生寿苑(猿ヶ京温泉)、破産手続き開始決定受ける(帝国データバンク調べ)

2026年8月3日(月) 配信

 生寿苑(生津秀樹代表、群馬県・みなかみ町)は7月9日(木)に、前橋地裁沼田支部から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約4億円。

 同社は1984(昭和59)年7月に設立された。猿ヶ京温泉で中間価格帯の和風温泉旅館「生寿苑」(客室数13室)を運営し、1億円台の年商を上げていた。

 しかし、周辺観光客の減少などを背景に集客が低迷していたほか、2020年以降は新型コロナの影響でさらに宿泊客が減少した。コロナ禍の収束後も客足は以前の水準には回復せず、23年8月期の年間収入高は約2000万円に落ち込んだ。

 収益性についても、食材価格や人件費、エネルギーコストの上昇が重なり、赤字決算が続いていた。多額の借入金を抱え、厳しい資金繰りが続くなか、「25年11月には旅館不動産が競売により第三者に売却され、26年3月末までに事業を停止していた」(帝国データバンク)としている。

ジャルパック、秋冬の海外フェア商品を販売 厳選ホテルの割引クーポンなど用意

2026年8月3日(月) 配信

「行こう海外!いち推し 旅フェア 秋・冬編」

 ジャルパックは7月24日(金)から、秋冬の海外旅行商品をそろえた「行こう海外!いち推し 旅フェア 秋・冬編」の展開を始めた。同社が厳選した各地のホテルで利用できる割引クーポンなどを用意している。

 割引クーポンはハワイの「シェラトン・ワイキキ・ビーチホテル」や台湾の「台北 シーザーパークタイペイ」などで利用できる。

 また、早期予約で部屋のアップグレードや特典が付くプランを拡充した。詳細は特設ページに記載する。

 同社は「これからの季節にふさわしい南国リゾートから、観光のベストシーズンを迎える主要都市まで、幅広いニーズに応える充実のラインナップを取りそろえている」とアピールしている。

宮古島市が「旅先納税®」を開始 返礼品の商品券「ゆかぁ~まち宮古島ギフト」発行

2026年8月3日(月) 配信

「ゆかぁ~まち宮古島ギフト」

 沖縄県宮古島市(嘉数登市長)は7月31日(金)から、ギフティ(篠塚大樹社長、東京都品川区)の「e街プラットフォーム®」を活用したふるさと納税の一種、「旅先納税®」を開始した。返礼品として電子商品券「ゆかぁ~まち宮古島ギフト」を発行し、体験型の寄附拡大と観光消費の地域経済への還元を目指す。

 旅先納税は、旅前または旅先でスマートフォンからふるさと納税を申し込み、寄附額の30%分に当たる電子商品券を即時に受け取る仕組み。今回の商品券「ゆかぁ~まち宮古島ギフト」は市内の加盟店で利用でき、7月31日時点で宿泊施設、体験アクティビティ施設、飲食店など14店舗が参加する。

 寄附は専用サイトや加盟店などに設置されたポスターなどに記載の2次元コードから申し込み、クレジットカードで決済する。寄附額は5000円~500万円まで、1000円単位で指定できるほか、寄附額5000円~50万円までの5種類の定額プランもある。商品券の利用期限は寄附日から730日間。

 同社によると、旅先納税の導入自治体は宮古島市を含め全国137自治体、沖縄県内では6自治体となる。沖縄の離島では竹富町に続く2例目。宮古島観光協会との連携のもと、来島者との継続的なつながりを創出し、地域経済の活性化につなげる狙いがある。

【令和8年熊本地震】金子国交大臣、2次避難先73軒を確保 最大2200人の受入可能に

2026年8月3日(月)配信

 国土交通省の金子恭之大臣は8月1日(土)、令和8年熊本地震による被災者の2次避難先として、県内を中心にホテルや旅館など73の宿泊施設を確保したと明らかにした。最大で約2200人の受け入れが可能となり、受入開始時期は未定。

 高市早苗首相は首相官邸で同日に開かれた第5回令和8年熊本地震非常災害対策本部会議で、「今も約8000人が避難所に身を寄せられているほか、在宅避難や車中泊を継続している人が多い。被災された人の状況やニーズに応じて、『被災地外への移動』を希望される人には、自治体と連携して、被災地外のホテル、旅館の空室を借り上げて積極的に活用するなど、『避難先の移動』の取り組みを加速してほしい」と述べた。

