JTB時刻表100年誌、12月16日に発売(JTBパブリッシング)

2025年10月14日(火) 配信

表紙イメージ

 JTBパブリッシング(盛崎宏行社長、東京都江東区)は12月16日(火)、創刊100周年を迎えた「JTB時刻表」の歴史を紐解く、記念書籍「JTB時刻表100年誌」を売り出す。鉄道の日である10月14日(火)から予約受付を開始した。

 JTB時刻表は1925(大正14)年に創刊し、2025(令和7)年4月号で創刊100周年を迎えた。同書は、JTB時刻表の100年にわたる時刻表の歩みを通して、日本の鉄道史や観光の発展、人々の暮らしの変化を振り返る一冊。100年におよぶ表紙デザインのほか、路線図、列車編成表など、時刻表に掲載されてきた多彩な情報を時代背景とともに丁寧に紹介する。

 さらに、制作の舞台裏や、関係者・愛読者の声も収録し、単なる交通案内を超えた「文化としての時刻表」の魅力を伝える。時刻表・鉄道ファンはもちろん、昭和、平成、令和の日本を振り返りたいすべての人に贈る、時刻表から読み解く100年の記録とした。

 定価は税込7700円。B5判、304ページ。全国の書店、ネット書店で販売する。

日観振、第5次観光立国基本計画に向けて提言 「観光の持続的成長を目指して」

2025年10月14日(火) 配信

 

 日本観光振興協会(菰田正信会長)はこのほど、提言「観光の持続的成長を目指して~第5次観光立国推進基本計画策定に向けて~」を公表した。政府が2030年目標に向けて、「第5次観光立国推進基本計画」を策定中であることから、会員からの意見をとりまとめた。観光産業が自動車産業に次ぐ「第二の輸出産業」として、重要な経済基盤へと成長を遂げるなか、次期の観光基本計画では、量から質への転換のさらなる推進による「持続的成長」と「稼ぐ力」の両立をはかることが求められると訴えた。

 観光産業は、国内旅行需要の拡大と海外旅行促進による均衡のとれた双方向交流の実現や、観光客を受入れる地域・住民の理解醸成、インバウンドの急拡大に伴い顕在化しているオーバーツーリズムやマナー違反といった課題解決に取り組むことで、基盤産業としての地位を確固たるものにし、我が国の経済成長に貢献することが期待されていると言及。観光庁には観光戦略を統括する司令塔として強いリーダーシップを発揮することを求めたうえで、「当協会としても、本提言の実現に向け関係各所へ働きかけを行いながら、今後も観光振興に取り組んでいく」とした。

 提言の骨子は①国内外への観光需要拡大②自律的観光の推進(観光まちづくり、観光地経営の確立、人材確保と育成・活用及びオーバーツーリズム対策)③観光財源の安定的な確保と観光消費拡大④観光の持続的成長に向けた取組・国際競争力の強化――の4つ。

日本橋・室町テラスで台湾を体感 10月18、19日に台湾イベント開催

2025年10月14日(火) 配信

「ビビビビ!台湾-最愛台湾紀行-」

 台湾観光庁(台湾交通部観光署)は10月18日(土)と19日(日)に、東京・日本橋の「COREDO室町テラス」で台湾を体感できるイベント「ビビビビ!台湾-最愛台湾紀行-」を開く。台湾茶の試飲や占い体験、キーホルダー作りができるワークショップなど、台湾の“偏愛ポイント”を集めたコンテンツが並ぶ。

 台湾観光庁は2年連続で俳優の妻夫木聡さんをアンバサダーに起用。今年は「最愛台湾紀行」をテーマに新CMを撮影し、魅力を発信しているところ。さらに多くの日本人に台湾を五感してもらいたいと、今回はイベントを企画した。

 おもなプログラムとしては、「偏愛・台湾茶芸館」として、台湾産茶葉を使った鉄観音や紅茶、屋台定番のグルメなどが試食できる。「偏愛・台湾ワークショップ」では、台湾グルメの「パイナップルケーキ」や「小籠包」の食品サンプル作り体験を用意する。また、「偏愛・台湾写真館」では、台湾に旅行した気分でポスター風の記念撮影を行い、撮影した写真は持ち帰れるという。

 なお、一部のプログラムは公式SNSのフォーローが必要。開催時間は両日とも正午~午後8時まで。

クラブツーリズム、最上級の銀座サロン 銀座通り沿いに移転<ロイヤル・グランステージ 銀座サロン>

2025年10月14日(火) 配信

新店舗の内装

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都江東区)は10月15日(水)、「ロイヤル・グランステージ 銀座サロン」を移転し、リニューアルオープンする。新住所は東京都中央区銀座1―8―14銀座YOMIKOビル7階。銀座通りに面したビルは、2面ガラス張りで採光性に優れ、ホテルのロビーを思わせるようなくつろぎの空間を提供する。

