test

梵まる、千葉に一棟貸し宿 非日常空間で特別な日常を提供 「地域とニーズ応え共に成長」

2022年11月23日
編集部:木下 裕斗

2022年11月23日(水) 配信

BONーMAL ZENの外観

 梵まる(大串哲史社長、千葉県鴨川市)は2022年5月、鴨川市内に一棟貸しの宿泊施設「BON―MAL ZEN」と「BON―MAL TREE」オープンした。両施設のコンセプトは「非日常的な空間で特別な日常を提供する」。地域への貢献も目標に掲げるため、宿に必要なものはすべて地元企業を優先して取り入れた。用意できない場合は一流の品を備えたという。同市での経営は初となる大串社長は「宿泊客のあらゆるニーズに応えるため、地域の力も借りながら、共に成長したい」と語る。

【木下 裕斗】

大串哲史社長

 BON―MAL ZENは、別荘として利用されていた一軒家を宿泊施設に改修した。テーマは「原風景を見渡せる高台で」。高台に建ち、山や畑などからなる原風景に加え、海も眺めることができる。定員は5人。建物面積は75平方㍍。

 内装は土間ダイニングと和室、寝室、バスルームで構成する。土間ダイニングの冷蔵庫には、ビールを用意。依頼があれば唎酒師が選んだ地酒も提供する。大串社長は「お酒を楽しみながら、語らう大人の時間を楽しんでほしい」と語る。

 また、寝室にはベッドを2台設置した。和室では布団を3枚まで敷くことができる。

 風呂は縦と横それぞれ約2㍍のガラス窓で囲い、窓とカーテンを開ければ、半露天風呂として楽しめる。このことから、同社の並木優子執行役員は「鳥の声に耳を傾けながら、都会暮らしで疲れた五感を整えてほしい」とアピールする。

半露天風呂から原風景を望める

 客室内にはIHキッチンのほか、鍋やフライパンなどの調理道具、食器、冷凍冷蔵庫、ビールサーバー、薪ストーブなどを備えた。アメニティはボディソープやシャンプーなどに加え、歯ブラシセットや使い捨てスリッパ、ナイトガウンを用意。「品質は東京のシティホテルと同等」(並木執行役員)という。

並木優子執行役員

 夕食はすべて地域の事業者が提供する金目鯛の塩焼きや、かずさ和牛の陶板焼き、お刺身盛り合わせなどのデリバリーセットをそろえる。

 利用者はさまざまだが、以前別荘を持っていたという人が毎月予約し、別荘の代わりに利用しているという。

 宿泊料は月~木曜日と日曜は7万7000円。金~土曜日と祝前日は8万8000円。いずれも税込。

 BON―MAL TREEは住宅を宿に改修。ドッグランを併設した。テーマは「緑の風の交わる場所で」。犬が歩きやすいよう、動物病院の看護師が監修し、滑りにくいペット専用フローリングを採用したほか、客室面積の半分以上を占める洋室と寝室は段差をなくした。ペット用の餌台、トイレのほか、除菌シートと消臭剤も置いている。

BON―MAL TREEの外観

 「夜は満天の星を楽しめる」(並木執行役員)ことから、望遠鏡も設置した。

段差をなくした洋室

 また、ウッドデッキには、グリルや屋外用のテーブルやイスなどのバーベキュー設備も備える。このため、食事はバーベキュー用に地元のジビエを含めたBBQセットを用意。イノシシの肉や地元の野菜が味わえる鍋のセットも提供する。

 建物の面積は約42平方㍍。定員は4人。料金は月~木と日曜日が6万6000円、金―土曜と祝前日は7万7000円。すべて税込となる。

 施設へのチェックインは、車で約15分の場所にある同社の飲食店 BON―MAL PUDDING内の宿泊者専用ルームで行う。利用客は地元の牛乳や卵で作られた保存料と防腐剤を使用しないプリンを食べながら、氏名や住所などを宿泊者名簿に記入後、宿泊場所を記した地図をもらい、自ら移動する。

チェックインを行う専用ルーム

 ZENの道中には鴨川の地形を生かした棚田を抜けていくことから、「美しい景色が見える」(並木執行役員)という。チェックアウトはPUDDINGへの電話で退室することを伝え、完了する。

提供されるプリン

極力NO言わない 宿泊前の期待超える

 施設の予約は直販のほかに、じゃらんやReluxなどのOTA(オンライン旅行会社)で受ける。一人ひとりのニーズに沿うサービスを提供しようと、事前にメールや電話などで滞在中に加え、宿泊前後に行いたいことを聞き、応えている。

 お客からのメールの内容から宿とのコミュニケーションを求めず、静かに過ごしたい希望にも配慮する。そのうえで、大串社長は「今は顧客のニーズを知りたいので、要望には極力NOと言わないようにしている」と話す。

 具体的にはチェックイン後にサーフィン体験を望んだお客に、チェックアウト日に初心者向け教室の予約を行った。さらに、「犬の写真を海で撮りたい声が多い」(並木執行役員)ことを受け、SNS映えする海岸や、近隣の観光地にある複数の駐車場から比較的空いている場所など、地域に住むスタッフだからこそ知っている情報を紹介することができる。

 これらは地域に住むスタッフの知人が経営する会社を紹介したり、地域の行事に参加したりして、梵まると地元企業の関係を構築してきたことを生かしている。

 大串社長は「自社でお客様の要望をすべて満たすサービスを用意するのは、時間も費用も掛かるが、一部を自社で提供しないことで、地元企業に送客でき、活性化に貢献することができる」と語る。

 このほかにも同社では食事や、客室内の備品、庭の手入れなどは地元を優先して、依頼している。地域で用意できない場合は、「一流のものを提供し、地域に理解してほしい」との考えから、ZENでは、九州を拠点にする職人が手作りした高級なテーブルを採用した。ベッドは宮大工が製作。さらに、理美容業界でも高級品というドライヤーを備えた。

九州の職人が手作りしたテーブル(手前)と和室(奥)

 2023年の夏にはBON―MAL HOLIDAYをオープンする予定だ。ZENとTREEが山や緑をコンセプトにしたため、今後は親子3世代の需要の取り込みを視野に、海へ歩いて行ける物件を新築し、最大収容人数を7人に設定する。

 また、今後2~3年間は、お客のニーズを把握し、不要な提供サービスを削り、経費を下げることで、利益を増やしていく方針だ。

 大串社長は「(お客に)地域の魅力を紹介しながら、いつか梵まるに泊まってみたいと思われる宿に成長させたい」と語る。

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。