「神楽」と「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産に 温泉文化は2030年の審議の見通し
2025年12月3日(水) 配信

文化庁は11月28日(金)に開かれた、文化審議会無形文化遺産部会で、2025年度のユネスコ無形文化遺産(人類の無形文化遺産の代表的な一覧表)への国内候補の新規案件として「神楽」と「温泉文化」を選定し、同日の文化遺産保護条約関係省庁連絡会議で了承を得たと発表した。ユネスコの審査優先順位としては「神楽」、「温泉文化」の順。
複数の案件を同時にユネスコに提案する場合、提案国はユネスコによる審査の優先順位をつける必要がある。文化庁によると、我が国のユネスコ無形文化遺産の新規案件審査は、現在実質2年に1件となっており、「神楽」は2028年12月ごろに審議、「温泉文化」は2030年12月ごろに審議となる可能性が高いと今後の見通しを示している。
観光業界悲願の「温泉文化」が国内候補に決定したことを受け、「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会の青柳正規会長は「これまで登録活動にご尽力いただいた、議員連盟の国会議員の皆様や、知事の会の皆様には心より感謝申し上げます。また、これまで67万筆を超える、登録推進の署名をしてくださった皆様には御礼申し上げます。登録推進活動の結果が実り、我われの悲願であった国内候補に決定されたことを大変光栄に存じます」と喜びを語った。
「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進議員連盟の菅義偉会長は「登録によって、温泉文化の魅力が全世界に伝わり、地方の活力を生み出し、また、温泉地で働く人々に誇りと希望を与え、そこに暮らす人々の暮らしと文化を守っていくことにつながります。さらに、能登半島地震で甚大な被害を受けた我が国有数の石川県和倉温泉の人々にとって、復興への大きな力となります。引き続き、議連として、速やかな登録による温泉地の活性化、温泉文化の普及、継承に向けて、活動を行ってまいります」とした。
また、「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会の平井伸治会長は 「ユネスコ無形文化遺産登録が実現すれば、世界中の観光客の温泉人気が確立し、高市内閣の希求する『強い経済』の原動力になるものであり、政府におかれてはユネスコにしっかりと働きかけていただきたい。知事の会として登録実現へ、精力的に活動を続けていく」と力を込めた。






