26年度観光振興事業功労者表彰を13人が受賞 日本観光振興協会が表彰式開く

2025年6月11日(水) 配信

表彰式のようす

 日本観光振興協会(菰田正信会長)は6月10日(水)、東京・品川プリンスホテルで2025年度の観光振興事業功労者表彰式を開いた。今回は13人が受賞した。受賞者は次の各氏。

                  ◇

 【北海道木田尚孝(日交ハイヤー社長、日高管内観光連盟会長)2010年から浦河観光協会会長に就任し、「馬産地」として他の地域にはない商品造成などを行った。日高管内観光連盟会長、えりも岬とんがりロード観光協議会会長などを務め、地域の観光産業の発展に貢献した。

 【東北三上千春(嶽開発社長、青森県観光国際交流機構理事長)2016年から弘前観光コンベンション協会会長に就任し、弘前さくらまつりと世界的な人気キャラクター初音ミクとのコラボ企画「桜ミク」など新たな事業に取り組み、青森県への誘客に努めた。

 【関東前田伸(マザー牧場、TOKYO TOWER社長、千葉県観光物産協会会長)マザー牧場を経営しながら、官民連携による異文化体験の場の提供やインバウンド観光の促進に尽力するなど、新しい取り組みを多数行っている。千葉県観光物産協会では理事、副会長を務めたのち会長に就任し、人材育成などに力を入れている。

戸塚隆(東玉会長、埼玉県物産観光協会理事)人形のまち岩槻で、地域の伝統産業である人形作りの普及・発展のため「東玉 人形の博物館」の運営に尽力。埼玉県物産観光協会前身の埼玉県物産振興協会副会長として合併にも力を尽くした。

山田栄三郎(浜焼センター会長、寺泊観光協会相談役)寺泊魚の市場通り組合長として「寺泊魚の市場通り」の認知度を向上させ、県内外からの観光客増加に尽力した。寺泊観光協会長の立場では、新潟県中越地震、中越沖地震での観光風評被害の払拭と対策を指揮し、風評被害の払拭に大きく貢献した。

 【中部坂井彦就(三楽園社長、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会常務理事)富山県ホテル・旅館生活衛生同業組合の役員を歴任し、2015年からは理事長として富山県の観光振興に寄与した。「令和6年能登半島地震」の発災後は、県内ホテル・旅館のキャンセルや被害状況の把握、災害救助法に基づく被災者受け入れ可否の調査など、迅速な初動対応や被災者支援に尽力した。

 【関西稲垣八尺(伊賀上野観光協会元専務理事)長年、観光協会職員として勤務し、「忍者まつり」など国内誘客事業に取り組んだ。忍者を世界発信するホームページをいち早く立ち上げ、「海外NINJAプロモーション」事業などを展開し、外客誘致にも努め、伊賀地域の観光振興に寄与した。

大石博司(大石酒造社長、亀岡市観光協会理事)自身の酒造業で酒造りを見学できる施設「酒の館」を開業し、産業の観光化に貢献。オリジナル地酒の販売やランチメニューの開発に関わるなど地域資源の掘り起こしに尽力し、亀岡市の観光振興に寄与した。

 【中国片山伸榮(備前市観光ボランティアガイド協会会長、岡山県文化財保護協会副会長)備前市観光ボランティアガイドとして長年精力的に活動し、その豊富な知識と丁寧な接遇が高い評価を得ている。協会の会長としても会員の増員やスキルアップに尽力。備前市の観光ガイド活動発展の基礎を築いた。

 【四国古谷博(高知サンライズホテル社長、高知県観光コンベンション協会副会長)コンベンション協会に加え、日本旅館協会高知県支部理事、高知県旅館ホテル生活衛生同業組合副理事長など観光関連団体の役員として広く観光振興に貢献。観光客がよさこい鳴子踊りを体験できるイベント「よさこいアンコール」の実行委員長も務め、観光振興による地域活性化に貢献している。

 【九州山下泰雄(通潤酒造社長、山都町観光協会会長)2006年に3町合併で誕生した山都町観光協会の初代会長に就任し、観光客の誘致に貢献している。また熊本県観光連盟の理事として県の観光振興行政と地域をつなぐパイプ役、地域のリーダー的役割を担い、熊本県全体の観光振興や発展に寄与している。

上月敬一郎(鬼山観光元社長、別府市観光協会顧問)大分県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長(現常任相談役)を務め、旅館業の組織強化、後継者育成に努めた。またツーリズムおおいた理事として、宿泊施設を中心とした関連業界や団体の連携の促進・強化をはかることで地域全体の観光の魅力向上に貢献した。

