「持続可能な観光立国の実現に向けて」 日本観光振興協会が国に提言と要望を提出
2025年6月27日(金) 配信

日本観光振興協会(菰田正信会長)は6月27日(金)、国土交通大臣宛てに「持続可能な観光立国の実現に向けて(地域と観光産業が抱える課題解決への提言と要望)~2030年訪日外国人旅行者6000万人、訪日外国人旅行消費額15兆円達成を目指して~」と題した提言書を提出した。同日、日観振の最明仁理事長と長谷川豊副理事長が国土交通省を訪問し、最明理事長が国定勇人国土交通大臣政務官に手交した。
提言では観光産業を基幹産業として確立すべく、産官学が一丸となって課題に取り組むことが必要だと明記。度重なる自然災害や感染症など非常時には観光産業の果たす役割が大きいことも主張したうえで、情報発信・広報は政府もより積極的に関与し、災害地域の早期復旧や息の長い復興支援を求めた。
重点ポイントは①新しい技術や人材の投入、投資などについては地域優先とした、地域観光の基盤整備の維持・強化②DMOの位置づけを確固たるものとし、DMOの活動を活性化させるための施策を推進③観光の意義について国民的理解の醸成をはかり、観光の価値を向上させるとともに地域住民生活と調和した観光産業の持続的発展に向けた人材の確保、育成と観光地域づくり体制の強化――の3点。
表敬訪問後の取材で、最明理事長は提言書手交時の国定政務官のようすについて、「前向きに捉えていただいた」と好感触だったことを明かした。国定政務官は新潟県三条市の市長の経歴もあることから、地方での観光産業の人材育成、住民理解、DMOの重要性などについて談義を重ねたという。
今後、日観振は現在政府が検討中の「第5次観光立国推進基本計画」に向けた提言も提出する予定。最明理事長は「26年からの5年間は観光産業が自ら立つために重要な5年間だと捉えている」と所感を述べ、今回の提言からより具体化した内容を盛り込んでいく。提出時期は夏以降になる見通し。