 金子大臣は観光庁や熊本県内と連携しながら、2次避難先の確保を九州全域まで拡大していく考えを示した。

【国土交通省】人事異動(8月1日付)

2026年8月3日(月) 配信

 国土交通省は8月1日付の人事異動を発令した。

 大臣官房付・即日辞職(衆議院事務局庶務部副部長)神谷剛

 辞職7月31日付 衆議院事務局庶務部副部長(大臣官房官庁営繕部整備課長)末兼徹也

 大臣官房付・即日辞職(日本下水道事業団副理事長)白﨑亮

 大臣官房付(国土地理院総務部長)高石将也

 大臣官房参事官建設人材・資材担当(大臣官房付)増田久和

 大臣官房官庁営繕部整備課長(中国地方整備局営繕部長)橋本一洋

 辞職 鉄道建設・運輸施設整備支援機構審議役(四国地方整備局次長)水口幸司

 四国地方整備局次長(復興庁統括官付参事官)鎌田一郎

 出向 復興庁統括官付参事官(東北地方整備局港湾空港部長)山本貴弘

 東北地方整備局港湾空港部長(港湾局計画課港湾計画審査官)宮田亮

 港湾局計画課港湾計画審査官(大臣官房総務課企画官)早川哲史

 大臣官房総務課企画官(静岡県交通基盤部港湾局長)戸谷洋子

 出向 内閣府大臣官房(大臣官房付)符川公平

 大臣官房付(内閣府政策統括官経済財政分析担当付)木村順治

 出向 厚生労働省労働基準局監督課調査官(海事局船員政策課産業保健企画官)横田和也

 海事局船員政策課産業保健企画官(厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛 生課主任中央労働衛生専門官)吉岡健一

 〈免〉鉄道建設・運輸施設整備支援機構監事7月31日付 吉丸泰史

 【任命】

 海技教育機構監事 傍島裕二郎

 海技教育機構監事(非常勤) 柏戸夏子

 航空大学校監事 菊地原仁

 航空大学校監事(非常勤) 天野美枝子

 自動車技術総合機構監事 加野島仁

 自動車技術総合機構監事(非常勤) 田久保敦子

 人鉄道建設・運輸施設整備支援機構監事 三村哲史

 空港周辺整備機構監事〈再任〉 大石繁男

 空港周辺整備機構監事(非常勤)〈再任〉 土井良由美子

 日本高速道路保有・債務返済機構監事 横田玲子

 日本高速道路保有・債務返済機構監事 林祥晃

加賀市の「大江戸温泉物語 ながやま」8月1日リニューアル 日帰りプランも開始

2026年8月3日(月) 配信

温泉エンタメリゾートへ

 GENSEN HOLDINGS(川﨑俊介社長、東京都中央区)は8月1日(土)、石川県加賀市の「大江戸温泉物語 ながやま」(石川県加賀市片山津町ム16)を館内の遊戯や温泉などを楽しめる施設としてリニューアルオープンした。日帰り向けの「ながやま 日帰りエンタメ満喫プラン」も始めた。

 同館は、温泉や食事に加え、スポーツパークや卓球、ゲームセンター、カラオケ、キッズパークなど10の無料アクティビティを備える。宿泊者は主要な館内エンタメを宿泊料金に含むカタチで利用でき、柴山潟に面した足湯や大浴場、露天風呂、サウナも設ける。

 日帰りエンタメプランは、夕食のバイキング、入浴、無料アクティビティを組み合わせた内容で、利用には事前予約が必要となる。食事は午後5時~9時30分、入浴は午後3時~午前零時で、最終受付は午後10時。無料アクティビティは午後2時~午前零時だが、カラオケやフリープレイ・ゲームセンターは午後9時までとなる。

 日帰りの料金は平日が大人5100円、小学生3600円、幼児1500円、土日祝が大人6100円、小学生4300円、幼児1800円、繁忙日が大人8800円、小学生6200円、幼児2600円。3歳未満は無料で、いずれも消費税込み、入湯税別となる。16歳未満のみの利用はできず、18歳未満のアクティビティ利用は午後10時まで。予約は公式サイトまたは電話で受け付ける。

