test

サイクリングで安来満喫 今秋開始ツアーを体験

2022年12月27日
関西支社:土橋 孝秀

2022年12月27日(火) 配信

安来駅を元気よくスタート

 島根県安来(やすぎ)市の安来市観光協会は今秋、自転車で観光スポットを巡りながら、昼食や体験メニューを楽しむ日帰りのサイクリングツアーを始めた。実際にツアーに参加し、安来サイクリングの魅力を取材した。

【関西支社・土橋孝秀】

のどかな田園風景の中を走る

 ツアーは、「サイクルナビゲーターとめぐる安来ぶらりチャリ」と題し、10月8日から11月27日にかけて、4コースで計5回催行した。JR安来駅を起点に、ガイド役が観光スポットなどを案内しながら、参加者と地元の人との交流を促した。

 これとは別に、島根県主催で同協会が企画・運営した「水鳥観察&和鋼博物館・雲樹寺サイクリングモニターツアー」も11月12、20日に実施した。筆者はこのツアーの12日催行分に参加し、安来でのサイクリングを楽しんだ。

 駅隣接の観光交流プラザで環境保全に関する事前レクチャーを受けたあと、安来節の「あらエッサッサー!」の掛け声とともに駅前をスタート。コースはアップダウンがほぼない約20㌔。スポーツタイプの電動自転車のおかげで楽々と走行でき、のんびりと周囲の風景を楽しむ余裕がある。

和鋼博物館

 まずは駅からすぐのところにある、たたらの総合博物館「和鋼(わこう)博物館」へ。ここには日本遺産に認定されている日本古来の製鉄法「たたら」に関する資料が多数展示されている。スタッフによる丁寧な案内があり、たたら製鉄の仕組みや歴史がよく分かった。

 たたら製鉄で作られる鉄のなかでも純度の高い部分を「玉鋼(たまはがね)」と呼び、日本刀の素材となる。同館には本物の日本刀を実際に手にし、記念撮影できるコーナーもある。

 エントランスにある安来鋼「ヤスキハガネ」製刃物専門店「守谷宗光」の直営店も見逃せない。筆者は錆びに強いヤスキハガネ銀紙3号を使用した三徳包丁を購入。自宅で柵のサーモンを切ったところ、切り口がスパっと立つ切れ味に驚いた。

包丁がずらりと並ぶ

 その後、コハクチョウを観賞するため能義平野に向かう。水鳥が生息する貴重な湿地として、ラムサール条約湿地に登録されている「宍道湖・中海」の周辺には、例年11月から翌年3月にかけて、コハクチョウが飛来する。

コハクチョウの優美な姿

 最盛期に比べると少ないそうだが、たくさんのコハクチョウが田んぼで落ち穂をついばむ姿が見えた。現場では日本野鳥の会島根県支部の櫛田一夫さんが「北極に近いツンドラ地帯で繁殖し、ここまで飛んでくる。ここでは、コハクチョウがほとんどだが1%以下の確立でオオハクチョウが混じることもある」と生態を紹介してくれた。

 昼食は臨済宗妙心寺派の古刹・雲樹寺(うんじゅじ)で、地の食材を使った弁当と寺特製の豚汁を味わい、空腹を満たした。

 午後は伯太川沿いのサイクリングロードを走り、安来駅に戻った。道中、参加していた母娘親子の会話が聞こえてきた。「景色が綺麗で、あんたと会話もできて、最高です」。ふと思った。このツアーは家族や恋人など大切な誰かと参加するのが良いのではないか。日常のストレスから解放されることで、焚火をしているときのように誰かと話したくなるのだ。

 サイクリングツアーは春から新シーズンを迎える。同協会の門脇修二事務局長は「立ち寄り先を増やすなど内容をブラッシュアップして、安来ファンをつくっていきたい」と意気込む。

取材体験記~番外編~

■精進料理

精進料理

 厄除けの名所として知られ、安来市内有数の観光スポットでもある清水寺境内には精進料理を提供する宿や食事処が3カ所ある。そのうちの1つ、食事処「清水茶屋ゆう心」で、精進料理を食べた。豆腐などで作る「精進うなぎ蒲焼」や胡麻豆腐をおいしくいただいた。

 いちごの木△

いちごの木△

 安来市は県内最大のイチゴ産地。同市荒島にあるビニールハウスを活用した直売所「いちごの木△」では、Iターンした神戸出身のオーナーが手塩にかけたイチゴが販売されている。ハウスの中は、オーナーのこだわりが随所に光るオシャレな空間。ドリンクも販売し、「眠り姫MILK」(いちごミルク)は、フレッシュなイチゴがゴロゴロ入り、イチゴの甘味が口の中に広がった。

 さぎの湯温泉夢ランドしらさぎ

 日帰りの温泉やプール、レストランのほか、宿泊もできる。足立美術館にも近く、安来観光の宿泊に便利だ。今回こちらに宿泊し、「島根和牛」「のどぐろ」「カニ」の会席料理に舌鼓を打った。

 特急やくも

 JR西日本が岡山―出雲市(島根県)間で運行する。今回は岡山から安来までグリーン車を利用した。グリーン車両は1列+2列の余裕ある配席。「やくも」は山間を抜けて走行するため、“アグレッシブな乗り心地”と、もっぱら評判だが、広々とした座席のおかげで疲労はほとんどなかった。現在、一部列車では、昔懐かしいクリーム色と赤色の「国鉄色」に塗り替えたリバイバル運転も実施している。

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。