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【PR TIMES】創業200年の古屋旅館が取り組む 応募者5倍、採用にも繋がるメディア掲載術【PR】

2025年11月4日
編集部

2025年11月4日(火)配信

「PR TIMES」を活用する古屋旅館・内田宗一郎社長に聞く

古屋旅館 代表取締役 内田宗一郎氏

 1806年創業の熱海で最も歴史ある老舗温泉宿「古屋旅館」(静岡県・熱海温泉)は、来年220周年を迎える。旅館経営にとどまらず、熱海でスイーツ事業への進出をきっかけに、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を活用。旅館の働きやすい環境づくりや福利厚生など、新たな取り組みも発信する注目される存在だ。本紙は、古屋旅館社長の内田宗一郎氏に広報PRの意義について話を聞いた。

プレスリリースは「自分の通信簿」、仕事の記録を足跡のように残す

古屋旅館はPR TIMESで継続的な広報PRを行っている(プレスリリース一部抜粋)

 ――2015年に先代から旅館を引き継がれました。広報PRに力を入れようと思ったきっかけを教えてください。

 古屋旅館は1806年創業ですが、もっと以前から旅館業を続けてきたと伝えられています。長い歴史の中で守り続けてこられたのは、当館が奇をてらわず、常に世間より「0.5歩」遅れて歩んできたことが理由だと私は考えています。

 情勢を見ながら必要性を感じてから対応することで、お客様にとって当館は「いつ来ても変わらない」「馴染みがあって落ち着ける」と愛していただいている理由になったと思っています。

 ただし、20年後はこのままの状態で良いはずがないという思いを当然抱いており、私自身は「常に世の中の流行には敏感であろう」としています。時代に先行はしないけれど、乗り遅れ過ぎないように、経営理念を「0.5歩遅れて歩む」とし、世の中の流れに沿って新しいものを取り入れていくことは、大変重要だと考えています。

 そういった背景があり、少しずつ変えていくことを決めました。

 旅館の課題解決に向けて、さまざまな講演会や勉強会にも参加し、広報PRは、ネタを作り、継続的な積み重ねが大切であると学びました。毎回、新しいことに取り組んでいると発信すること自体が旅館のPRやイメージアップにもつながっていく。そういった観点から、ネタを作り、継続的な広報PRをやっていきたいと思ったのです。

 ――スイーツ事業への進出を機にプレスリリース配信に着手され、広報の一翼を担っています。

 コンサルタント会社が開催する講演を通して、プレスリリースが重要であると知りました。常にやらなければと思いながらも、自分自身も「社長兼プレーヤー」であるため手が回らず、自分の仕事の中でプレスリリース配信の優先順位を高くすることができず、後回しにしてしまいました。

 そのなかで転換点となったのが、2021年2月に熱海銀座商店街で開店した「和栗モンブラン専門店」です。スイーツ事業の運営会社を設立したのを機に、メディアで取り上げてもらうことを期待して「PR TIMES」でプレスリリース配信を始めました。

 PR TIMESは、日本国内でメディアと生活者に最も活用(※月間約9000万PV)されています。閲覧数は業界内でも圧倒的に多く、1万媒体超のメディア、2万8000人超の記者や編集者にも配信されます。リリース情報は提携メディアへの転載や、SNS投稿もしているので、情報が広まりやすいのも特徴です。

 モンブラン専門店は地元新聞のほか、全国区のテレビ番組でも何度も取り上げていただき、広報PRの方向性として間違っていなかったと感じています。初めてのスイーツ専門店のオープンでしたが、多くのお客様による大行列ができまして、大変な収益となりました。

 ――プレスリリース配信の始め方とは。

 開始当時は私がプレスリリースの文章を書き、写真は社員が撮影していました。リリースに関するノウハウはまったくない状態から始まりましたが、PR TIMESに掲載している皆様が配信されたリリースを10、20件読むと不文律が見えてきて、非常に参考になりました。また、PR TIMESから発信に合わせてノウハウ記事も発信されています。

 リリースを読む側の視点を最重要視し、私自身が作成の最初から最後まで関わっています。

 ――古屋旅館はPR TIMESで2021年からプレスリリースを継続しています。

 最初はモンブラン専門店のプレスリリースに集中していましたが、旅館事業とスイーツ事業で案件があるたびに配信していきました。旅館のリニューアルや社員寮の新設、不動産の取得、高級パフェ専門店の開店など、元気の良さを発信するよう心掛けています。

 それ以外にも、社内での取り組みを発信することが、求職者の琴線に 触れるのではないかと考えるようになりました。社員の働きやすさや、効率化に邁進している会社であるとアピールできれば、旅館自体に関心を持ってもらえるかもしれない。福利厚生として、社員の家族を無料で当館の宿泊に招待するプログラムの導入についても発信を行いました。

 ほかにも、DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務のデジタル化を推進し、社員のストレスを軽減した働きやすい職場環境の整備を進めていると発信しました。予約データの入力作業のアウトソーシング化、AIを活用した勤務シフト自動作成サービス、リアルタイムの翻訳ディスプレイなどの導入に加えて、導入の成果まで記載しています。

 これによって、取り組みに対する熱量や想いを伝えることができるのも特徴です。私たちのような小規模の旅館がどんな活動をしているのか、私自身は分かっていますが、外部のほか、社員に知られていないこともたくさんあり、年月が経つと活動が風化してしまう恐れがあります。プレスリリースを配信することで記録として残すことができ、活動を継続するきっかけにもなります。