 【沖縄高山厚子(東京都板橋区立金沢小学校元校長、文教大学元論策ゼミ講師)2013年度から沖縄県修学旅行アドバイザーとして、268校の学校で沖縄の事前・事後学習を実施。沖縄料理研究家としても活動し、沖縄の食文化の発信や物産流通拡大に努めている。

ANTA二階会長が退任へ、次期会長に近藤副会長が立候補

2025年6月11日(水)配信

駒井輝男副会長(神奈川県旅行業協会の来賓あいさつで)

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)の駒井輝男副会長は6月10日(火)、神奈川県旅行業協会の2025年度通常総会の来賓あいさつで、二階会長の退任が決まったと報告した。次期会長選挙には6月10日時点で、副会長の近藤幸二(全観トラベルネットワーク社長、岡山県)氏が立候補していると明らかにした。

 二階氏は30年以上にわたり会長職を務めていたが、昨年のANTA総会で会長職の辞意を明言していた。

 次期会長に関して、駒井副会長は「新しい会長は会員の中から出すべきではないか」と提案し、このほど開いた常任理事会において、1票差の賛成多数で了承を得られたと説明した。

大東建託がUnitoに追加出資 「住んだ日数分だけ家賃を支払う」リレントモデル全国展開を支援

2025年6月11日(水) 配信

 大東建託(竹内啓社長、東京都港区)は6月6日(金)、オープンイノベーションを通じて自社の不動産アセットを最大限活用するため、Unito(ユニット、近藤佑太朗社長、東京都目黒区)に追加出資した。大東建託は昨年3月、Unitoと資本業務提携し、協業を始めている。

 今回の追加出資は、Unitoが展開する「住んだ日数分だけ家賃を支払う」リレントモデルの全国展開を支援し、柔軟な不動産利用の促進が目的。

 Unitoは調達した資金を用いて、全国主要都市での家具家電付きサービスアパートメントを加速展開していく。加えて、賃貸・宿泊予約に最適な予約・顧客管理システムを開発する予定。

 大東建託は不動産開発事業において、これまでのレジデンス、ヘルスケア、物流倉庫に加え、「ホテルも含めた土地活用の幅を広げることを目指す」方針だ。

5年ぶり宿泊100万人超 国内団体獲得で地域活性を 下呂温泉観光協会が総会

2025年6月11日(水) 配信

瀧康洋会長があいさつ

 岐阜県下呂市の下呂温泉観光協会(瀧康洋会長)は2025年6月4日(水)、第79回通常総会を水明館で開いた。瀧会長は、個人の誘客やインバウンド獲得で、24年度の下呂温泉宿泊者数が、「5年ぶりに100万人を超えた」と報告するとともに、団体客の減少を課題に挙げ、「バランスを取ることが地域活性化や日本文化の回復につながる」との考えを示した。

 24年度の下呂温泉宿泊者数は、100万1852人(前年比104%)。コロナ禍で一時は50万人台まで落ち込んだが、デジタルプロモーションや全国旅行キャラバン、補助金を活用した事業を積極的に推進し、V字回復を果たした。

 一方、宿泊消費単価(24年4~12月)は1万8367円で、前年同期比97・7%にとどまった。21年度以降、右肩上がりを続けてきたが、昨年度から高止まりしている。要因として瀧会長は「人手不足もあり、1泊朝食や素泊まり(での受け入れを)を増やしていった」と指摘。「飲食店でオーバーツーリズムも発生するなか、中堅(規模)以上(の宿)が、積極的に団体を取る必要があるのでは」と訴えた。実際、100万人を超えた宿泊客数の内訳をみると、国内団体客が5万4046人(前年比26・9%減)と、個人やインバウンドの好調とは裏腹に、唯一減少している。団体客の落ち込みは、酒販店など地域の取引業者への影響も大きい。「旅館だけが生き残ればいいという考えではなく、絶えず地域を考えた取り組みが必要」(瀧会長)と呼び掛けた。

 総会議事では所定の議案を審議し、すべて可決承認した。今年度は、観光GDPの算出方法を確立し、明確なKGI(重要目標達成指標)の作成を目指すとともに、地域住民が誇りを持てる事業を展開する。