 「ロイヤル・グランステージ」は、同社の最上級ブランドとして、上質な宿泊施設や旬の料理、四季折々の美しい景色を楽しめる「大人の本物志向」の旅を提案している。銀座サロンでは、特別な顧客向けのイベントや海外旅行説明会、同サロン出発のまちあるきツアーなどを紹介する。

 営業時間は電話が午前9時15分~午後5時30分 (日曜・祝日休業)、サロンが午前10時~午後5時(土、日曜と祝日休業)。電話番号は移転に伴う変更はなく、03(4335)6240。

 なお、リニューアルオープンを記念した特別イベントを用意する。11月20日(木)、12月9日(火)に講座「著名人に愛された箱根『富士屋ホテル』の魅力」(参加無料)、12月17日(水)にイベント「添乗員がおすすめする春の旅と二胡のメロディー」(参加費1000円)など。詳細は同社公式サイトから

酒造施設の見学特集「大人の工場見学」をオープン 埼玉県物産観光協会

2025年10月14日(火) 配信

大人の工場見学

 埼玉県物産観光協会(朝霧重治会長)はこのほど、埼玉県公式観光サイトに設置している、工場見学を紹介する特設ページ「埼玉工場探検隊」内で、酒造会社の施設見学を特集したコンテンツ「お酒の秘密を探る 大人の工場見学」をオープンした。

 県内には日本酒やワイン、ウィスキーをはじめ、ビールやクラフトジンなど多彩な酒造メーカーがあるという。同特集では、これらの酒の製造工程を見学できる施設とその周辺のおすすめスポットを紹介する。

 同協会は「職人の技や原材料へのこだわり、香りの移ろい、時の流れを感じながら、一杯のお酒が生まれるまでの物語を見て、学んで、味わえる“お酒の秘密を探る 大人の工場見学”へ、ぜひ足を運んでみませんか」と呼び掛けている。

野村総研とNAA、土産販売するロボット設置 3タミ国内線エリアに

2025年10月14日(火) 配信

ピックルストア

 野村総合研究所(NRI、柳澤花芽社長、東京都千代田区)と成田国際空港(NAA、藤井直樹社長)は12月15日(月)まで、成田空港第3ターミナルの国内線保安検査後エリアの173番ゲート付近で 、土産を無人販売するロボットシステム「Pickru Store®(ピックルストア)」を展開している。 

 ピックルストアでは、利用客が店舗前のタッチパネルで選択・決済した商品を移動ロボットがピックアップし、受け渡しボックスまで届ける。

 NRIは、深刻化する人手不足に向けた解決策の一手として、ロボットシステムの開発やサービス提供時の実践的なノウハウの蓄積を目指す。NAAでは、人手不足などにより業務の効率化が課題となっているなか、他社との共創によるイノベーションの新たな取り組みに挑戦。新しい旅客体験価値の創造もはかる。

 今回は、土産としてニーズの高い菓子を搭乗ゲート付近で販売することで、利用者の満足度向上を目指す。営業時間は午前10時~午後6時。

福岡県・香春町に11月7日コンテナホテル開業 デベロップ、町と災害協定を締結へ

2025年10月14日(火) 配信

「HOTEL R9 The Yard 田川香春」外観

 デベロップ(岡村健史社長、千葉県市川市)は11月7日(金)、福岡県・香春町にコンテナホテル「HOTEL R9 The Yard 田川香春」(福岡県田川郡香春町香春1085-1)をオープンする。「HOTEL R9 The Yard(ホテルアールナインザヤード)」シリーズとしては全国で117店舗目となる。開業に先立ち、前日の10月28日(火)には、香春町(鶴我繁和町長)とレスキューホテルの出動に係る災害協定を締結する予定。

 福岡県内では6店舗目となる「HOTEL R9 The Yard 田川香春」は、東九州自動車道「行橋IC」から車で約20分の国道201号沿いに位置する。車で10分圏内には工場が点在し、同町が属する筑豊地域内には多数の産業団地があることから、出張などのビジネス利用に最適とアピールする。徒歩圏内には飲食店が複数あるほか、車で約5分でコンビニエンスストアやスーパーにも行くことができる。周辺の観光、レジャースポットとしては、「香春岳(三ノ岳)」や「呉ダム渓流公園」、「香春神社」などがある。

