【2026年度観光庁関係予算】2.4倍の1383億円計上、旅客税引き上げ観光公害対策に
2026年1月5日(月)配信

政府は昨年12月26日(金)、2026年度予算を閣議決定した。観光庁関係予算額は、前年度比で約2.4倍の1383億4500万円(前年度予算額は579億2900万円)。東日本大震災からの復興(復興枠)は6億6500万円となった。国際観光旅客税(旅客税)財源は、前年度490億円から約2.7倍の1300億円を計上。旅客税は26年7月以降に出国1回当たり1000円から3000円に引き上げ、オーバーツーリズム対策や海外旅行環境の整備を拡充する。

26年度予算は、3本柱として「インバウンドの受入れと住民生活の質の確保との両立」「地方誘客の推進による需要分散」「観光産業の活性化」に取り組む内容を盛り込んだ。また、25年度補正予算も活用し、地域住民の安全確保を前提として、地方誘客で観光需要を分散させ、オーバーツーリズム(観光公害)解消に向けた取り組みなどに注力する。
□インバウンドの受入れと住民生活の質の確保との両立
1本目の柱である「インバウンドの受入れと住民生活の質の確保との両立」全体では、317億700万円を充当する。このなかで最も予算を増額した「オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の受入環境整備の促進」は、前年度比約8.3倍の100億円を充てる。
地方公共団体や観光地域づくり法人(DMO)を中心に、各地域が直面している課題や今後抱える課題に地域一体で行うさまざまな取り組みに対して面的、総合的に支援する。複数年にわたる取り組みも支援し、検討段階から観光庁や地方運輸局が伴走支援を行い、より実効性のある対策の加速化をはかるとした。
このほか、最も予算を割いた「円滑な出入国の環境整備」が、同62%増の127億7700万円を計上した。
□地方誘客の推進による需要分散
2本目の柱「地方誘客の推進による需要分散」には、749億900万円を充当。①地方の観光地の魅力向上・地方誘客②地方への交通ネットワークの機能強化――の取り組みとして、新規施策を拡充する。
地方の観光地の魅力向上・地方誘客では、新規施策に「ウポポイを通じた海外へのアイヌ文化の発信とインバウンド需要の創出」に1億円を充てる。ウポポイ(民族共生象徴空間)への来場を通じた訪日客数の増加に向けて、外国人旅行者向けの旅マエ・旅ナカ情報の強化や、広報とPRイベントなどを行う。
地方への交通ネットワークの機能強化では、新たに「ボトルネック解消に向けた空港機能の抜本的強化事業」に28億8300万円、「天候トラブル時の空港への旅客滞留・混雑防止対策事業」に10億円を支援。さらに、「空港アクセス鉄道の整備・機能強化への支援」に5億2500万円、「パーク&レールライドによる観光地の混雑緩和事業」に8億7500万円、「ローカル鉄道観光資源活用促進事業」に46億円を支援する。
□観光産業の活性化
3本目の「観光産業の活性化」には、68億5600万円を充当する。このうち、「双方向交流の拡大に向けた環境整備」は前年度から25倍の大幅増となる5億円。地方空港を活用した相互交流の促進事業のほか、ワーキングホリデーを通じた双方向交流や、海外教育旅行を通じた若者の国際交流の促進を支援する。
新規では「日米交流関係強化を通じた地方誘客促進等事業」に3億円、「万博レガシー事業」に2億5000万円、「GREEN×EXPO2027を契機としたインバウンド促進事業」に2億5700万円を充当。「廃屋撤去・再生による地方温泉地等のまちづくり支援事業」に10億円、「能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業」に5億円を計上した。
このほか、新たに「日本人旅行者の安全・安心な海外旅行環境の整備」に174億9000万円を充当。日本人旅行者の不安を払拭するため、安全情報収集や発信のほか、邦人からの相談対応、緊急時の邦人保護の拠点ともなる在外公館施設の避難所機能などの強化、緊急時の邦人退避などに取り組み、安全・安心な海外旅行環境を整備する。







