津田令子の「味のある街」「スフレパンケーキ」――スフレファクトリー(東京都練馬区)
2025年6月5日(木) 配信

昨年8月31日に開業した江古田スフレファクトリーは、江古田駅北口から徒歩1分というアクセスの良さも手伝って、ふんわりトロトロのスフレパンケーキをお目当てにやってくる人で賑わいをみせている。西武池袋線で池袋から3つ目のこの街は、学生が多く賑やかで昔ながらの下町のような雰囲気もあって暮らしやすい人気の街だ。
この店のウリは米粉のスフレパンケーキで“ふわふわ食感”を楽しむこと。素朴でどこか懐かしいプレーンやストロベリーにチョコ、抹茶などのスイーツ系のほかに、お食事系もそろいバラエティー豊かだ。「生地に白身のメレンゲを入れていますから時間が経つとしぼんでしまいますので、とにかく、焼き立てのふわふわの状態を召し上がっていただければと思います」と、オーナーはおっしゃる。テイクアウトも可能なので、先日も持って帰って、ふわトロなそれを、家族といただいたばかりだ。
1階は、カウンターとキッチン。店内に一歩入ると香ばしい香りに包まれる。白を基調とした2階の客席は窓が大きくゴージャスでとにかく明るい。9テーブルあり席数もたっぷりだ。オーナーの前職は物流会社を経営していたという。日々、多忙を極めていたが病気を経験したことで、「もっと自分の時間を大切にしたい」と会社を売却。導き出した業種がカフェだったという。「何か新しいことをやりたい、人に喜んでもらえる商品を出したいと思い、スフレパンケーキのお店を開くことにしました」と語る。
スフレとはフランス語で「膨らんだ」という意味。空気をたっぷり含んだメレンゲを生地に合わせて作る“ふわふわ”食感は、焼き立てだからこそ味わえる、鮮度が命のスイーツだ。パンケーキの生地は軽く、口に運べばたまごの豊かなコクが広がる。ほんのり甘い生地と、生クリームのまろやかさ、フルーツの爽やかな酸味が相性抜群なのだ。
オーナーの心意気を感じられるスフレパンケーキカフェ。アイデアと想いのこもった優しく膨らんだスフレパンケーキ。江古田の名物になる日も近そうだ。
(トラベルキャスター)
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。