「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(261)」大河ドラマ・ジョン万次郎に期待(高知県)
2026年10月5日(月)配信
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この春、NHKは2028年の大河ドラマ「ジョン万」(中濱萬次郎・山﨑賢人主演)の制作発表を行った。ジョン万次郎(ジョン万)の出生地、土佐清水市はもとより、高知県では既に大きな盛り上がりを見せている。
高知県が舞台となる大河ドラマは、10(平成22)年の「龍馬伝」以来となるが、23年の連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん(牧野富太郎)」に続き、25年には「あんぱん(やなせたかし)」の放映があり、続けての朗報であった。
8月下旬、この大河ドラマを契機とする県主催の博覧会のための委員会が発足し、私も参加した。
高知県はアクセス上の不利もあり、圧倒的な人気の割に観光客数が伸び悩んでいたが、「龍馬伝」に続く「土佐・龍馬であい博」で400万人を突破、435万人を記録した。その後も「志国高知龍馬ふるさと博」や「リョーマの休日」などのキャンペーンにより、400万人超の入込数を記録してきた。
この間、コロナ禍の影響で伸び悩みもあったが、「らんまん」、「あんぱん」の放送による追い風で、来訪客は450万人超まで回復した。それだけに、大河ドラマや朝ドラに対する期待も大きい。
高知県では、24年から4年計画の「どっぷり高知旅キャンペーン」を開始している。これとも関連づけながら、28年のドラマ放映をはさみ、29年1月までに観光客500万人を目指す計画。
また、この博覧会を通じて、高知県観光の課題とされる長期滞在の実現、ジョン万ゆかりのアメリカ・マサチューセッツ州フェアヘイブンとの国際交流などを通じたインバウンド戦略の強化なども重点目標に掲げている。
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ただ、ジョン万の高知での生活は14歳までで、地元のロケ機会は必ずしも多くはない。アメリカはもとより、帰国時、最初に上陸した沖縄県糸満市など、ゆかりの地域とどのように連携するかも重要な課題である。
さらに「らんまん」や「あんぱん」の舞台となった牧野植物園や「アンパンマンミュージアム」などに匹敵する拠点を、どのように整備するのかなど、課題も少なくない。
ジョン万は名もない貧しい漁師だったが、漂流の悲劇を逆手にとって、自らの努力と強い想いでアメリカに渡り、幕末の日本を救う知識と技を磨き、坂本龍馬などにも強い影響を与えるほどの人物に成長した。歩んだ人生の感動と共感をどのように伝えるのか、その戦略が重要である。
筆者は龍馬伝から昨年の「あんぱん」まですべてに関わらせていただいた。これらドラマが残したレガシーは数えきれない。その成果を改めて精査し、次の戦略展開にどのように生かしていくか。一過性のブームやイベントに終わらせることなく地域が抱える課題に着実に応えていく、いわば地域の土壌づくりが重要と考えている。
高知観光を劇的に変えた龍馬伝以来の大河ドラマに、多いに期待したい。
(観光未来プランナー 丁野 朗)


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