 私たちは取り組みを記録していくことに意味があると考え、これまで配信してきました。当館への関心の高まりは、プレスリリースなどのPV(閲覧)数としてわかることはもちろん、直接見ましたとお話しいただけることもあり、全国に向けて広く発信し、多くの人が見てくれているのだと実感できました。

 ――PR TIMESを利用するなかで、気づいたことは。

 今までの当館の配信を一覧で見ると「自分の通信簿」であると感じるようになりました。私にはこんなことをやりましたと報告する上司となる立場の人がいません。自分の仕事の記録を足跡のように残すことができることも、モチベーションにつながっています。日記のように何かあるたびに発信することが楽しく、今でも「プレスリリースを通して発信できる仕事をしよう」と思っています。

 PR TIMESでプレスリリースを発信することで、メディアからの取材・掲載につながる機会も増えていきました。求職者へのアピールや、新入社員たちにも目に留まりますので、自分たちの宿を客観視することにもなり、彼らにとってもすごく意味があることだと感じています。

 また、社内チャットでも配信した内容は共有していますので、例えば友人や家族にこんな活動をしていると言えるものがあることは、企業としてすごく親切ではないかと考えています。

プレスリリースを通して、大切な人たちとより良い関係を築いている

 ――プレスリリースの配信頻度は決めていますか。

 案件があるごとに配信を行っているので、頻度は決めていません。

 頻度は決めていないものの、ある程度先の未来を想像して「これはプレスリリース出せそうだな」と見通しを立てています。何よりも、継続的に配信することが重要であり、「継続は力なり」です。

 私にとって、教えていただいたものを含めた経営哲学として大事にしている要素があり、①継続できないことはしない②優先順位をつける③小さく提案して大きく与える――の3つを守っています。継続は大変ですが、そこは胆力と頑張り次第です。

 ――2019年には寮用地を取得し、翌年に新アパートメント&女子寮を竣工しました。

 多くの女性スタッフが活躍している職場ですし、新しい寮をつくらなければいけない。若い優秀な人が熱海に集まることで、街の活性化につながるという理念のもと取り組みを始めました。

 海に面し、山の斜面にある熱海の市街地には住まいが少なく、静岡県内では人口比や平地の割合が非常に低い土地です。土地はあっても家屋が残っていることが多いため、マーケットに出てきません。難しい土地であるため、なおさら社員寮を用意する必要があったのです。

 社員寮の竣工も、「古屋旅館に就職したい」と求職者から選ばれる価値が高まるという予測のもと、PR TIMESで配信。働きやすい職場づくりを積み重ねたこと、プレスリリースで発信し続けたこともあり、結果的に採用応募が約5倍に拡大しました。さらに、社員寮は滞在時間が非常に長いので、社員の定着率も大きく上昇しました。

 ――温泉タンクの増設も発信しています。

 館内の大浴場や客室露天風呂に供給している温泉タンクの増設が完了したことも、プレスリリースで配信しています。館内施設への余裕ある温泉配水に加え、災害に備えた生活用水の確保を目的とした取り組みです。

 プレスリリースを発信した理由としては、増設まですごく時間と資金もかかっており、世に広く発信しない理由はないのではと考えたからです。

 熱海では過去に伊豆山の土石流災害を受け、自衛隊の方々に古屋旅館の風呂を1週間くらい利用いただいたことがあり、風呂が非常に大事であることを再確認しました。

 今回のタンクでは約5日間分を備蓄でき、保温力が強く、災害時の備えにもなることを強調して発信しました。

 ――生成AIにより広報PRは変化しますか。

 今後はさらにAI時代が進んでいき、これまで検索エンジンで上位に表示されるように行っていたSEO(検索エンジン最適化)対策のみでは、不十分だと思われます。基本的な戦略としては同じと言われていますが、生成AI検索で上位に表示されるように、影響力のあるサイトにいかに情報が掲載されているかが重要だと考えています。

 PR TIMESは、“影響力”といった意味でもAI時代のGEO(生成エンジン最適化)対策として有効だと思っています。月間9000万PVのあるプラットフォームへのプレスリリース配信や提携メディアへの転載など、自ら旅館の正確な情報を影響力のあるサイトに掲載されるように発信することで、生成AIに正しく情報が伝わることにつながります。

 ――最後に、地域の旅館が広報PRをする意義をお聞かせください。

 旅館経営は課題が多くて難しい問題を抱えていることもあり、とくに決定権のほか、皆様が想定している以上にコスト面に対してシビアで、新たな取り組みを始めづらい印象があります。

 また、今まで誰かにやってほしいと言われたり、背中を押されたりして始めたことが続かず、上手くいかなかった経験もあるのではないかと思います。

 広報PRは「担当者本人が面白い、やりたいと舵を切って取り組む熱意が必要」です。継続的に配信することが重要であり、まずは、広報PRの重要性と面白さに気づくというプロセスが必要であり、モチベーションの継続につながります。

 これまで当社が配信を続けているPR TIMESは、経営者の“熱量”や、宿の“想い”まで効果的に盛り込んで発信することができるうえに、さまざまなメディアに掲載される機会を増やすことができました。今回の取材を通して、広報PRの面白さや意義について気づいてくれたらと思います。

古屋旅館 代表取締役 内田 宗一郎 氏

 1973年生まれ。静岡県熱海市出身。高校卒業まで地元で過ごしたのち、大学進学で上京。早稲田大学法学部を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。2002年に古屋旅館に入社し、2015年から現職に就任した。熱海市観光協会副会長、熱海温泉ホテル旅館協同組合理事、熱海商工会議所青年部理事も務める。

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