HIS第2四半期連結 主力の海旅回復で増収増益 営業益22%増の67億円に
2025年6月17日(火) 配信
エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)が6月13日(金)に発表した、2025年10月期第2四半期(24年11月~25年4月)連結決算の売上高は、前年同期比12・7%増の1813億1300万円を計上した。営業利益は同21・6%増の67億2100万円、経常利益は同17・8%増の68億8100万円、当期純利益は同4・1%増の37億9800万円と増収増益となった。
主力の海外旅行事業で利益率の高い添乗員付きの欧州旅行が好調に推移したほか、国内のホテルにおいて訪日客の受客を中心に高稼働が継続し、客室単価の上昇につながった。
旅行事業は、売上高が同13・9%増の1495億5800万円、営業利益は同18・9%増の56億700万円。欧州方面の添乗員付きツアーを先行的に強化したことや、価格を重視するニーズの高まりに対応した海外の航空券とホテル手配の新ブランド「AirZ」の販売に注力したことで、年末年始や春休みなどの繁忙期の集客が奏功した。
ホテル事業は、大阪・関西万博のキャラクター「ミャクミャク」などとコラボレーションしたコンセプトルームを複数企画するなど、より広い消費者層の認知を高め収益を積み上げた。この結果、売上高は同8・2%増の124億500万円、営業利益は同8・4%増の19億2000万円となった。
25年度通期は、夏休み期間である第4四半期(8~10月)の業績の比重が高いことと、国際情勢の不安定さを踏まえ、3月に発表した予想を据え置いた。
下半期は8~9月出発の集客を強化するため、スーパーサマーセル!を実施。7~9月の海外旅行取扱高は同16%増と好調に推移。コロナ禍前の19年比で9割程度まで回復した。方面別では、ヨーロッパ・中近東・アフリカが前年同期比33%増と大幅に伸びている。また、新たな旅の目的地を開拓するため、日本の旅行会社として初めて、サウジアラビア第2の都市ジェッダへの支店設置を計画している。
ホテル事業では変なホテルの最上位ブランド「プレミア」を全国に展開し、客室単価の向上をはかる。
矢田社長は「日本人の海外渡航者数はコロナ禍前の19年比の7割程度で推移している。海外旅行事業は今後も伸び代がある」との考えを示した。今後の日本人の海外旅行者数の増加に向けて、「パスポート取得率は、台湾や韓国では4~5割程度。英国では100%に近い一方で、日本は17%と低いことが大きな課題。開催中の大阪・関西万博が海外に目を向けてもらう場になることを期待している」と語った。