 同社によると、日帰りプランは夏休みの利用を見込み、宿泊予約が取れない場合や近隣で過ごす需要に対応するもの。プールは日帰りプランの対象外で、プランによって利用できないサービスがあるほか、内容は変更する場合がある。

〈観光最前線〉鳥取県、「VIVANT」効果に期待

2026年8月3日(月)配信

「VIVANT」の砂モニュメント(中央が平井伸治知事)

 7月26日から放送が始まったTBS系ドラマ「VIVANT」第2シーズンで、県内ロケが行われた鳥取県はドラマを活用した観光誘客に乗り出している。放送開始前の22日には鳥取市の鳥取砂丘駐車場に「VIVANT」のロゴをかたどった砂モニュメントを設置し、新たなフォトスポットとして来訪者を迎える。ロケ地は現時点で非公表だが、場所を予想してSNSに投稿する「#VIVANT鳥取」キャンペーンも展開している。

 また、「別班 鳥取県支部」を設置し、ドラマの世界観を意識した演出のもと、平井伸治知事が陣頭指揮を執る「作戦会議」を開催するなどユニークなプロモーションも展開。作品への注目度を県内観光へと結び付け、ドラマファンの来県促進と県内周遊の拡大につなげる考えだ。

【土橋 孝秀】

「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(7-8月号)」

2026年8月2日(日)配信

https://zoomjapon.info

特集&主な内容

 本誌7-8月号の特集は「聖地巡礼」です。近年、フランスでは日本自体への関心が高まり旅行先として定着するなか、漫画やアニメの人気も手伝い、聖地巡礼も訪日旅行の大きな動機となっています。今回は東京周辺の麻布十番(セーラームーン)、四谷(君の名は。)、江ノ電沿線(スラムダンク)のほか、飯能や秩父など日本各地の定番スポットを網羅しました。文化面では、10月にフランス公開を控える「映画ドラえもん」新作の矢嶋哲生監督への独占インタビューや、フランスでフグに関する専門書を出版された日本美術史家ヴァレリー・ドゥニオーさんのインタビューを掲載。さらに旅行面では、9月にパリで開催される「サロン・デュ・サケ」の時期に合わせた広島の日本酒のほか、宮城県松島を紹介する特別企画をそれぞれ掲載しています。

〈フランスの様子〉フランス語には、猛暑も、真夏日も、熱帯夜もない。

「釜のなかの12日間」6月28日放送、国営TV、France2、20時のニュース。エアコンがないマンションでは地下の駐車場でお誕生日会が開催された

 フランス語で熱波を意味する「カニキュールCanicule」。日本語では便宜上「猛暑」や「酷暑」と言い換えられることもあるが、フランスの気象用語だ。 ◆日本語には「雨」の表現が豊かなように、夏の暑さも「夏日」から「酷暑日」まで気温に応じた用語がある。一方、フランスは実質この一語のみ。その発令基準は厳格で、日中の最高気温と夜間の最低気温を鑑み、それが「3日間連続する状況」を指す。基準は地域でも異なり、パリなど北部では最高33度・最低18度、南部では最高36度・最低21度と定められている。 ◆さらに、フランスには日本の「熱帯夜」という概念すら存在しない。本来は夏でも夜になれば20度以下に下がるはずの国であり、夜間も気温が下がらないことこそが、現地で災害として恐れられる本質的な理由だ。 ◆言葉の定義が示す通り、この熱波は一過性の自然災害。だから、エアコン普及という個人レベルの場当たり的な対応は本当の問題ではなく、社会構造や都市計画の刷新、さらには地球環境という本質的な議論が起こっている。

ズーム・ジャポン日本窓口 
樫尾 岳-氏

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旅行新聞 編集部〉

【特集 No.682】笛吹市×石和温泉がタッグ “新時代型の団体”創出へ挑戦

2026年8月1日(土) 配信

 山梨県笛吹市(山下政樹市長)と石和温泉旅館協同組合(理事長=古屋公士・ホテル古柏園社長)は、温泉や果実などの地域資源を軸に、官民一体で既存の団体客を大切にしながら、新たな需要の獲得をはかっている。キャッチコピー「美肌湧泉」の発表をはじめ、「長野県・静岡県・神奈川県旅行業協会 富士山石和温泉郷 団体グループキャンペーン」など、観光客の増加に向けたさまざまな施策を展開。山下市長と古屋理事長が対談し、官民一体で行う誘客への想いや今後の展望などを語り合った。