 また、同ホテルは有事には被災地に移設することができ、「レスキューホテル」として避難施設の役割を担う。同社はホテルを開業する先の自治体と災害協定を結んでおり、災害に強いまちづくりに寄与することを目指している。

 今回は香春町と協定を締結することで、有事の際には町に客室を提供することが可能になる。同社は「協定の締結を機に、同町と連携しながら協力体制を構築することで、地域に根差したホテル運営に努めていく」としている。

 「HOTEL R9 The Yard 田川香春」の客室数は43室。ダブルルームは1人6200円~、2人8700円~。ツインルームは1人6200円~、2人9700円~。予約は10月31日(金)の午後3時から受付を開始する。

【旅行新聞 創刊50周年メッセージ】 国際観光施設協会 会長 浅野 一行 氏

2025年10月14日(火) 配信

 本紙は今年、創刊50周年を迎えた。共に歩みを重ねてきた観光関係団体や提携紙のトップから、これまでの労いや今後への期待を込めたメッセージをお寄せいただいた。順不同で紹介する。

                    ◇

業界を報道力でリード

国際観光施設協会 会長 浅野 一行 氏

 旅行新聞創刊50周年を迎えられ、心よりお祝い申し上げます。

 まずは観光・旅行業界のさまざまな動向、情報や調査データの的確な報道により、業界の発展に大きく貢献されてきたことに、深く敬意を表します。同時に、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」や、「もてなしの達人」ほか、さらには「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー」の表彰など、業界を盛り上げる数々の積極的な取り組みに重ねて敬意を表します。

 また、当協会の活動におきましても、折に触れ、大変丁寧に取材していただき、多岐にわたる協会活動をわかりやすく社会にご紹介いただいていること、いつも深く感謝しております。

 今後も旅行業界を報道の力でリードされ、各種主催イベントにより、地域の活性化や観光業界全体のさらなる発展に寄与されることを心よりお祈りいたします。末筆ながら、旅行新聞新社のますますのご発展と皆様のご健勝を祈念申し上げ、50周年のお祝いのごあいさつとさせていただきます。

【第50回旅館100選】長野県・池の平温泉 「白樺リゾート 池の平ホテル」

2025年10月14日(火) 配信

「湖畔混浴 空」(※湯あみ着着用の混浴エリア)

2023年4月新本館がオープン コンセプトは「THE LAKE RESORT」と「信州五感のショーケース」

 2023年の春、全面改築をして「池の平ホテル」の新本館がグランドオープンした。新本館のコンセプトは「THE LAKE RESORT(ザ・レイクリゾート)」。空・山・湖の絶景が広がり、湖をより近くに感じられる。

白樺湖と新本館の外観

 「天然温泉 湖天の湯」は木曾檜と天然石を基調とした男女別の内湯、混浴エリアと3つの湯処を楽しめる。「湖畔混浴 空」は目の前に白樺湖の景色が広がり温泉と湖が一体化して見える。レイクリゾートの開放感を堪能することでき、四季のうつろいを眺めつつ蓼科山の源泉に浸かる贅沢な時間を過ごせる。

「展望サウナ -Ku-」(※湯あみ着着用の混浴エリア)

 もう一つのコンセプトは「信州五感のショーケース」。信州の風土を「しらかば仲見世」で五感で体感できる。

「RESORT FOOD HALL 湖畔の風」

 夕食ビュッフェは「RESORT FOOD HALL 湖畔の風」。13の個店やコーナーに料理が並び、信州の食材や郷土料理など地産の味も堪能できる。

デラックスレイクビュールーム

「しらかば仲見世」

 信州の魅力が詰まった屋内型温泉街「しらかば仲見世」では蔵元直送の地酒の利き酒体験、五平餅、おやきが味わえる。信州の特産物や民芸品を揃えたショップや、射的、ヨーヨーすくいなど昔懐かしい縁日もあり、旅の思い出に楽しいひとときを過ごせる。

交通:《車》中央自動車道 諏訪ICより40分、上信越自動車道 佐久ICより60分、P1900台
   《電車》JR中央本線 茅野駅から車山・白樺湖方面行バスで50分、東白樺湖下車※送迎有(要予約)
チェックin15:00 out10:00
食事:《夕食》レストラン、宴会場《朝食》レストラン
部屋:全245室
風呂:大浴場、露天風呂(混浴、水着着用)※加水、加温、循環
泉質:カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉
料金:1万3,750円~6万7,250円(税込)入湯税150円別

