【HIS・相磯亮氏(飲食事業グループリーダー)に聞く】「海鮮バイキング いろは」夜は団体専用 繁忙期は月20日稼働も
2025年10月25日(土) 配信

エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は2024年2月、東京都江東区の豊洲市場に隣接する「豊洲 千客万来」に、鮮魚を含め約100種の料理などを提供する「海鮮バイキング いろは」をオープンした。団体客へ昼食を用意する施設が減少するなか、同店は豊洲 千客万来内で唯一、団体を受け入れる飲食店として開業。午後5時からは団体客の貸切営業のみ行い、繁忙期は20日程度稼働する月もある。飲食事業グループの相磯亮グループリーダーに詳しい話を聞いた。
――HISが飲食事業にも力を入れようと考えた理由は。
旅行業を主力とする当社はこれまで、ホテルや航空会社などの旅行サービス提供事業者とお客様をつなぐ、いわゆる代理店ビジネスを主軸としていました。
コロナ禍で旅行業が苦境に立たされるなか、収益の多角化や経営の安定化を目指し、新規事業として2020年に埼玉県川越市で蕎麦店を開業しました。
昨年2月には「豊洲 千客万来」の開業と合わせて、「海鮮バイキング いろは」をオープンしました。豊洲市場に隣接する立地を生かすため、海鮮の飲食店としました。
――団体客の受け入れにも力を入れています。
当社が豊洲 千客万来への出店打診を受けたのは22年の冬でした。当時は長期化するコロナ禍によって、「外出を望む声」が高まっていました。観光需要は回復すると考え、団体や個人などあらゆる旅行形態に対応できるよう、準備を進めました。新型コロナウイルスが5類に移行された23年以降、国内旅行が着実に回復したため、観光施設には勝機があると見込みました。
まずは日本人のお客様から支持されることが重要だと考え、商品選定は日本人をターゲットに行っています。流通の過程で多くの小売店では一度冷凍されたマグロが並ぶなか、当店は国産の生の本マグロを提供しています。これによって、冷凍で流れ出るマグロの旨味成分「ドリップ」を防ぐことができ、マグロを食べ慣れた日本人にマグロ本来の美味しさを堪能していただけます。

さらにマグロの解体ショーは市場休業日以外、毎日開催し、エンターテインメント性を高めています。魚介類の多くは豊洲市場から仕入れており、多様な料理のほか、日本酒やビールなどのお酒も用意しています。
現在、日本人のお客様は全体の約8割を占め、訪日客は2割ほどです。また、団体客は全体の3割ほどで、大きな収益源となっています。団体客のシェアは、はとバスのツアー客や、茨城、群馬、栃木、長野、静岡県などの中小旅行会社から送客されたお客様が多く、東京観光の昼食場所として利用されています。
――団体利用を促すための取り組みを教えてください。
長年、旅行会社としてお客様を送客した経験から、利便性を高める工夫として、バスの駐車時間は2時間30分まで無料にするなど、送客しやすい環境を整えています。

当店の60~90分のバイキングだけでなく、豊洲 千客万来内の土産店や豊洲市場の見学など周辺施設を楽しんでいただけます。旅行会社は、移動するごとに必要となるバスの乗車時間や集合時間などの調整業務を省けます。当施設専用のバス駐車場も4台確保しているほか、添乗員用の昼食や全旅クーポンを使用できます。
今年8月には東京ドームシティ店も開業しました。団体を受け入れるため、隣接する東京ドームホテルのエントランスでの乗降の許可を取っています。店内には、最大40人がまとまってお座りいただける席もご用意しています。
――今後の出店計画は。
人の集客が見込める観光地をメインに、今後の計画を検討していきます。その際は海鮮も含め、鉄板焼きなどあらゆる業態で、地域のコンセプトに合った店舗にできればと考えています。団体の受け入れも視野に入れています。
――旅行会社へのメッセージをお願いします。
東京では、再開発が進み、豊洲 千客万来をはじめ、虎ノ門ヒルズや麻布台ヒルズなど新しい施設が次々に誕生します。東京へのツアーを企画する際には、「海鮮バイキング いろは」を選択肢の一つに入れていただければと思います。精一杯おもてなしいたします。
――ありがとうございました。




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HISの加治木宏本部長、大勢待利明市長、嶋田俊平さとゆめCEO兼沿線まるごと社長、沿線まるごとの田治米-伸康取締役-120x120.jpg)