【木下 裕斗】

 ――笛吹市における観光の位置づけを教えてください。

 山下:笛吹市は、温泉を中心とした観光業に加え、収穫量と栽培面積で日本一を誇る桃とブドウなどの果樹農業が主要な産業です。市内では、小学生から大人まで幅広い年代層に知られた地域を代表する産業になっています。

山下政樹市長

 一方、1961年の温泉開湯以降、高度経済成長と共に発展してきた市内にある石和温泉ではコロナ以降、それまで最も多かった宴会を楽しむことを主な目的とした団体旅行が減少傾向にあります。

 以前の石和温泉は、旅館経営者の皆様がそれぞれの個性と力を発揮し、地域を支えてきました。しかし、時代の変化と共に経営者も変わるなかで、官民一体で前に進む機運が高まっています。

 お客様のおもてなしは旅館の役割です。魅力的な観光地づくりや情報発信、誘客などは、市と石和温泉旅館協同組合が連携することで、より高い効果を期待できます。

 現在、地域でテーマ性の高い旅の実現が求められるなか、これまで築いてきた団体旅行を得意とするブランドを大切にしながら、新たな魅力を磨き上げ、需要を開拓しています。

 この一環で昨年11月、石和温泉の新しいキャッチコピー「美肌湧泉」を発表しました。これは石和温泉のpH値が9・0以上のアルカリ性単純泉という泉質が古い角質を落とし、「肌を滑らかにする〝美肌効果〟を期待できる」効能を表現しています。さらに、温泉街の地中から勢いよく湧き出る豊かな源泉も表しています。石和温泉に対し歓楽街のイメージを持つ人が多いことを受け、女性にも選ばれる温泉地でありたい想いを込めて、企画しました。

 ――官民一体でさまざまな取り組みを進めるなか、石和温泉旅館協同組合が感じている手応えや成果をお聞かせください。

 古屋:コロナ以前は、リピートする団体客も多く、テーマ性の高い体験の追求に比べて、宴会や温泉を中心とした宿泊施設での満足度を向上させることに注力していた時代でした。

古屋公士理事長

 しかし現在は、旅行者のニーズが変化しています。単に泊まるだけではなく、「ここで何が体験できるのか」「どのような思い出をつくれるのか」など、温泉に加え、食や体験を含めた旅全体の満足度が求められています。

 こうしたなか、市長と一緒に旅行会社などへのトップセールスを継続して行うことで、石和温泉での新しい取り組みの発信や、消費者のニーズなどを聞くことができています。ニーズを踏まえ、行政と旅館組合が一体となってさまざまな施策を展開することで、地域を訪れる観光客の増加にもつながっていると感じています。

 ――今回の団体送客キャンペーンへの期待は。

 山下:新たなグループ客の集客によって地域を活性化させるため、市もキャンペーンの事業費を負担しています。

 今回想定しているメインの利用グループは、近年増加傾向にある三世代旅行や親族旅行、友人同士のグループ旅行など12―30人程度の小グループです。これまで石和温泉で十分に取り込めていなかった新たな需要の開拓を進めていけると考えています。

 古屋:旬を迎えるフルーツが少ない冬は閑散期となっています。個人旅行が大きく減るなか、冬期にも送客いただいていたのは、全国旅行業協会(ANTA)会員の旅行会社の皆様でした。このため、団体のお客様は、温泉街を支える大切な存在です。これからも団体のお客様に選ばれ続ける温泉地づくりを進めていきます。

 さらに、三世代旅行やグループ旅行など新たなスタイルの団体旅行の需要も取り込み、幅広いお客様に選ばれる温泉地となることで、団体旅行を通じた地域のさらなる活性化をはかります。

