サービス連合、最高となる6%賃金改善要求 産業間格差埋め、選ばれる業界へ
2025年1月21日(火) 配信

サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(櫻田あすか会長)は1月20日(月)に会見を開き、2024年秋闘の結果と25年春闘の方針を発表した。25年春闘では、定期昇給分2%と、過去最高になるベースアップ分4%を合わせた6%の賃金改善を要求する。持続的な賃上げの実現に向けた正念場として、交渉に臨む。
櫻田会長は「(人手不足のなか)働く人から選ばれる業界になるため、産業間の格差を埋めていく」と強調。さらに、労働時間の短縮やハラスメントの撲滅、ジェンダー平等、勤務間インターバル制度の導入も求めていく方針を示し、「総合的な労働条件の改善に取り組む」と語った。
定昇制度のない組合は、ベースアップで6%を求める。パートや契約社員は平均賃金の5%分の昇給を要求する。
また、すべての加盟組合は年間4.0カ月の一時金を求めていく。
労働条件については、総実労働時間を1800時間、1日の所定時間を7時間30分以内、1カ月の時間外労働を45時間以内にすることも目指す。
ジェンダー平等社会の実現に向けて、3歳以上小学校3年生までの子供を育てている従業員が始業時間の変更やテレワーク、短時間勤務、新たな休暇を取得できるよう、協議していく。
労働者をカスタマーハラスメントから守るため、対策マニュアルや相談窓口の設置なども目指す。
同連合は今後、6%の賃金改善や総労働時間の短縮の実現をはかるため、国会のほか日本旅行業協会や全日本ホテル連盟などの業界団体に協力を要請する。
また櫻田会長は引き続き、労働条件の向上に向けた組織拡大にも取り組む方針を示した。厚生労働省の調査結果を踏まえたうえで、「労働組合のある企業の方が、賃金をより改善できている」と話した。
24年6月30日現在の組合員数は前年同日比871人増の4万3人。同連合が未組織企業を訪問し、組織化につなげた。
24年秋闘で、昨年12月16日までに集計できた80組合の冬期一時金支給月数の単純平均は、前年同季期比0.02カ月増の1.57カ月だった。このうちホテル・レジャー業の48組合は、同0.10カ月増の1.47カ月。ツーリズムは同0.12カ月減の1.51カ月となった。
櫻田会長は「人手不足の解消に向けて労使で認識を共有できた」と説明した。