた東京・銀座の県アンテナショップ「まるごと高知」内レストラン「TOSA DININGおきゃく」の料理長・山下裕司氏が、慣れない手付きの参加者を丁寧に指導。終始、笑顔と驚きが絶えない和やかな雰囲気に包まれた。

 完成した料理は、カツオのたたきと3種類の土佐酒とともに試食した。アメリカ・ニューヨークからの参加者は「とてもおいしい。見た目も華やかで楽しめる」と話していた。

 今回のイベントは、県が万博を通じて、高知ならではの地方の魅力を「スーパーローカル」というコンセプトで発信する取り組みの第1弾。昨年7月にオープンした関西アンテナショップ「SUPER LOCAL SHOPとさとさ」とも連動し、今後も継続的なPR展開を予定している。

土佐田舎寿司

舟下りの安全と昨夏豪雨からの復興を祈願 山形県・最上峡芭蕉ライン観光

2025年4月28日(月) 配信

戸沢学園の児童が「最上川舟唄」を披露

 最上峡芭蕉ライン観光(鈴木富士男社長、山形県・戸沢村)は2025年4月24日(木)、村内の戸沢藩船番所で「安全運航祈願祭」を開いた。自治体首長や観光関係者ら約100人が出席し、昨夏の豪雨被害からの復興と、今シーズンの安全運航を祈願した。

 24年7月末に山形県最上地方を襲った記録的な豪雨では、所有する舟16隻のうち11隻が流されたが、約1週間後には臨時の周遊コースで営業を再開。舟の回収・修理を行うとともに、古口―草薙間の安全確認を終えた同10月中旬から定期航路を再開し、通常営業に戻った。現在は8隻体制だが、今夏をめどに湊町・酒田で活躍する「酒田舞娘」の舞と食事が楽しめる「最上川花街舟」など、船上でさまざまな企画を楽しめる大型船が就航する。

 安全祭では、出羽三山神社の山伏による安全祈願神事に続き、村立・戸沢学園4年生が「最上川舟唄」を披露すると、参列者から大きな拍手が送られた。

大阪市内で現代アートの国際フェスティバル開催中 「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」 万博に合わせ10月13日まで

2025年4月28日(月) 配信

船場エクセルビルでの記者会見

 大阪・関西万博の開催に合わせて2025年10月13日(月・祝)まで、大阪市内で現代アートの国際フェスティバル「Study:大阪関西国際芸術祭2025」が開かれている。 会場は、夢洲の万博会場をはじめ、安藤忠雄氏設計の大阪文化館・天保山、黒川紀章氏設計の大阪府立国際会議場(中之島)、さらに西成・船場エリア、万博記念公園にある国立民族学博物館など、大阪を象徴する各地で展開される。

 取り組みはStudy(実験・研究)として2022(令和4)年から小規模なプレ芸術祭として3回開催。本祭ともいえる今回は、一過性でなく、継承・発展する文化芸術イベントの創造を目指す。

 万博会場では「Study:大阪関西国際芸術祭/EXPO PUBLIC ART」と題して、美術家・奥中章人氏の野外彫刻や壁画などが展示されている。メイン会場の大阪文化館・天保山ではチーフキュレーターにマキシミリアン・レッチェ氏を迎え、ドイツの研究機関と共に「リシェイプド・リアリティ:ハイパーリアリズム彫刻の50年」展を開催、ロン・ミュエク氏ら27組、39点の作品を展示している。

西成エリアでココルーム代表理事の上田假奈代さん(左から2人目)から説明を聞く

 うめきたエリアは「都市とアートの関係性」をテーマに、ビルや公共空間など街全体をミュージアムに見立て、アートの展示場にしている。釜ヶ崎などの西成エリアではNPOこえとことばとこころの部屋(ココルーム)、釜ヶ崎芸術大学、山王ハモニカ長屋などを会場に、新しい出会いと創造の場を生み出している。

 船場エリアは、1970(昭和45)年開催の大阪万博の前年に建てられ、現在はその役目を終えた船場エクセルビルが会場。「Re:Human―新しい人間の「条件」をテーマに、キューレーターの岸本光大氏を中心に100人以上の芸術家が参加している。中之島エリアでは、日韓合同のアートフェア「Study×PLAS:Asia Art Fair」が7月21日(月・祝)~23日(水)の3日間、グランキューブ大阪の大阪府立国際会議場で行われる。

 期間中、各展覧会場に1度ずつ入場できる「展覧会パスポート」は一般3500円、学生3000円。このほか単館チケットなども発売する。

旅行ライター&エディター 三堀 裕雄