 ――団体旅行CPの利用を検討している旅行会社へメッセージをお願いします。

 山下:笛吹市には、温泉や日本一を誇る果物、富士山の絶景を望むことができるFUJIYAMAツインテラスなど、魅力的な観光資源が多くあります。さらに、山梨県の中心に位置し、静岡県、長野県、神奈川県などからのアクセスにも恵まれています。ぜひ石和温泉をはじめとした笛吹市へお越しいただきたいと思っています。

 古屋:石和温泉は、長年にわたり団体旅行を受け入れてきました。現在でも、さまざまな規模の宴会場やカラオケなど団体旅行に対応できる設備を備えた宿泊施設が多く、小グループから大人数まで受け入れられる体制が整っています。

 さらに温泉をはじめ、果物やワイナリーなど、旅の満足度を高める観光素材も豊富にあり、多様化するニーズにも応えることができます。近年増加する小規模団体の行き先として笛吹市を提案いただき、多くのお客様に石和温泉の魅力を体感してほしいと思っています。

 ――閑散期である冬の誘客に向けて、どのように取り組んでいますか。

 山下:現在取り組んでいるのが、学校で冬休みや春休みなどに実施しているスポーツ合宿の誘致です。公共グラウンドを専門性の高い施設へ整備し、サッカーや陸上などの合宿地としてアピールしていきます。

 笛吹市は東京から近く、冬でも雪が少なく、気候が安定しています。練習環境として非常に適しており、温泉で疲れた体を癒すことができる大きな強みもあります。

 温泉、観光、スポーツ合宿を組み合わせることで、閑散期だけでなく年間を通じて宿泊需要を拡大していきます。

 ――行政と旅館組合が目指す笛吹市の将来像をお聞かせください。

 古屋:これまで石和温泉を支えた団体のお客様を大切にしながら、新たな旅行スタイルのお客様にも選ばれる温泉地へ成長していきます。

 現在は新たなキャッチコピー「美肌湧泉」を発信し、石和温泉のイメージを一新している段階です。そのうえで、今後さらに多くの人に選ばれる観光地となるためには、市と旅館組合が同じ方向を向き、地域全体で魅力を高めていくことが重要になります。行政と連携することで、個々の旅館だけでは実現が難しい広域的な情報発信や誘客活動にも取り組むことができます。

 地域内での情報共有や連携も深め、多様化するお客様のニーズに応えられる受入体制を整えていきたいと考えています。ユニバーサルツーリズムなどにも積極的に取り組むことで、これまで石和温泉を訪れることが少なかったお客様も訪れる温泉地を目指していきます。

 山下 :笛吹市は、温泉や果物、体験などを組み合わせることで、滞在価値をさらに向上させ、市を一つの観光地として磨き上げていきます。

 このために、まずは地域にある資源を見つめ直し、その価値をさらに高めながら、今後も官民一体となって“新たな時代に選ばれる観光地づくり”を進めていきます。

 具体的に、食については、各旅館がそれぞれ工夫するだけではなく、地元食材を活用するなど、「笛吹市でしか味わえない」価値を官民一体となってさらに磨き上げます。

 そのうえで、今後の10年先を見据え、全国からさまざまな形態の団体旅行をはじめ、個人旅行でも選ばれる観光地づくりを進めていきます。

12人以上の団体補助 近隣3県から集客へCP

 静岡県旅行業協会と長野県旅行業協会の協定会員連盟の風間秀一会長が対談に先立ち、長野県・静岡県・神奈川県旅行業協会 富士山石和温泉郷 団体グループキャンペーンの中間報告を行った。

風間秀一社長

 同CPは長野県、静岡県、神奈川県の旅行業協会の会員に対し実施。対象宿泊施設を12人以上で利用する団体グループにはバス1台につき3万円、15人以上で日帰り施設を訪れるツアーには1万円を補助する。対象のホテル・旅館は華やぎの章 慶山や石和常磐ホテル、ホテル古柏園、ホテル石風、ホテル千石、石和びゅーほてるなど17軒。日帰り施設はFUJIYAMAツインテラスやモンデ酒造のほか、笛吹市商工会の会員施設など。5月からプレCPを実施。CPは8月17日(月)~12月25日(金)に行う。

 笛吹市と笛吹市商工会(向山秀男会長)、石和温泉旅館協同組合をはじめ、マツムラ酒販(松村昌樹社長、山梨県甲府市)、モンデ酒造(簗田克彦社長、山梨県笛吹市)、山梨中央銀行(古屋賀章頭取、山梨県甲府市)、アサヒビール(松山一雄社長、東京都墨田区)などがCPの事業費を支出している。