 総会後は、熊本県人吉市の農家レストラン・ひまわり亭の本田節代表を招き、「観光と農泊連携の新時代に向けて」と題した講演会も開いた。

日観振が初の中期事業計画を発表 基幹産業化に向け発信力強化へ

2025年6月11日(水) 配信

菰田正信会長

 日本観光振興協会(菰田正信会長、674会員)は6月10日(火)、東京都港区の品川プリンスホテルで2025年度通常総会を開き、日観振として初めて、複数年度にわたる中期事業計画を策定したと発表した。25~27年度までの3カ年計画で、基幹産業化に向けた発信力の強化や観光DX、人材育成の推進などに注力していく。

 あいさつに立った菰田会長は中期計画のビジョンについて、「観光産業を我が国の確固たる機関産業として、その意義を広く発信するとともに、観光による地域づくりを推進し、観光産業の持続的な発展を実現すること」と紹介。「課題が複雑化するなか、中長期的な視点で着実に事業を進めていきたい」と力を込めた。

 重点施策として、観光立国に資する日本の観光振興の中枢機関(ナショナルセンター)としての活動強化をはかる。具体的には引き続き、関係省庁に対して提言活動を行っていく。直近では政府が検討を開始した次期の「第5次観光立国推進基本計画」への提言書をまとめ、提出する予定という。

 また、持続可能な産業であることを明示するため、観光産業界として基幹産業の目指す姿を描く、長期的なビジョンの策定に取り組む。旅行業や宿泊業など各業界で示されている将来像を横断的に見て、観光産業全体で俯瞰したものとするため、それぞれの若手約20人をメンバーとする検討会を設置。1年を掛けて議論し、26年度総会での発表を想定する。

 観光DXの基盤化推進と確立に向けては、引き続き地域が観光地経営に活用可能な「日本観光振興デジタルプラットフォーム(デジプラ)」の継続的な提供を行う。地域が稼ぐ仕組み作りと観光デジタル人材の育成を進め、自走可能な戦略的地域経営の実現と拡大を支援していく。

 さらに、観光教育と人材育成は産官学の取り組みの相互連携や相乗効果により、実効性を高めていく。現在、長崎県と長崎市、長崎大学が「観光教育の推進」を掲げ、小学校から大学までの一貫したプログラムの開発を目指した先進的な取り組みを行っていることから、「長崎モデル」として全国展開を目指す。将来的に観光教育を小学校から段階的に行うことで、ピラミッドの頂点として観光産業経営人材と観光地域経営人材の育成をはかりたい考え。

二階俊博氏があいさつ

 総会後の情報交換会には、衆議院議員の菅義偉元首相や元衆議院議員の二階俊博氏ら来賓も多数出席し、盛大に開かれた。

 

ガストロノミーツーリズム推進事業、6件を採択(観光庁)

2025年6月11日(水) 配信

 観光庁は4月14日~5月14日まで公募を実施していた、「『食』の力を最大活用したガストロノミーツーリズム推進事業」において、有識者会議による選定を経て、このほど6件の採択事業を決定した。

 採択された事業は次の通り。

 いきかえりの宿滝波「里山ガストロノミー“食材”の聖地から“食”の聖地へ、上杉家がもたらした“かてもの文化”及び伝統野菜をイノベイティブに再構築し、置賜盆地全体でその価値を共有する。 ガストロノミーを通じたローカルリバイタライゼーション(山形県南陽市、米沢市)

 しあわせデザイン「コンパクトながら高低差4000㍍のダイナミック地形が生み出す『海寿司・山寿司』美食地質学ツーリズム推進事業(富山県射水市)

 八ヶ岳ツーリズムマネジメント「『大地の恵み×多様な酒類』による八ヶ岳ガストロノミーツーリズム事業」(山梨県北杜市 長野県・富士見町、 原村)

 西伊豆みらい創造協議会「鰹節文化の源へツーリズム&スペシャリテ」(静岡県加茂郡西伊豆エリア)

 国際ふぐ協会「下関“FUKU”を世界へ! 地域一体となった、世界を迎え入れる“FUKU”美食創造プロジェクト」(山口県下関市)

 五島列島観光コンベンションビューロー「恵み豊かな国境の島々を巡る~五島ブランド食材と歴史・文化を五感で味わう旅~」(長崎県五島市、 新上五島町)

俵屋旅館(山梨県)、破産手続き開始へ(帝国データバンク調べ)

2025年6月11日(水) 配信

 俵屋旅館(望月千代子代表、山梨県・早川町)は5月22日(木)、甲府地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約1億3900万円。

 同社は1989(昭和64)年1月に設立された旅館の運営業者。日蓮宗の霊山である七面山の登山口に立地し、登山する参拝者を主な顧客として、ピーク時には年間収入高約8000万円を計上していた。

