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「津田令子のにっぽん風土記(36)」石徹白の暮らしに触れるツーリズム ~ 郡上市石徹白編 ~

2018年4月14日(土) 配信

昨年のいとしろアウトドアフェスティバルで、郡上の川魚の見分け方講座
近藤佳奈さん

 近藤佳奈さんは学生時代、アフリカなどを旅するなかで、学んでいた建築設計以上に、その中での暮らしに興味を持った。そんなとき訪れた岐阜県郡上市石徹白地区では、長い冬に備えて食べ物や灯油などの備蓄をしていたり、雪囲いがあったり。「知恵や工夫を積み重ねた暮らしが残っていることに魅了され、私もそういう暮らしがしたい、学びたいと思いました」と近藤さん。地域おこし協力隊として、2015年春から住み始めた。

 協力隊の仕事は「アウトドア型・体験型ツーリズムの推進」。石徹白は白山信仰が今に根づき、近年は小水力発電所に全国から視察者が訪れる。そして、豊かな自然を生かしたトレッキングなどのアクティビティやキャンプ場などがある。一括した情報発信や、事業者が連携するフェスの企画、プログラムの開発などでアウトドアを推進し、石徹白に観光産業をつくろうという考えがあった。

 近藤さんはアウトドア事業者、NPOや地元住民などからなる、石徹白地区地域づくり協議会ツーリズム部会の事務局員として、部会メンバーとともにまず1年目はツーリズムのコンセプトなどを考えた。「いとしろアウトドアライフヴィレッジ」というキーフレーズは、「石徹白の集落まるごとがアウトドア体験の集積地」ということを発信するものだ。2年目からはプログラム開発を行った。例えば、白山に登る1泊2日のツアーは、ガイドのほか語り部も同行して白山信仰の話をし、自分たちで食事を作る。文化とつながる山歩きができて楽しい、山登り仲間に出会えたなどと人気だ。

 石徹白は平安時代から白山の登拝、修験者の出入りで栄えた。「縄文時代から続く歴史の延長線上に自分たちがいる。ほんの一部であっても、地域の人たちが受け継いできたものを、ツーリズムを通じて伝えていければと考えています」。近藤さんは必ずしも観光産業の振興が求められているわけではないと考え始めた。

 「地域の内情に沿って、地域の人たちの関心事とツーリズムが交わるような関わり方を模索しています」。この3月で協力隊の任期は終了したが、石徹白に住み続け、ツアーのコーディネート、撮影、デザインなど、幾つかの仕事を組み合わせていく予定だ。

 6月2、3日には「いとしろアウトドアフェスティバル」を開催する。さまざまなアクティビティの見本市となるそうだ。フェス詳しい情報は (http://outdoor.itoshiro.net)で紹介している。

コラムニスト紹介

津田 令子 氏

社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

 

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