日本ホテル協会、食べ残しを持ち帰る「mottECO」勉強会開く 課題整理し宴会やレストランでのさらなる普及目指す
2026年5月18日(月) 配信

日本ホテル協会(䕃山秀一会長)は5月15日(金)、帝国ホテル(東京都千代田区)で食べ残しを持ち帰る食品ロス削減の取り組みを学ぶ「第3回mottECO(モッテコ)勉強会」を開いた。
主催者あいさつで、帝国ホテル会長である日本ホテル協会の定保英弥SDGs委員長は「今回は食品ロスの現状や事例の発表を通じて、課題を整理し、今後の方向性を探る。各社でも課題を整理し、食料廃棄の削減につなげてほしい」と呼び掛けた。
環境省が推進するmottECOは、宿泊施設や飲食店などで食べきれなかった料理を消費者の自己責任で持ち帰る取り組み。同協会は宿泊施設の宴会やレストランなどで提供した食べ残しの持ち帰りの普及を目指している。
環境省資源循環課の村井辰太朗課長補佐はmottECOに取り組む意義や現状を説明。mottECOは事業者、消費者、自治体それぞれにメリットがあるとした。事業者は食べ残しの処理コストの削減や消費者からの評価向上につながる。消費者は購入した料理を食べきることができ、自治体はゴミの焼却費や廃棄の過程で生じる温室効果ガスを削減することができる。

持ち帰ることができる食事については、事業者が検討・決定できるとした。ガイドラインには、①衛生管理計画に従い十分に加熱されている食品②常温での保存が可能な食品③水分量が少ない食品――を明記している。
また、同協会の会員に容器の提供価格の検討も促した。有料の場合、取り組みの継続性が向上する一方、無料での提供は消費者の負担がなく、賛同を得やすい。
事例紹介でははじめに、帝国ホテル総務課SDGs推進の河野愛氏が登壇。同ホテルでは、食の安全のため、消費庁のガイドラインに従い75度以上で1分以上加熱した料理から選定することを決定。具体的には、パンやマカロン、カレー、グラタンなどを対象にした。利用者には再加熱の依頼や消費者の責任で持ち帰ることを案内している。こうした取り組みで2025年11月~26年3月の実績は227件となった。
SHIROYAMA HOTEL kagoshima企画広報部の安川あかね部長は「お客に提供した料理をすべて食べてもらうことを前提としている」と語り、宴会で乾杯後の30分間とお開きの10分前に食事を促す3010運動を実施していることを説明。そのうえで、食べられなかった食事を利用客に持ち帰えってもらっている。
対象の食事は75度以上で加熱した食事で、お品書きに赤字で記載。容器への移し替えは利用客に行ってもらっている。2次会への参加者など帰宅までに時間が掛かるお客には、利用を断っている。
同社では持ち帰りを可能にしたことで、食品ロスのほかに、レストランの回転率も向上したという。
最後に、ホテルメトロポリタンなどを運営する日本ホテルのSDGs担当で日本ホテル協会SDGs委員会の松田秀明委員が「事例を参考にmottECOの導入に向けて検討を進めてほしい。ホテルは今後、環境への配慮がより求められる。日本ホテル協会でもさらなるmottECOの普及を進めていく」とまとめた。







