「今行ける能登」へ 団体向け観光復興進む 朝市再建、空港に飲食店街
2025年11月4日(火) 配信

能登空港(愛称=のと里山空港)へは、羽田空港から最短55分。1日2往復しているので、午前便利用なら、昼ごろには各地に着くアクセスが魅力的だ。空港を管理する石川県では、昨年度下期に首都圏の旅行会社と連携し、能登空港を利用した個人向け「復興応援ツアー」を実施。9~11月の3カ月で目標を上回る約900人が参加した。企画は今年度も拡大・継続している。一方、能登各地では、団体利用できる施設の新設・復活も見られる。11月7、8の両日、「今行ける能登」を訪問した。

能登空港の駐車場内に昨年11月開業した仮設飲食商店街「NOTOMORI(のともり)」は、全国から復旧・復興で訪れる人たちの拠点としての役割を担うなか、今年8月までに約11万3千人が訪れた。施設内には、被災した6つの飲食店が食事を提供するフードコートのほか、コワーキングスペースも完備する。
団体昼食場所が限られるなか、飲食・カフェを合わせて約140席と、貴重な存在だ。中華や和食、地元食材を使った創作料理などを楽しめる。予約・問い合わせはメール(info@noto-mori.jp)で。一方、仕事や打ち合わせのできるコワーキングスペース(全19席、無料、予約不可)は、テーブル、カウンター席のほか4人用個室も。700平方㍍という大空間を生かしたイベントやセミナー開催などの利用(有料)も受け付ける。運営を担う雨風太陽の笹谷将貴さんは「仕事や観光で訪れる方など、幅広く利用してもらいたい」という。
地震による火災で商いの場を失った輪島朝市は、各地へ出張しながら特産品や干物を届ける「出張輪島朝市」を開きながら、昨年7月には地元の商業施設・ワイプラザ輪島店で営業を再開した。野菜や魚介類、輪島塗などを扱う36店舗、農産物の生産者含め48人が出店している。営業時間は午前9時~午後2時。基本、水曜が定休日だが、ショッピングモールが営業しているため店舗に出る組合員も多い。輪島市朝市組合の冨水長毅組合長は、「(この場にも掲げる)出張という名に、元の場所に戻るという思いを込める」一方、その内容は「今まで以上の新しいカタチにしたい」と意気込む。ワイプラザでの営業は27年7月までの期間限定。

輪島と漆器の魅力に触れる体験施設「輪島工房長屋」は、団体(10人以上)向け企画「『輪島をめぐるプラン』とMy箸づくり体験」を提案している。案内スタッフが団体客のバスに乗り込み、輪島朝市周辺(車窓)やNHK連続テレビ小説「まれ」のオブジェ「まれケーキ」、地震による隆起がみられる光浦海岸、豪雨被害が甚大だった塚田川流域(車窓)などをめぐる。
工房長屋で楽しめるのは、輪島塗の絵付け技法「沈金」の体験。輪島塗箸は当日持ち帰り可。所要時間は合わせて約2時間半。料金は1人3000円(大人・子供同額、輪島サイダーの土産付き)。2週間前までに予約(☎0768―23―0011)する。
□「今行ける能登」へ 見て・食べて・楽しんで♪
のと里山空港を使った個人・グループ旅行におすすめのコンテンツと観光事業者の声ををまとめました。