 7月5日(金)現在、225台の貸切バス利用申請を受け付けた。このうち、宿泊は30台、日帰りは195台。宿泊については実際の予約ベースで1097人、日帰りは5931人の計7028人が送客される見込みだ。団体旅行の申込者による旅行の取消などで、石和温泉旅館協同組合は催行率を約6割と見込み、4200人程度の来訪を想定している。

 風間会長は「目標は1万5千人に設定した。順調に申請数が伸び、目標達成が視野に入ってきた」と語る。

 

〈旅行新聞8月1日号コラム〉――W杯観戦記 劣勢の局面を「自ら反転していく力」が貴い

2026年8月1日(土) 配信

 熱く観戦した2026年サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米大会が終幕し、既に心は30年の大会に向かっている。

 日本代表は残念ながら決勝トーナメント1回戦でブラジルに敗れてしまったが、今回の日本代表の戦い方は好きだった。

 「良い守備から良い攻撃」を目指す森保一監督が採用する「ハイプレス」。前線から積極的に相手ボールを奪取すると、手数少なくゴールを狙う。しつこくどこまでもボールを追い続け、奪った瞬間、スタンドがどよめき、一気に局面が変わる。高度な足元の技術と、アジリティ(俊敏さ)に加え、創造性豊かな展開力が一体化したショートカウンターが見事に決まる流れは、“美の極致”に映る。

 1993年10月28日の“ドーハの悲劇”を目の当たりにした世代にとって、日本代表の現在地は、夢のようである。

 子供のころ、テレビの前で熱狂したバレーボール女子の日本代表選手たちには、何度も強烈なアタックを転がりながら拾い上げる粘り強さと勇敢さがあった。甲子園を目指す夏の高校野球大会では、最後まで諦めない精神力や献身的チームプレーに魅了された。サッカーもきっと「世界水準まで強くなれる」と信じている1人である。

 過去のW杯では、日本代表が早期敗退したあと、私はイタリア代表とアルゼンチン代表を応援してきた。なぜこの2チームが私の心を捉えたのか、初期のころその理由が分からず、冷静に分析したことがある。

 イタリア代表は近年W杯に姿を見せなくなり寂しいかぎりだが、アルゼンチン代表は前回大会で優勝し、今回も準優勝と好成績を残している。人口も経済規模もそれほどの大国ではないのに、どうして欧州の強豪国や隣国のブラジルにも引けを取らない結果を出し続けるのか、不思議でならなかった。もちろん、マラドーナやメッシという稀代の天才が君臨し続けたことも大きいが、それだけではW杯で勝ち続けることは難しい。

 アルゼンチンの試合を客観的に見ると、決して美しくない。スペインやフランスのような華麗なパスサッカーで相手を崩していくスタイルではない。ひたすら走り、縺れるように倒れながらも相手と競り合う。疲労困憊で痙攣する足を気力で数センチ伸ばし相手の攻撃を潰す。ユニフォームは全身、土と汗で汚れている。そんな泥臭い姿だ。

 「いい試合をしても負けたら誰も褒めてくれない」厳しい世界に身を置くせいか、今大会は勝敗にこだわり過ぎ、最も大切なフェアプレーを忘れていたように思う。決勝戦では“美学を失った”アルゼンチンの魅力は薄れ、スペインを応援した。

 一方、日本代表が見せるフェアプレーは誇り高かった。そしてボールをどこまでも追い続ける諦めない姿勢に、何度も心を打たれた。血が湧き踊るのは、球際まで追った先でボールを奪い、劣勢の局面から反転攻勢が始まる、あの瞬間だ。

 脛を削られながら、心臓が破れるほど走り回り、局面を打開しようとする意志と、諦めないしぶとさが生む形勢逆転劇。

 チャンスの延長線上のゴールシーンは美しいが、その手前の“無様なボールの奪い合い”と仲間のパスを信じて全力で走る姿こそサッカーの真髄である。

 日々の仕事や日常生活もピンチに溢れている。負の状況を自らプラスに反転していく力が最も貴い。

(編集長・増田 剛)