 しかし、参拝者数が伸び悩んでいたなか、コロナ禍で宿泊者数が大きく減少。2021年12月期の年間収入高は約1700万円に落ち込んだ。「新型コロナ収束後も宿泊者数が回復せず、債務超過に陥っていた」(帝国データバンク)としている。

松江城に国内最大級の人工雲海設置、いけうちと由志園が共同で

2025年6月11日(水)配信

「八雲立つ雲海・松江城~光と詩で紡ぐ物語~」

 いけうち(中井志郎社長、大阪府大阪市)は、日本庭園由志園(門脇栄一社長、島根県松江市)と共同で、松江城で6月28日(土)から行われるイベント「八雲立つ雲海・松江城~光と詩で紡ぐ物語~」に、国内最大級となる人工の雲海システムを設置する。

 松江城天守の国宝指定10周年および天守保存150周年を記念するイベントで、最新のスプレーノズル技術を用いた人工の雲海と、プロジェクションマッピングや立体音響などの演出を組み合わせ、幻想的で没入感のある空間を創出する。

 開催期間は8月17日(日)までの土・日・祝日と7月8日(月)。8月2日(土)、3日(日)は開催しない。午前10:00~午後6:00までの「昼の部」と、午後7:20~9:00までの「夜の部」に分かれる。昼の部は毎時0分から雲海の演出、夜の部は20分間隔で雲海とプロジェクションマッピング、立体音響で演出する。

 夜の部の観覧は「日付指定券」の事前購入が必要。大人1000円、小・中学生500円、未就学児無料。昼の部は観覧無料(天守登閣の場合は登閣料が別途必要)。

 いけうちは、国内トップクラスの産業用スプレーノズルメーカーで、暑熱対策のミストや景観演出としての霧を各施設に提供してきた実績を持つ。これまでに京都の仁和寺や熊本城などでも雲海演出を手がけており、今回の松江城ではこれらの経験と技術を結集し、大規模の人工雲海システムを構築した。

「ホテルリブマックス多賀城」(宮城県)、リブランドオープン

2025年6月10日(火) 配信

ホテルリブマックス多賀城

 全国177のホテルやリゾートを展開する「リブ・マックス」(有山憲社長、東京都港区)は2025年6月に、宮城県多賀城市にビジネスホテル「ホテルリブマックス多賀城」がリブランドオープンする。

  JR多賀城駅から徒歩5分の立地で、客室数は全93室。ラドン温泉を有し、近隣の人々の交流の場として古くから親しまれてきたホテルに、新たな機能を付加し、生まれ変わる。

跳ねるこころ、ハマる青森! 今年も「のれそれ青森旅キャンペーン2025」を開始 青森×JAL×星野

2025年6月10日(火) 配信

3者が今年もキャンペーン実施

 青森県と日本航空(JAL、鳥取三津子社長、東京都品川区)、星野リゾート(星野佳路代表、長野県・軽井沢町)はこのほど、「のれそれ青森旅キャンペーン2025~跳ねるこころ、ハマる青森!~」を開始した。第1弾として、8月31日まで青森の魅力を食や体験で満喫できるパッケージプランを展開。特設サイトも開設し、さまざまな情報を発信していく。

 同CPは3者が現在、暫定的に1日4便運航している羽田―三沢線の4便化定着を目指し、2022年から行っている。今年は三沢線ジェット化50周年の節目であることから、より多くの人に青森を楽しんでほしいという思いを込め、「跳ねるこころ、ハマる青森!」をテーマにさらに盛り上げていきたい考え。

 食の体験は、旬を迎えるイカとトウモロコシなど夏野菜を使った、季節限定の特別メニューを、青森屋と奥入瀬渓流ホテルのビュッフェレストランで提供する。

 この時期ならではの体験はなんといっても、青森の夏の風物詩である「青森ねぶた祭」。今年は8月2~7日の期間で開催される。「ねぶた」といわれる人形型の山車(だし)と「ラッセーラ」の掛け声で跳ねる「跳人(はねと)」が祭りの熱気を盛り上げる。

 また、SNSで「のれそれ青森旅フォトキャンペーン」を実施する。インスタグラムで公式アカウントをフォローし、6月1日~8月31日までの期間中に「#のれそれ青森旅キャンペーン」と「#青森県」「#JAL」「#星野リゾート」のいずれかを付けて投稿した人のなかから、1組2人に青森旅をプレゼントする。