「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(11-12月号)」
2025年12月3日(水) 配信

□特集&主な内容
近年、フランスでも、従来の映画産業全体の低迷に加え、動画視聴サービスの普及が進んだことで、映画館の来場者数は減少傾向にあります。それでも、比較的に好調なのが日本映画です。世界的ヒットを記録した「鬼滅の刃」や「ゴジラ」シリーズの映画や、カンヌなどの国際映画祭で高く評価される日本の映画監督作品はもちろん、過去の名作の再上映もフランスでは人気です。今号では、そんなフランスにおける日本映画の動向を取り上げました。1960年代に起こった第一次ブームに始まり、2006年から日本映画を精力的に後押ししているKINOTAYO現代日本映画祭までの歴史を詳解します。同映画祭にこれまで2度招待されている山下敦弘監督からも直接お話を伺いました。グルメページでは沖縄のタコライスに注目しています。
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□〈フランスの様子〉老舗メーカーを救う仏国民の連帯

デュラレックスは、1945年に世界初の強化ガラスを開発したフランスの会社。戦後の高度成長期には、この会社の代名詞ともなる割れにくいガラスのコップが、学校や会社の食堂、カフェ、そして一般家庭にも広く普及した。◆1990年代から業績が悪化し、経営者が頻繁に変わった。そのうえ、ここ数年の燃料費高騰などもあり、2024年には倒産の危機に瀕した。それでも、従業員が過半数の株を持つ組織に変革し、危機を生き残った。◆しかし、すぐに業績は改善せず、同社はこの秋、クラウドファンディングに頼ることに。◆期間は年末までと設定され、目標金額は500万ユーロ(約9億円)として11月3日8時に始まった。◆ところが、わずか24時間後、集まった金額は目標の3倍を超える1600万ユーロ(約30億円)。◆100ユーロから3万ユーロに設定されていた支援金額に対し、数千規模の参加で、まさに「ストップ高」の成功。◆フランスのメディアは、フランスが誇る産業の危機に際し、フランス国民が立ち上がって救ったのだ、と大きく報じている。
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樫尾 岳-氏
フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旅行新聞 編集部〉