〒391-0392 長野県茅野市白樺湖
☎0266(68)2100 FAX0267(55)6369
https://www.shirakabaresort.jp/ikenotaira-hotel/
Wi-Fi:使用可 外国語対応:英・中・台・他

 

 

 ※この記事は、旅行新聞新社主催「第50回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に選出された施設で、書籍「2026年度版 プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿(BEST100 HOTELS&RYOKANS IN JAPAN)」(自由国民社)に収録されている内容を紹介しています。

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その54- 横須賀美術館(神奈川県横須賀市) 東京湾を行き交う多様な船 美術館から眺め活力をもらう

2025年10月13日(月) 配信

 精神性の高い旅は何も神社や寺院を訪ねるだけではない。海をじっと眺めているのも精神性を高める。あの空海も、室戸岬の近くにある海と空だけが見える洞窟で修行をし、それで空海と名乗るようになったという。

 たまに海が見たくなることがある。私はいま教育学で博士論文を執筆しているのだが、今までの論文と違い、哲学的な問いが求められているので、頻繁にどん詰まる。家で悶々としていても時間だけが過ぎていくので、この状況を打開するために、海に行くことがある。でも、住居と職場のある横浜のごちゃごちゃした海だと思索を深めることができない。かといって、何もない海も変化がなく眠くなるだけだ。

 かつて被災地復興の観光に関わっていたときに、岩手県宮古市にある本州最東端の魹ヶ崎に行ったことがあるのだが、目の前に広がる大きな太平洋は何もなさ過ぎて、何も考えられなかった。

 

 

 そんなとき、最近ちょっと横須賀に関わることが多いことから、横須賀美術館に行ってみようかなと思い、妻と娘と3人で訪ねた。

 娘はいま高校生で、将来は建築を学びたいと言い出したので、特徴的な建築を見せたいとかねがね思っていたことから、建築家山本理顕の傑作である横須賀美術館を訪問した。

大小さまざまな船が行き交う

 横須賀美術館は2007年4月に開館し、三方を山に、正面を海に囲まれた立地から、丘を利用して地形と一体化して建てられている。観音崎公園から遊歩道を利用して山側から来てもスムーズに入館できるように工夫されている。日本のコンセプト先行型の建築はあまりにも自己主張しすぎて、周囲の景観から浮いてしまっているものも少なくないが、横須賀美術館は周囲の景観に溶け込んでいる。設計した山本理顕は「環境全体が美術館」とのアイデアから、周囲の環境に調和するように、高さは低く抑えられ、外壁はガラスで透明感のある外観を形成している。

 そして、東京湾の目の前という好立地で、美術だけでなく、その景観も楽しむことができる。

 私は東京湾という海がこんなに心躍るものだとは思わなかった。横須賀の海には、地元の漁船はもちろん、大型クルーズ客船、プレジャーボート、大小の貨物船や自動車運搬船、タンカー、軍艦までやってくる。その前を小さなシーカヤックがのんびりと進んでいる。大小さまざまな船が行き交う姿を見ていると、なぜか活力をもらうことができる。

 これらの船すべてに人が乗り、動かしている。その船に乗る人々の表情もきっと多様だ。プレジャーボートやシーカヤックはにこにこと、大型船はリラックスし、貨物船や軍艦は真剣そのもの、漁船はどうだろうか、大漁で誇らしげに帰ってきているところだろうか。

 そんなさまざまな表情を持ちながら、最適なスピードで前へ前へと進んでいる。東京湾はこんなにもたくさんの船が行き交っているのに、決してぶつかることはなく、互いの持ち場を尊重しながら進んでいるようすは見ていて心地よい。

屋上広場の眺め

 この東京湾の景観は、低い建物の屋上から見るのはもちろん、1階のイタリアンレストランからワインを傾け、上質の料理をいただきながら眺めるのも至福の時である。

 1階の海が見える正面にイタリアンレストランを配置しようと考えたのも、建築家山本理顕の当初からのアイデアらしい。美術館ができる前の何もない丘と池の状態のときから、美術館が完成して集まってきた人々がこの風景を見てにこにこしている姿が彼の頭にはあったようだ。

 11月3日まで、美術館では「山本理顕展―コミュニティと建築」が催されている。この特別展を見ると、山本理顕がどのような想いを乗せて設計をしたかがよくわかる。これを見たあとに、ぜひ屋上広場から山の広場に向かってほしい。そこからの眺めも格別である。

 

旅人・執筆 島川 崇
神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。2019年「精神性の高い観光研究部会」創設メンバーの1人。