訪日客を地方誘客へ、体験重視や少人数旅行に訴求(JNTO)
2025年5月1日(木)配信

日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)は4月23日(水)に開いた会見で、地方誘客の強化に向けた取り組みについて紹介した。JNTOの出口まきゆ理事は、最近の訪日外国人旅行者の傾向として①体験重視②少人数旅行③地方志向――の3つを挙げ、これらを切り口に地方体験の訴求に注力していく考えを示した。
体験重視(コト消費)としては、日本ならではの体験や地域の人とのふれあいを求める傾向が多いと説明した。海外の旅行会社やメディアを招請した際、Snow(雪)やサステナブルな旅行、日本ならではの食や工芸、非日常の体験、健康意識などの地方体験が好評だったと報告した。
訪日客の旅行形態も変化が進み、個人やグループ旅行、家族旅行、FIT(海外個人旅行)などの少人数旅行が増加傾向にあると説明。オンライン旅行会社(OTA)経由の予約も伸長していることから、送客強化地域を選定し、OTAと連携した地方部への送客や販売を促進する取り組みを行ったと報告した。
地方志向に向けては、25年秋ごろに海外の旅行会社やメディアを招き、地方体験と商談会を行う「アドベンチャーウイーク」を東北で開催する。このほか、地方志向を踏まえてJNTOのSNSやグローバルサイト、ニュースレターを活用して情報発信を実施する。
出口理事は、地方誘客に向けた2025年度の方針について「戦略的な訪日マーケティングとして、航空会社との連携やアジアにおける大規模キャンペーンのほか、高付加価値旅行、アドベンチャートラベルなどを推進する。それを受けとめるための国内関係者との連携強化、国際会議やインセンティブ旅行の誘致に取り組んでいく」と語った。