test

HIS、総取扱高1兆円へ 次期中期経営計画(2027~30年度)を発表

2026年6月15日
編集部:木下 裕斗

2026年6月15日(月) 配信

澤田秀太社長

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀太社長)は6月12日(金)、次期中期経営計画(2027~30年度)を発表した。BEYONDをテーマに主力の旅行業のさらなる成長をはかりながら、新たな事業の柱を創出し、過去最高となる総取扱高1兆円、営業利益250億円を目指す。

 同日に開いた会見で、澤田社長は「コロナ禍や中東情勢など外部環境の変化を大きく受ける旅行事業のみに注力していくリスクは高い。基盤が強固である今、新しい柱を創出する必要がある」と説明した。

 中期経営計画では事業を収益や成長率に応じて、コア、ネクストコア、グロースの3つの領域に再配分。コアの人員と資金をネクストコアとグロースに投資することで、次世代の柱を創出していく。

 コア領域はビジネスモデルの高度化と生産性向上を追求し、確固たるナンバーワンポジションと収益基盤を築き上げることを目標に、日本人向け旅行事業や海外拠点における日本人受客、保険事業などを設定した。

 このうち、日本発の海外個人旅行については、OTAの台頭や航空会社、宿泊施設の直販化が進んでいることを受け、自社の現地支店による旅先でのトラブルや追加手配への対応による快適な旅行の提供や、次の旅への提案などを行い、従来型の旅行会社を含めた競合他社との優位性の構築をはかる。

 また、AIの普及によって旅行会社のコアバリューである「提案・コンサルティング」が代替されることが指摘されるなか、人ならではのホスピタリティや、イレギュラー時のサポートなどを実施することで、AIとの差別化もはかる。

 ネクストコアは高い収益成長率で、次世代の柱へと躍進させる領域。訪日旅行や海外発のグローバル旅行、ホテル事業、法人事業などを配分した。

 グローバル旅行者向けの受入拠点を、現行の24拠点から50拠点へ拡大する。ホテル事業は、時間帯無人オペレーションや予約・事務の遠隔化による接客サービスへの特化をはかることで、固定費を圧縮し、高水準の利益率を追求する。法人事業では、公務MICEや事務局運営、国際交流など全方位的な地方創生を担うことで、取引自治体数を現在の300自治体から1000自治体へ拡大させる。

 グロースでは未来に向けた事業の芽を育て、市場を開拓していく。飲食や通信などの新規事業、人材派遣、金融などを配分した。投資額は現在の50億円から100億円に増額する。飲食事業は、グループ連携による旅の目的地化をはかる。人材派遣事業は現地法人を活用し、宿泊や航空など新しい分野へ参入する。

 すべての領域に共通する人事戦略として、同社は労働人口の減少を踏まえ、従来モデルの「人を増やして売上を伸ばす」から変革し、「AI・テクノロジーと人との協業による事業推進」をはかり、生産性向上をはかる。

 澤田社長は「我われのオリジナリティを磨き、売上と利益率を上げていく。成果を出すことを重視し、グループ全体で大きな成長を続ける」と力を込めた。

第2四半期は増収減益 中東情勢で業績予想を下方修正

 同日には、2026年10月期第2四半期(25年11月~26年4月)連結決算も発表された。売上高は、前年同期比6.5%増の1931億3200万円を計上した。営業利益は同4.1%減の64億4800万円、経常利益は同9.9%減の61億9700万円、当期純利益は同21.0%減の30億円と増収減益となった。

 中東情勢による燃油サーチャージ引き上げ前に航空券の駆け込み需要を取り込み売上高が増加した一方、中東乗り継ぎ便を利用するツアーの中止や円安の影響を受け減益となった。

 旅行事業は、売上高が同6.2%増の1588億8000万円、営業利益は同15.3%減の47億4700万円。春休み期間など送客数の多い3月とゴールデンウイークを含む4月にドバイやドーハなどで飛行機を乗り継ぐツアーの催行を中止した。これによって、欧州、トルコ、エジプトを中心したツアーのキャンセルの発生と新規予約が鈍化した。

 ホテル事業は好調な訪日需要を取り込んだことによる高稼働とコラボレーションルームが単価を押し上げた。この結果、売上高は同11.7%増の138億6100万円、営業利益は同29.6%増の24億8800万円となった。

 26年度通期は、中東情勢の緊迫長期化と燃油サーチャージの高騰による新規予約の鈍化のほか、グアムリーフホテル(アメリカ・グアム)の土地のリース契約を解約し、購入するため特別損失を計上することから、連結業績予想を下方修正した。売上高を当初予想の4200億円から6.0%減の3950億円の減収を予想。営業利益は140億円から14.3%減の120億円。経常利益は140億円から17.9%減の250億円。当期純損益は90億円の利益から100億円の損失を見込む。

 下半期は中東ルートを避けた欧州ツアーを拡充し、メインターゲットであるシニア層に加え、富裕層へのアプローチを強化する。営業利益は下半期に同13.9%増を目指し、通期で3.1%減を見込んでいる。

 ホテル事業では各施設のサービスの差別化とコラボルームの拡大で客室単価の向上をはかる。営業利益は同16.1%増を予想する。

 澤田社長は「日本人の利用客は復調傾向にある。今後、お客様に選ばれるよう、市場シェアの拡大を目指す」と意気込みを述べた。

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。